第61話 店の名物
お好み焼きはとても美味しかった。
そしてデザートを注文する時間がやってきた。
「食後にしか挑戦権が発生しないデザートってなに?」
もちろん普通に注文できるデザートもある。
そっちはメニューにだって載ってる。
この食後専用デザートは、メニューさえ別だった。
「しかも重そうだよねー」
猫が笑いながらメニューを見ている。
高さ30cmの『鉄板パンケーキタワー』。
これがこの店の名物だった。
ただし、お好み焼き一枚がそれなりにボリュームがあるので、お腹によほど自信がある人じゃないと挑戦できないやつ。
まぁ私たちには熊さんがいるんだけどね。
「玄、トッピング好きに選んでいい?」
「いいよ」
「こはるどうする?」
「そうね……」
アイスだけで種類が10種類ぐらいあるんだけど。
何か最近、こういう謎なお店と縁があるわね。
「フルーツとかコーンも選べるよ」
「いちご食べたい!」
「僕はバナナ」
私と猫の会話を聞きながら、熊さんがタブレット端末を操作してくれている。
熊さんに注文まで任せちゃってるけど、普通こういうのって私がやるべきなのかしら?
「おがたはどうするー?」
「もう食べられません」
そうね、監督にデートプランとして提案するため、監督が好きそうなお好み焼きを二種類注文していたものね。
デートを陰ながら見守るの諦めてなかったの?
なお、キラキラ王子と黒い人は、自分たちだけお酒を飲みながら楽しんでいた。
優雅過ぎて一瞬、ここがお好み焼き屋だって忘れるわね。




