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マンドラゴラ戦隊 声優たちの日常~収録現場は今日も賑やか~  作者: ゆめ@マンドラゴラ


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55/56

第55話 ダンスラッシュ

 画面のマークを目で追う。


 一歩。

 二歩。

 長いラインは滑らせる。


 イントロを聴いた瞬間、体が勝手に動き始める。 


 何百回と練習した振り付け。

 歌詞も、リズムも、全部体が覚えている。


 ここはゲームセンター。

 でも今だけは、私のための小さなステージ。


 何これ楽しい!

 凄く楽しい!


 音楽が終わって周囲の音が戻ってくる。


 ……あれ?

 やけに静かね?


「こはる凄い!」


 目を輝かせた猫が画面を連写している。

 そこには――98.7点の文字。


「えっ!?」

「すげぇ!」

「あの子プロじゃない?」

「アイドルの……? 本物?」

「派手に遊び過ぎたかな? こはる、帰ろうか。……こはる?」


 気に入らないわね。

 私のダンスもリズムも完璧だったはずよ。


「猫、もう一回」

「え?」

「満点とってやるっ!」


 ゲームの分際で生意気よ!

 本人が歌って踊ったんだから忖度しなさいよね!!


「コイン貸して!!」

「はーい」


 上着が邪魔ね。

 髪もちょっとまとめよう。


「これで満点取れなかったら、取れるまで通うわ!」

「こはるって負けず嫌いだったんだねー」

「そうよ!」


 上着を預けようと振り返ったら、ゲーム機の周りに人が集まっていた。


「……もしかして次にゲームやりたかった? ごめんっ!!」

「違います!」

「もう一回やるんですか?」

「ううん、やりたい人がいるならどうぞ!」

「あ、あの!」


 顔を真っ赤にしながら一人の青年が手を上げた。


「二人プレイしてみたいです」

「そんなのあるの?」

「あるよ~。二人プレイにして、難易度もちょっと下げとくね」

「え、本当にいいんですか!?」

「もちろん。一人で踊るより楽しいでしょ」


 誰かと呼吸を合わせるのは得意よ。

 私を誰だと思ってるの!


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