第53話 ゲームセンターデビュー
店の前で男性とは別れたけど、猫は連絡先を交換したらしい。
本当に友達になったのね。
なるほど、交友関係ってこうやって広げるのね。
私には絶対真似できないわ。
「今日は玄のご飯食べていく?」
「もちろん」
謎の虚しさにさらされたので、熊さんの包容力で癒されたい。
「じゃあまだ時間あるよね、遊んで行こう!」
猫の「クレーンゲームがやりたい!」という要望で、ゲームセンターへ向かった。
あれ?
私、ゲームセンターって初めて来たかも。
「新しいの入ってるかなー?」
「よく来るの?」
「ここ、お菓子のクレーンゲームがあるんだ」
「へぇ」
猫が迷いなく向かった先は、店頭に並んだクレーンゲームの一番真ん中にある機械だった。
あ、本当にお菓子が入ってる。しかも箱で。
「ここ、近所の新作を並べているから、たまに来るんだ」
「買った方が絶対早いと思う」
「取るのが楽しいの!」
それから十分後、意気消沈した猫がいた。
どうやらUFOキャッチャーに課金しすぎる常習犯らしく、一日の課金上限を決められているらしい。
正しいと思う。
「ちぇー、中で遊んで行こう」
「うん」
連れてこられたのは謎のゲーム機の前だった。
何かしら、これ。
「これやろー」
「なにこれ?」
「DANCERUSH STARDOM、音楽に合わせて自由に踊るやつ」
「ふぅん?」
そんなゲームもあるのね。
「こうやって遊ぶの」
「難しそう」
画面で流れるデモプレイでは、皆キレッキレで踊っていた。
これを、やれと?
「ダンス得意でしょ!」
「待って、無理だから!」
「いってみよー!」
有無を言わさず台に乗せられ、音楽が始まった。




