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マンドラゴラ戦隊 声優たちの日常~収録現場は今日も賑やか~  作者: ゆめ@マンドラゴラ


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4/10

第4話 収録現場、やっぱり変

 収録にも少しずつ慣れてきた――はずなんだけど。


(アフレコ……やっぱり緊張する……!)


 台本は何度も読み込んだ。

 監督の癖も分かってきたから、ブルーもやりやすくなった。


(私は今日も可愛い、大丈夫やれる! ちゃんとやるのよ私……!)


 台本をぎゅっと持ち直す。

 周りを見ると、みんなすでに立ち位置についていた。


(こうして見ると普通にイケメン揃いなのよね。田中はイケメンというより癒し系ぽっちゃりだけど)


 みんな仕事は真面目だし。

 顔面偏差値は高いし。

 アニメの完成度も高い。


 でも仕事が終わると、唯一の女子、紅一点、人気アイドルである私の存在が薄くなる空気が解せない!

 そろそろ飼ってる猫が家出しそうなのよね。


「――第3話Aパート、いきます」


 スタッフさんの声。

 直後、電子音。

 空気がピンと張る。


「この街と自然の未来は、俺たちが守る!」


(このリーダー、人間より自然優先なのよね)


 顔は怖いし、態度は悪いし、イエローばっかり構っている人だけど、普通に上手いのよね。

 声の力強さがリーダーって感じ。


「うんうん、人間も守ろうね~」


 イエローがやんわりとレッドの「人類スルー」発言をフォローする。


(今、人間がついで扱いされたわよね?)


「むしろ自然破壊をする人間は敵じゃない?」


 マンドラゴラの可愛い絵柄で言っていいセリフじゃない気がする。

 本当にこのアニメどうなってるの?


「ブルーはどう思う?」

「凍らせたい」


 やんわり振ったピンクもピンクだけど、ブルーの返しが容赦なさすぎる。


(ねぇこれ本当にヒーローもの?)


「行くぞみんな!」


 レッドが踏み込み――敵に突撃。

 直後、効果音とともに、街の一部が派手に崩れた。


(守ってない!!)


「OKでーす」


 響く終了音。


(通った!?)


 確かに台本通り。

 台本通りだけども。


(正義のヒーローが街破壊してるのよ?)


 マイクから離れながら、そっと周りを見る。


 誰も何も言わない。

 普通に一仕事終えた顔をしている。


(え、これ正解なの?)


 台本に付いて行けないの、私だけ?


「今日も白藤さんのピンクが素晴らしい……」


 監督がうっとりと呟いている。

 あれはもう通常運転、気にしたら負けと悟った。


「10分休憩入りまーす」


 ふぅと体から力を抜く。

 視界の隅でレッドがポケットからお菓子を取り出し、流れるような動作でイエローに渡している。

 受け取ったイエローは、迷いなくその場で食べ始めた。


(餌付けが自然すぎる)


 こんなに可愛いアイドルが目立てない現場。

 ……私を甘やかしてくれる新人、入らないかな?


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