第38話 試練は続く
皆で行ったオムレツ専門店。
美味しかった。
気付けば焼き鳥、ハンバーグ、とんかつ、カレー専門店……。
美味しいお店ばかりだった。
私も途中で気付くべきだった。
「入らない?」
スカートがきつくなっていた。
美味しい物とカロリーはイコールだったのよ……。
このままじゃ……ライブ用衣装が着れなくなる。
「これ以上太る訳にはいかないっ」
とりあえず今日はふわっとしたフレアスカートにしよう。
可愛いし、ふわっとしてるから大丈夫、大丈夫。
そう自分に言い聞かせてスタジオへ向かった。
控室の入口で鉢合わせたのは、顔色の悪い田中だった。
「ど、どうしたの?」
「うん……」
あまりに元気がないので、話を聞くことにした。
幸い、収録までにはまだ時間がある。
控室に入るとキラキラ王子と黒い人がいた。
黒い人はソファに座ったまま資料を開き、キラキラ王子はその資料を覗き込みながらコーヒーを飲んでいる。
しかも頭は黒い人の肩。
そこが定位置なの?
何あれ。
なんでナチュラルにいちゃついてるの?
レベル高くない?
いいえ、気にしたら負けよこはる。
スルーするのよ。
「それで、何があったの?」
田中をソファに座らせ、事情を聞く。
「僕らが出ているバラエティ番組あるでしょ」
「うん」
「今度あの番組で歴史クイズやるんだって」
良かった。
悪いことがあったわけじゃないのね。
……いえ、待って。
歴史クイズ?
最悪じゃないの!!!
「田中、バナナ以外の知識あったっけ?」
「ないよ!」
即答だった。
……でも、人のことは言えない。
私もアイドルに必要な知識以外なんて、ほとんどないわ。
歴史の成績なんて、ギリギリ赤点にならなかった程度。
どうしよう。




