7:友情の握り拳
ス=スナップ モ=モリガン
モリガンは二択を突き付けているが、確証は有るようだった。
スナップは自分たちと来る選択をすると。
だが、俺は普通の人間じゃ無い。
「全身異形症」、五メートル超えの身長とガタイの大きさ、そして感情がある者全てを少しづつ蝕んでいく厄災とも思える「呪力」。
こんな俺を必要としてくれる人なんて、一生現れないだろうと思ってた。
だが、目の前のモリガンは俺を必要としてくれている。
モ「おいどうした? 泣いてんのか?」
気付けば俺の目から大粒の雫がホロホロと滴り落ちていた。
男として女の前では涙を見せたくは無かったが、羞恥心を超えてしまった。
それだけ俺は欲してたんだろう。
”仲間”と言う奴を。
ス「泣いてねぇよ……! からかうなメスガキ……!」
モ「素直じゃねぇ奴だな」
流れている雫を拭う俺を見て、モリガンは微笑ましそうにフフッと笑う。
ス「話は分かった。だが、一つ条件を言わせてくれ……」
モ「なんだよ……? ここにきて条件か……?」
今までの人生をコイツに話そう。
ス「俺は生まれてから今まで自分の”呪力”のせいでずっと一人だった」
モ「……」
ス「親父は家族を捨て、故郷の奴らからは化け物のように扱われた。唯一理解してくれたお袋も俺が五歳の頃に余命末期になっちまった。その時お袋は言ったんだ。”あなたの成長した姿が見たかった”ってさ………だから俺は村を出ようと決意したのさ。お袋を死なせないために」
モ「スナップ……」
ス「村を出てからは、人里を避けながら世界各地を転々とした。だが俺の生活はいつも通りの狩猟採取。仕方ないと割り切りつつも心のどこかで”仲間”に飢えてたんだ」
俺は目の前の小さな少女に手を差し出す。
モ「……? どうした?」
ス「条件は友達になってほしい。それが俺がアンタらについて行く条件だ」
すると、モリガンは噴き出して大笑いした。
ス「な、何がおかしいんだよ!?」
モ「いやぁ、ついて行った時点であたしら仲間だろうが」
モリガンは差し出した俺の手を見て、拳を突き出した。
モ「あんた手がデカすぎんだよ。こっちで行こうぜ」
グータッチか……悪くはねぇな。
ス「よろしくな! モリガン!」
モ「ああ。仲良くしようぜスナップ!」
俺たちの握り拳の大きさは対照的だったが、これが俺たちの友情の始まりかもしれないな。
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