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私、見る目がありますから!〜癖強クランで愛され異世界ライフ〜  作者: 阿井りいあ


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78/81

78 思っていた以上に寝てました


 朝になって普通に目覚めた私は、少し身体の怠さを覚えつつもいつも通り身支度を済ませた。

 朝食を準備するにはあまりにも遅くなっちゃったな……。昨日、教会に行った帰りに寝込むように倒れちゃったから、かなりたくさん寝たよね。寝坊助すぎるぅ。


 今さらとはいえ、何かできることがあるかもと思って慌てて食堂に行ったんだけど……その場にいた全員にものすごく驚かれてしまった。


 トウルさんをはじめ、セルジュやスィさん、双子にモルガンさんとウォンさんテッドさんまでいる。

 そこで初めて私は自分がとんでもない勘違いをしていることを聞かされた。


「えっ、私、三日も寝ていたんですか!?」


 寝坊助どころの騒ぎじゃなかった……! それなら皆さんがここまで驚く理由もわかる。心配してくれている理由も。

 私だって誰かが三日も目を覚まさなかったら心配で仕方なくなるもん。


 困るのは私にまったく自覚がないことだよ。身体が妙に重いってのはあるけど、それ以外はスッキリというか、むしろ元気だったから。


「そうですよ。随分とお寝坊さんですねぇ」

「うぅ、ご、ごめんなさ……」

「冗談ですよ。あまり本気で謝罪しないでください。僕が酷い男みたいじゃないですか」


 スィさんのせいじゃないですか、と文句を言いかけて心の中にとどめる。

 もうっ、トウルさんだけでなくスィさんもよく私をからかうよね。そんなにからかいやすいのかな、私。


 でも、今のスィさんとのやり取りで心配顔をしていた皆さんもホッと肩の力を抜いてくれたみたい。


 その後、元気といっても今日は働くの禁止! と口々に言われた私は、わかりましたと言うほかなく……ちゃんと大人しくしてますよ。元々、やることもないし。悲しい。

 それから皆さんは一人また一人とお仕事に向かい、食堂に残ったのはスィさんとトウルさんの二人となった。


 胃が驚くかもしれないと思って、朝食には具を避けたスープだけ飲んだ。昨晩の夕食の残りだそう。

 アミシーが好むジンジャーの香りに、心も身体もホッと一息つけた。


 うーん、今日はのんびりするといっても、これから何しようかなぁ。

 と、ぼんやりしていたらスィさんがキッチン奥からティーセットを持ってきてくれた。


「カトリーヌから疲労によく効くという茶葉を預かっています。薬のように苦くはありませんので安心ですよ。飲みますか?」

「く、薬だって飲めますよっ!」

「では苦いほうを飲みます?」

「美味しいほうをお願いしますっ!」


 少し離れた場所で、トウルさんがくつくつと笑っている声が聞こえてくる。

 くっ、またスィさんにからかわれた……! スィさんも楽しそうに笑っているし! ぐ、ぐぬぬ……。


 でも、淹れてくれたお茶は本当に美味しかった。

 ゆっくりお茶を飲んでいると、今度は真面目な顔でスィさんが言う。


「神様とお会いするというのは、命を削る行為なのですね。たかが人間が軽率に頼っていい相手ではないのだと思い知らされます」

「それは……そう、かもしれません。私、少し軽く見ていたかもしれません」


 これについては私も大反省だよ。いつでも神様に会える! って心のどこかで思っていたのかも、って。


 頼ってばかりいられないよね。私は私に出来ることを精一杯やるべきだったのに……ミルメちゃんのバージョンアップまでしてもらっちゃったし。


「そもそも、神様が現状をどうにかしたいと思っていなければ、ルリさんに会おうともしなかったはず。神様もルリさん頼みのようですから、お会いして良かったと言えるのでは?」

「……それも、そうかも?」

「ふふ、本当に流されやすい人ですねぇ。よくこれまで無事で生きて来られましたね」

「うっ」


 自覚は大いにありますとも!

 というか、無事じゃなかったからこの世界にいるわけで……うぅ、私ってヤツは本当にもう。


「スィさん、最初にお会いした時よりもどんどん意地悪になってません?」

「お気づきでしたか。すみません、僕は人と親しくなればなるほどこうなってしまうのですよ」

「し、親しく……! 私、スィさんと親しくなれてますか!?」

「喜ばれると良心が痛みますねぇ……それに少し気恥ずかしい。ええ、そうですよ。それとも、そう思っているのは僕だけですか?」

「そんなことありません! えへへ、嬉しいです」


 親しい仲同士の戯れ、ということなら嬉しいよ! 

 あまりからかわれすぎるのも嫌だけど、そういうことなら話しは別。


 ……あれ? スィさん、少しだけ顔が赤い?

 首を傾げていたら離れた場所にいたトウルさんがまた笑い出した。今度は吹き出して笑ってる。

 えっ、今、何か面白いことあった? それとも私が気付いてないだけでまたからかわれていたり?


「……お茶、僕も一緒にいいですか?」

「もちろんです。お疲れなんですか?」

「ええ、おかげさまで」


 頭に疑問符をたくさん浮かべつつ首を傾げていたら、こほんと咳をしたスィさんもお茶を飲み始めた。

 う、うーん、よくわからないけど……まぁいっか。


「やはり、一人で飲むより美しい女性と飲んだほうが格別ですね」

「お上手なんですから……」


 こんなことを言うのは照れ隠しなのかな。すでにいつも通りのスィさんに戻ってしまったからわからないけど……そうだったらちょっと嬉しいな。


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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!!ルリさん目が覚めて良かったε-(´∀`*)ホッというかスィさんが照れてる(´⊙ω⊙`)! とてもレアなのでは…?次話も楽しみにお待ちしてます\(^o^)/
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