表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、見る目がありますから!〜癖強クランで愛され異世界ライフ〜  作者: 阿井りいあ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
69/70

69 小包の送り主は一体……


 騒ぎを聞きつけてすぐ、クランに残っていた人たちが集まってきた。

 真っ先に駆け付けてくれたのはセルジュだ。


「何があった!?」

「セ、セルジュ!」


 何から説明すべきか、動揺していた私はすぐには言葉が続けられなかった。

 でも、メディが的確にセルジュへと指示を出してくれる。


「逃げた男を追ってくれ! 細身の浮浪者だ。赤毛で、帽子被ってた」

「わかった」


 たったそれだけのやり取りで、セルジュは外へと飛び出した。あの青年も動揺していたし、セルジュが追ったのならきっとすぐに捕まるはず。


 それよりなにより、今はサンディだ。私も、震えてないでしっかりしなきゃ!


「私、治療院に……あ! その前に、ギャスパーさんを呼んでくる! それから誰かにカトリーヌさんを連れてきてもらえるように頼むね」

「あ、ああ……」


 側にいたメディに声をかけると、驚いたような目を向けられる。

 そうだよ。きっとサンディが怪我をして一番心配しているのは他でもない、メディだ。


 さっきメディが咄嗟に私を抱えて避けてくれなかったら、サンディが盾になってくれなかったら、きっと私は大怪我をしてた。

 助けてくれて、いつも元気をくれる二人に今度は私が恩返ししないでどうするの!


「ありがと、ルリ」

「こちらこそだよ。庇ってくれてありがとう、メディ」


 それだけを伝えてサンディをメディに任せると、私はすぐにギャスパーさんの研究室に向かった。


 震えてる場合じゃない。

 ……あの小包が狙っていたのが私だったという事実には気付いていたけど、今は考えないようにした。


 ◇


 サンディの怪我は、さほど酷いものではなかった。

 それでも怪我の範囲は広く、完全に治るまでには数か月かかるとのこと。

 傷が急所を全て外していたのが幸いしたとカトリーヌさんは教えてくれた。きっと、咄嗟に防御したからだよね。本当にすごいよ。


 でも、でもね。きっとサンディは完全に避けることだって出来たはず。

 私さえ近くにいなかったら、誰も怪我をしなかったのにってどうしても気にしちゃうよ。


 そう考えるとじわっと目に涙が浮かんでくる。ううっ、泣かないけどっ!


 今は話を聞いて帰ってきてくれたトウルさんとセルジュが真剣な顔で話し合っている。

 メディはサンディに付き添っているし、私がいるとゆっくり休めないと思って彼らのいる談話室のほうに来たんだけど……。


 二人の怒りのオーラが怖いです……!


 いや! 私だってサンディが怪我をして怒っているから気持ちはわかるけど!

 でもこの二人の怒りのオーラは他の人の比じゃないと思うの! 寒気すら感じる!


「で、その小包を持って来たヤツは」

「捕まえて尋問したが、その辺で雇われただけのただの浮浪者だった。金貨を握らされてな」

「ま、そんなことだろうと思ったが。頼んだヤツの情報は」

「全身マントとマスクで顔を隠していた、と。そいつだってただの使いの可能性が高い。計画的に狙ったんだろうな……ルリを」


 急に私の名前が出てきてビクッとする。

 ……うん。怖くて考えないようにしていたけど、やっぱりそうだよね。


 だってあれは私宛の小包だった。それを怪しんだサンディが開けて、あんなことになったんだもん。


 もし他に人がいなくて、私が何も知らずに受け取っていたら……きっと宛先を調べようと何も考えずに開けたと思う。

 そうしたら、今のサンディよりもずっと酷い怪我をしていたよね。ううん、場合によっては……死んでいたかも。


 そこまで考えた時、ぶるっと身体が震えた。

 だ、大丈夫。もしそうなっていたら開ける前にミルメちゃんが警告してくれただろうし!


 ……あれ? ちょっと待って。ミルメちゃんが、警告?


 思えば、さっきサンディが荷物を開けようとした時は警告なんてなかった。

 ミルメちゃんは優秀なので、私に危険があるとすぐに知らせてくれるはずなのに。


 ね、ねぇ、ミルメちゃん。いるよね? どこか調子が悪かったりする?


【正常です】


 あ、よかった。なんだか会話みたいなことが出来るようになってて、それはそれでビックリだけど。

 でも不思議だな……。聞いてみたらわかるかな?

 あの小包は危険じゃないと判断したのかってこと。


【小包は確認しておりません】


 え……どういう、こと?

 つまり、ミルメちゃんには小包が届いたことがわかってなかった?

 え、そんなことある? だって目の前で届いたのに。


 ミルメちゃんにもわからないものが、この世にあるってこと?


【私と能力が同等か、それ以上のスキル保持者なら可能です】


 同等かそれ以上のスキル保持者……つまり、ミルメちゃんほどの万能なスキルを何者かが持っていて、それによって隠蔽とかされていたら気付けないってこと、かな。


 そこまで考えた時、ふと思い出した。

 マリーさんを見ようとした時にも、見ることが出来なかったってことを。


「ルリ? どうした?」


 心配そうに声をかけてくれるセルジュには悪いけど、正直なところ今はすぐ反応できそうにない。


 マリーさんは異世界人だから発動しなかったのかなって思っていたけど……世界を渡って私がミルメちゃんのようなすごい力を得たように、マリーさんも同じように力をもらっていたら?

 あ、いや、あの神様だもん。間違いなくもらってるだろうし、あの時そんな感じの話も聞いたような……?


 とにかくそれが、今回の隠蔽に関わるようなことだったら?


 それが当たっていたのだとしたら……あの小包はマリーさんが送ったものということに……?


 ただの推測だし、疑いたくない気持ちが強いけど……。

 もし事実だったら。その時のショックが大きすぎてなかなか立ち直れそうになかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ