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私、見る目がありますから!〜癖強クランで愛され異世界ライフ〜  作者: 阿井りいあ


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66 プランクフラワー


 四人で花屋さんに向かっている途中、見知った顔と遭遇した。

 可愛い服に身を包み、お揃いのツインテールで双子ファッションを決めてるメディとサンディだ。

 遠くからでも目立つから駆け寄ってくるのがすぐにわかったよ。


「ルリ!? どうして出かけてるの!?」

「チビたちも一緒じゃん。セレも? 許可は貰ってるの?」

「貰ってるよ! 僕たちでルリさんを守りながら笑顔にするお出かけなんだ」


 二人からの質問に答えてくれたのはトンくん。胸を張って得意げなのが可愛いな。

 私がほっこりしていると、メディとサンディが声をそろえて言う。


「「ルリを笑顔に? それやりたい!」」

「「「だめーっ!!」」」


 否定の声も揃った……!? そして早い。ぷくっと頬を膨らませる子どもたちは可愛いけども。


 ど、どうしよう。二対三でにらみ合ってる……かと思ったら、すぐに双子がプッと吹き出して笑った。


「言うと思ってたよ! 安心して、邪魔しないからさー」

「ほ、ほんと?」

「本当! ボクらだって邪魔されたら嫌だって思うし〜」

「よかったぁ」


 私も安心したよ。メディとサンディは少しからかっただけみたい。


「じゃ、日を改めてオレらもトウルさんに許可取るか」

「そだね。でもさ、なんかあったら知らせてよ? 駆け付けるからさー」

「だな。セレ、もしもの時は思い切り鳴いてくれな」

「にゃおん」


 肩の上でセレもどことなく得意げな様子でひと鳴き。ふふ、こっちも可愛い。

 こうしてメディとサンディは二人大きく手を振りながら去って行った。なんだか元気をもらっちゃったな。


 なんだかんだ言っていいお兄ちゃんだよね。子どもたちがいないところでは、あの二人が甘えん坊なのに。年の近い弟みたいでこちらもまた可愛い。


 ……今日の私、可愛いばっかり思ってる気がする! 精神的にとてもいい。可愛いは正義!


「メディとサンディが駆け付けてくれるなら、なんかあっても安心だよな!」

「信頼してるんだね」

「うん。あの二人って本当に強いんだよ。あと、素早いから」

「そうそう。セレとかけっこしていい勝負になったこともあるよ」

「え、すごい」


 再び歩き始めながら、テンくんから双子の話を聞かせてもらった。

 私が体調を崩した時も、背負って治療院まで運んでくれたし、実際すごく頼りになるよね。年下なのに頼りきりで申し訳ないくらいだったもん。


 でもまさか、走る速さでセレといい勝負だなんて、すごすぎない? 普通の猫が相手だったとしても普通だったら追いつけないよね?

 しかもセレは大きくなる。きっともっと速いはずだ。魔法かスキルを使うのかな。いずれにせよ尊敬だよ!


「にゃ」

「あっ、セレが不服そう」

「あはは、結局セレが勝ったもんね!」

「にゃ!」


 そうなんだ。ふふっ、見たかったなぁ。


 他にも、クランのメンバーのすごいところなどを聞かせてもらいながら歩いて、気付けばあっという間に花屋に到着していた。

 みんなの話は興味深くて楽しかったから、また別の機会に聞かせてもらっちゃおうっと。


「ルリ姉、あっちに鉢植えがいっぱいあるよ!」

「ほんとだ、行ってみようか」


 花屋さんは表に切り花が並んでいて、通路を挟んで広くなった場所に鉢植えや苗、種などがあるみたいだった。

 テンくんとカンくんに手を引かれて奥に進むと、本当にたくさんの鉢植えが並んでいて目移りしちゃいそう。


 ここのお花屋さん、とっても広くて綺麗だし、今日まで来なかったのがもったいなかったかも!

 この中から選ぶなんて出来るのかな……? 日が暮れそう!


 なんて心配になっていた時、ふと見覚えのある花が目に入る。


「わ、これってアジサイ? この世界にもあるんだ」

「アジサイ? あ、プランクフラワーのこと?」

「プランクフラワー、っていうんだね」

「そう。この花、不思議でさ。植える場所によって花の色が変わるんだ」

「植えてみないとわからない、ドキドキするお花なんだよな。オレも好き」


 そっか、アジサイってたしか土の性質で色が変わるんだったね。それがドッキリみたいでそんな名前がついたのかな。面白い。


 実は私もアジサイが大好きなんだけど……花言葉が「移り気」とか「浮気」って聞いて微妙な気持ちになったのを覚えてる。

 実際はもっといろんな意味があるんだっけ。色によって違ったりとか?

 詳しくないからわからないけど、花言葉なんて気にしない! 好きなものは好き! ってことで開き直った記憶もある。


「クランのお庭に植えたら、何色になるかな?」

「ルリ姉、これにするの? 賛成!」

「でもさ、どの鉢植えもすでに花が咲いてるぞ。色の楽しみが……」

「大丈夫だよ、テンくん。たしか咲いてるのを植えても、次第に色が変わることもあるから」

「面白ぇ!!」


 土によっては色が変わらないこともあるけど……それも含め、楽しめるんじゃないかな。ふふ、三人とも私以上に楽しそう。


「あ、でも……ちょっと高いね」


 トンくんの声に、値札を確認する。うっ、たしかに高い。

 私だけならともかく、四人で出し合って買うと決めてきたからあんまり高いとちょっとね。


 でも考えはあるよ。しょんぼりするカンくんの頭を撫でながら早速提案。


「一株だけなら、ちょうどいいんじゃないかな」

「でも、それだけじゃさみしいよ……」

「大丈夫。上手に育てれば増えるから、頑張ってみる」

「えっ、そうなの!?」


 このプランクフラワーがアジサイと同じならきっと……!

 念のため店員さんに確認したら、ちゃんと育てればすぐに増えると言ってもらえた。

 おかげで三人の顔もぱぁっと明るくなる。うんうん、みんなには笑顔が一番!


「年数はかかるかもしれないけど……みんな私と一緒に育ててくれる?」

「やる!」

「ボクもー!」

「僕、本でも調べてみるよ」


 よかった、みんなも元気が出たみたい。

 気付けば私も今日はずっと笑っていたかも。

 三人とも、ミッションはコンプリートだよ!


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