表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、見る目がありますから!〜癖強クランで愛され異世界ライフ〜  作者: 阿井りいあ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/70

65 かわいいに囲まれて幸せすぎる


 セレを肩に乗せてクランを出ると、スッとカンくんが私の手を取ってきた。


「ルリ姉、ボクが手を繋いでてあげる! 離したらダメだよっ」

「うん、わかったよ」


 か、か、かわいい~っ! 小さなナイトだ。

 もちろん、かわいいだけじゃない。すっごく頼もしいよ! 子どもだからって甘く見てるわけでもない。

 だって絶対に私よりも強いもん。そもそも私は運動がそこまで得意じゃないからね。走る速さだって敵わない自信がある。


「オレが前を歩くからなっ! ちゃんとついてきてよ、ルリ姉」

「うん。ありがとう」


 続けてテンくんも胸を張って意気込んでくれている。トウルさんに仕事を任されて誇らしげなのが見てとれた。こっちもかわいい~っ!


 あっ、馬鹿になんてしてないからね? かわいいを押さえられないだけだから!


「二人とも、そんなに緊張ばっかりしていたら、一番重要なルリさんを笑顔で楽しませることが出来なくなるよ」

「はっ、たしかに」

「はっ!」


 ふふっ、本当にかわいいなぁ。そしてトンくんはやっぱり頼もしい。まだ子どもなのに、しっかり者だね。


「セレもいるんだから、警戒は任せて大丈夫だよ。な?」

「にゃうん」

「ふふ、セレもありがとう。頼もしいよ」

「にゃっ」


 肩に乗るセレに頬擦りすると、誇らしげに一声鳴いて擦り寄ってくれた。

 はぁ、今日はかわいいに囲まれて幸せで溶けちゃいそう。


 とはいえ、守られる側の私がそんなに気を抜いていたらダメだよね! 頼りにならないし鈍臭い自覚はあるんだから、注意くらいはしておかないと。それに……。


『自分の身の安全を第一に考えて動いてくれ。……頼むから』


 ボッと音が出そうな勢いで顔が熱くなる。出かける前にトウルさんに抱きしめられた時のことを思い出しちゃった。

 もう、急に抱きしめてくるんだもん。びっくりしちゃうよね! トウルさんは、ただ私を心配してくれただけなのに。


 聖女様の件もあって、一人でいたら色々と考えてしまいそう。だから今回のお出かけは本当に助かるんだ。

 せっかくだもん。気分転換しないとね!


「ルリさん、どこか行きたいところはある?」

「えっとね、お花屋さんを見に行きたいな。なかなかお出かけが出来ない分、クランの中に飾りたいと思って」

「それなら、僕がたまに買ってきてあげるよっ!」

「オレも!」

「ボクもーっ!」


 トンくんの言葉に続くように、テンくんもカンくんも手を上げてくれる。んもー、この三人はかわいいで私を蕩けさせる天才っ!


「ふふ、ありがとう。でも、三人が頑張って稼いだお金は、自分のために使ってほしいな」


 ハマーさんから子どもたちが受け取る報酬について少し聞かせてもらったことがあるんだよね。

 あまり高額だと変な輩に目を付けられるから、彼らが受け取る金額はほんのお小遣い程度だ、って。

 もちろん、仕事の内容に応じてもっと貰えることもあるらしいんだけど、彼らが成人するまではハマーさんがこっそり預かっているのだそう。


 貯金システムがこの世界にもあるらしく、ハマーさんが保証人となって作った三人の名義の口座に少しずつ貯めているんだって。


 子どもたちが成人したら明かして、その時の驚く顔が見たいと笑っていたハマーさんは嬉しそうだったな。本当に良い人すぎる。


 というわけで、今の三人が持っているお金は本当に貴重なのだ。それを私のために使おうとしてくれる、その気持ちだけでお腹いっぱいなのです!


「ルリさんに喜んでほしいから買うんだよ」

「そうだぞ! 好きに使えって言われてるから使うんだ!」

「うんうん!」


 だというのにこれですよぉ……! 胸がぎゅんっぎゅんです!!

 どう育てたらこんなに良い子たちが育つんだろう。ハマーさんが良い人だからかな。きっとそう。


 ここまで言われて「それでもいらない」なんてどうして言えようかっ!

 かといって買ってもらうのも心苦しい……。うーん、うーん……そうだ!


「それなら、私たちみんなでお金を出し合って買うのはどうかな?」

「えっ、ルリさんも?」

「オレたちだけでプレゼントしたいのに~」


 し、渋るよね。そんな気はしてた。でもこれ以上は私だって引かないよ。


「うん。だってみんなで買った記念のお花なんて……素敵じゃない?」

「記念?」

「そうだよ。初めてこの四人、とセレでお出かけした記念だもん。切り花じゃなくて種か株のお花にしてさ、みんなで育てるの。どうかな?」


 クランにも中庭があるし、日当たりのいい場所もある。土に関しては調べてみないとわからないけど、難しそうならギャスパーさんに相談してもいいし!


 あっ、そう考え始めたらワクワクしてきた。お花を育てるなんて子どもの頃以来だから心配ではあるけど、なんだかすごく楽しみかも。


「僕たちも一緒に? や、やってみたい……!」

「ボクもーっ!」

「よーし、そうと決まったら早速、花屋に行こうぜ!」

「おーっ!」


 ふふっ、やった! みんな乗り気になってくれた!

 みんなとのお出かけってだけで癒されるけど、お花を育てたり眺めたりする時間もいい気分転換になりそう。


 クランの皆さんの心も癒せたらいいけど。

 癖のある人たちだけど、きっとお花があれば気分も上がってくれるはず! た、たぶんっ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
『花だぜっ』『『ヒャッハー!』』 『水だぜっ』『『ヒャッハー!』』 『でもなっ』『『ヒャッハー!』』 『『あげすぎはメっ!ヒャッハー!!』』 的な
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ