表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第二体 ミエザルメ
72/178

1 変化

「よぉ、お嬢さん」 

 彼はまた見知らぬ路地裏に現れた。煉瓦の石畳に立て膝をつき、私を見つめる。漆黒の瞳がきらりと煌めいた気がした。

 私もその場に尻を着くと彼と視線を合わせる。そう言えば名前を聞いていなかった。

「私は不知火紅葉です。貴方の御名前は?」

霊界堂要智(レイカイドウ イチ)。“霊界堂”はあの世のお堂って書いて、“要智”は要に知識の方じゃない智って書く。まぁ気軽に“要智”って読んでくれりゃあいいよ」

 分かんねぇか……。と彼は苦笑いした。 

 霊界堂と要智の要は分かったが、知識のチが分からない。だが呼び名があると言うことは便利である。流石にずっと“あの人”呼びは失礼だろうから。

「貴方は誰かの“記憶の断片”と言いましたが、“記憶の断片”ってこう……しょっちゅう夢に出て来れるようなものなんですか?」 

 改めてこの、“霊界堂要智”について考えて見ることにした。

 恐らく彼はこの世に存在していない。していたらある意味で凄い超能力かもしれないが。

 それに“記憶の断片”。誰かの記憶にあるものが夢に現れたら、この世の人類はほぼ毎日何かしら夢を見る。だが現実はそうではない。

 だから……知りたい。“記憶の断片”について。

「いや……? そう簡単には現れられない。俺はかなりレアケースだな」

 顎を下に引く。其れには同意出来る。

 何だかレアケースとはいえ、一度あることは二度あるというように、三度目もありそうだな……。

 私は真っ直ぐに要智さんを見つめ、しげしげと観察。断片と言いつつはっきりとした人の形を保っている。

 ……そう言えばこれは私の夢だった。ある程度は私の想像で補われているのかもしれない。

「おっと……。そろそろ目覚めの時間だ」

 その言葉を合図に私は現実に引き戻された。カーテンの隙間から朝日が漏れている。どうやら起床時刻のようだ。

 私は体を引きずるように起き上がると、隣で眠る塊を見た。『眠る』と言っても寝たふりだろうが。

「塊……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ