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いや、それオレじゃなくてもよくない?
「あの、それオレじゃなきゃいけないんですかね…。オレは人族の貧民街地区出身です。窃盗とか、汚いことしか知りません。教養のある人族のほうが良いのでは?」
そう言うと榧さんと紫雲英さんはとても気まずそうな顔をした。
「千歳、榧は優しくてな無理やり連れてきて結婚させるのは可哀想だから、領域に迷い込んだ人にしようと決めたんだ。だが、なかなか迷い込む人族がいなくてな…気づいたら一ヶ月前になっていて、ようやく迷い込んだのが…」
オレだったと。なるほど。オレなのはたまたまだったわけだ。
「良いですよ。婚約します。」
「「え!?」」
自分たちから話を持ってきたくせにとても驚いた顔を二人はした。
「オレ、さっき言ったように貧民街地区に住んでて、今のままだといずれ死ぬんで。それに両親と生きるということを約束したので、まだ生きられる年数の長そうな婿のほうがいいかなって。」
そう言うと榧さんは泣き始めてしまった。
「ありがとう…本当にありがとうございます…。」
「あの、お互い敬語やめませんか?夫婦ですし。」
「…はい!千歳!」
「よろしく!榧!」
「やっとまとまったか…。」
紫雲英さんはため息をつき、次の瞬間大声を出した。
「蟒!忍!終わったぞ!」
紫雲英さんはそう言うと同時に二人の男女が部屋に入ってきた。
女性のほうは赤髪で小柄。男性にほうは薄い緑色の髪でオレと同じくらいの体格だった。ただ、二人とも狐の仮面をつけていた。
「やれやれやっとか。榧、婿探しに時間をかけすぎじゃあないか?」
「まぁまぁ、蟒姉。榧は優しいからさ。」
え…!
「誰!?」
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