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榧さんは椅子に座り、狐の仮面を外した。そして、ゆっくりと話し始めた。
「…遥か遠い昔鳥族、人族、狐族、鬼族の四種族はなんらかの理由で争っていた。しかし、四種族の当主は争いに嫌気がさし、ある『掟』を交わした。その内容は【婚約合戦】。鳥族の当主は女性のため鬼族の婿を、人族の当主は男性のため鳥族の嫁を、狐族の当主は女性のため人族の婿を、そして鬼族の当主は男性のため狐族の嫁を。そして見事婚約に成功した当主は婚約した種族を配下にすることができる。という『掟』です。この『掟』によって世界は守られてきました。」
なるほど…。だから人族のオレなわけだ。だが…
「なぜそんなに榧さんは急いで人族の婿がほしいのですか?」
榧さんは一度深呼吸をしてオレのほうを向いた。
「殺したい人がいるのです。そのために配下を増やしたかった。これが一つ目の理由です。」
一つ目?
「ほかに理由が?」
「…はい。もう一つはその殺したい人が私に婚約を迫っているのです。憎たらしいことに。」
婚約!?
「次の当主会議は一ヶ月後なのですが、それまでに婿をつくらならければ、私は…あの男の嫁に…なる。それだけは!それだけは絶対に嫌なのです…。」
榧さんの表情、そして紫雲英さんの表情から「つらい」という感情が伝わってくる。
「お願いです。千歳さん。私の婿に…なってください。」
オレの…答えは…
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