31 ジークは天然……なはず(多分)
「ふふふ、本当に面白い」
(え? どこが?)
思わず、周りをキョロキョロするが、何も面白いものは見えない。
「?」
頭の中ではてなマークを浮かべながら、必死に考える。
(いやいや、偉そうなセリーヌ先生が変なことをいうわけがないから、絶対に私が気づいてないだけでしょ? えっとえっと、考えろ考えろ、私の頭。うーん。私が見てないもの……はっ! まさかジークの顔? 確かに見てない!)
ちらっと斜め後ろにいるジークを覗きこむ。ばちっと目があったけど、気にせず考え続けた。
(変な顔はしてなかった。……じゃあ何に『面白い』なんて言ったんだろ……)
その思考をじゃまするかのように、ジークがため息をついた。
「はぁーーーーーー」
「え?」
(なにが? なにが?)
「……多分いま、一番状況が分かっていないのはお前だ……」
「否定できない……」
「うふふ」
(え?? なんで? 私だけじゃん、よく分かっていないの……)
「……お前、天然だったんだな」
「違いますよ!? 何言っているんですか! ジークさんの方が天然ですよ」
「は? どこだよ」
「だって、私が言ってたこと、無理やり自分に納得させたじゃないですか」
そうだよ! してたもん! わかってないのは天然だよ。……なんで、天然って言葉が出てきたのか知らんけども。
「…………いや、あれは違うだろ。お前が意味わからんこと言うからだ」
なんか考える素振りをした後、ジークが負けじと言い返した。
「言ってませんよ?」
「あ、だめだ。お前、だめだ。基準おかしいすぎだろ」
「はえ?」
なんか、私がおかしいやつに認定させた。
「ひどっ」
頬を膨らませて言うと、「こういうところだ」と言う。
「っはは、もうダメ! 本当におかしい! 何この組み合わせ、面白い!」
「ほぇ?」
なんか、知っている人と違う……。
「……セリーヌ様、本音がバレています」




