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デーヴィッド

短いです。

 僕はデーヴィッド・シェラード。


 父の名前はローワン・シェラード、母の名前はシエナ・シェラード。


 けれど、父は母の事を『エラ』と呼ぶ。


 どうしてエラと呼ぶのか聞いたけれど、父と母二人だけの秘密だと言って教えてもらえなかった。


 二人は結婚して10年以上経つのに、未だにラブラブだった。

 とても政略結婚とは思えない。


 喧嘩をしているところなど見たことがなかった。


 けれど昔、僕が生まれる前に母は家出した事があるらしい。


 意外だ。


 理由を尋ねると、 母は少し困ったように笑った。


「私ね、お父様を騙していたのよ。」


 父を騙している事に耐えられなくなった母は、家を飛び出したらしい。

 それを知った父は慌てて母を探したそうだ。


 なんと、母は2ヶ月も見つからなかったらしい。


 父は毎日仕事が終わると夜中まで母を探し回ったそうだ。

 母は実家に戻らなかったらしく、どこを探せばいいのか全く分からなかったらしい。


 毎日闇雲に探し回り、ある日疲れてふらりと入った食堂で、母は働いていたそうだ。


 父はそのまま、拐うように母を連れ戻ると、泣きながら母を抱きしめ離さなかったそうだ。


 父よ......。



 それから、二人は一晩中話し合ったらしい。


 母だけではなく、父も母を騙していたと。


 父は最初から母の嘘を知っていたのに、ずっと騙されているフリをしていたそうだ。


 母がいなくなった時にすごく後悔したんだって。


 お互い騙しあって拗れるなんて、バカだなぁと僕は思った。



 けれど今、父と母は幸せそうだ。


 従業員である母を急に連れ去り、迷惑をかけた食堂には次の日のきちんと謝りに行ったらしいよ。


 それにしても、母が食堂で働いていたとは。


 確かに、母は家事が得意だ。

 あまりメイドに頼らず自分でパパッとやってしまう事も多い。


 父と母が一体何を騙しあっていたのかは知らないけれど、どうせ当時からラブラブだったんだろうな。


 僕は4人の弟妹を連れて外に出た。


 二人は今日もデートに行くらしいので、見送りをするのだ。


 嬉しそうに微笑み合う二人を見て思う。

 いつか僕にもあんな相手が見つかればいいな。



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― 新着の感想 ―
[一言] 皆が幸せになってそれはそれでよかったけど、お父様がそれに気づかないで騙されたことにもやもや…お疲れ様でしたー
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