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十八話:プイさんは光を見たくない(3)

「おーい………おーい」

僕はワカメ似の植物の所へ来ている。

しかしどこを歩き回っても二人の姿は見当たらない。

「うーん。一体全体どこへ………あっ、偽物の月じゃん」

僕はその姿を見てとっさにワカメ似の植物の陰へと隠れた。

(偽物の月、お前たちには容疑がかかっている。今は見逃してやろう)

偽物の月には気分的に会いたくない。なにか嫌な予感がするからだ。少なくとも個体同士の絆とか家族性とかは無い事が分かっている。

(いや、そもそも自然界にそういうのが、水生生物にそういうのがある方が珍しいのかな?)

ウータミ君の顔を思い出す。ウータミ君は特例か否か、それを確かめるにも、何をするにも二人を探さなければいけない。

僕はできるだけ見つからないように引き続き二人を探すことにした。


「ぜぇ………はぁ………はぁ………ちょっと休戦?了解。………ちょうど良いからね」

こいつ意外と力が強い。それに我慢強すぎる。根性なのかもしれないけど、とにかく強い。

「あんた…………。結構………強い…………けど…………今まで、名前で呼んでなかったね………。名前は……なんて言うの?……………あぁそうか。言葉、分からないんだっけ………………。ごめん、私も知らない…………後で聞くから。ほら、メコン持って帰ろう?」

そう言うと疲れを見せないこいつは近くのメコンを慣れた手つきで剥ぎ取っていく。

「そこ、置いといてくれれば、私運ぶから。ちょっとだけ休憩させて」

そう言って私は横になる。ゴツゴツとした地面は私の背を押してくるが、あまりにも疲れすぎて動けないので抵抗もできない。

(こんなに体力がないものだっけ?思えばジャージ着てるのも運動できますアピールをするだけの物だったような…………)

思えば最近はあまり体を動かしていなかった。それだけでここまで体力が落ちるとは知らなかった。

(フフフ。肉体作業をしてた頃が懐かしいってものか)

そんな事を考えていたが少しずつ、少しずつ眠気が襲ってきた。

(…………でも、こんなに心地よい疲れは久しぶり。醜い争いをしただけだけれど)

私の意識が落ちてゆく瞬間。私は強すぎる光で叩き起こされた。

「ヴ…………なに?この光は」

目を擦るとそこにはある生物がいた。おびただしいほど、私の周りを取り囲んでいた。

絶句。

「ちょ………………これ………」

こいつらが何者か、私は瞬時に思い出した。関わってはいけない生物。その内の一種がここにいる。

その生物らはあっという間に私の周囲を取り囲み、私を中心とした渦を巻いていく。

まるでサバが大海原で渦を巻くように、だが目的は違う。

そうして私を完全に包囲した。かと思うと点滅を始めた。光が強すぎて身動きができない。

「ぅ………………目がぁ………」

目を閉じても目がチカチカする。緑のような、紫のような光がまぶたに張り付き取れない。

よろけてしまい渦に手を当てる。すると渦の壁は激しく抵抗するように私を押し返す。

あまりにも強くて私はそのまま倒れてしまう。

そして瞬間に私は絶望してしまった。

もう助からない。こんなに危険な奴らから逃れれるわけない。

もう無理。

「~~--~=~」

「!」

あいつの声だ。こちらを助けようとしてくれているらしい。しかし、もう手遅れだ。

(あーあ。「拳で語り合ったから、今からうちらは親友な」なんて言えなくなったじゃない)

「早くこの場から逃げて!そしてアイツを……エイガを探してきて!」

私はそう言うと渦の中心にゆっくりと座り直し、渦を作る生き物を睨んだ。


死光の渦(ライトロール)

イカのような見た目をした生物で頭頂部のような場所がかなり明るく光る。

こいつらの名はこいつらの習性から来ている。こいつらの主食は植物なのだが、こいつら自身の力は弱く、こいつらで植物が採集できない。そのため奴らが考えた策が、光と仲間を囮として他の生物に植物を破壊させること。

これだけならまだいいが、この方法はかなり非効率的、特に仲間を囮にする、というがかなりリスキー、そう考えたのか、奴らは弱っている生物、または弱い生物を私のように囲む。

そして餌にする。

危険度はここから来ている。こいつらはあまりにも狂暴すぎる。


まあとにかくこの渦からは逃げられない。逃げようものなら全力で阻止される。そして私は餌。

点滅が早くなる。

確か、他の生物が近づくにつれ点滅が早くなるとか、ならないとからしい。

「~~~ー~=」

「はぁ?あんたまだいたの?早く逃げなさい!!ここにいると食われるよ!」

点滅が一層早くなる。

「==~-~--=!」

「…………っ。そんなのいいから!おせっかいだから!私なんて、いてもどうせお荷物辞典ぐらいにすぎないから!私の役目なんて………他の誰でも務まるから!!早く!逃げて!」

威圧感を高め、さっさと追い払おうとしたのになぜだろう。目から温かいものが。

(良かった。水中では”これ”見られないからさぁ)

点滅が発光に変わった瞬間。私は渦から解放された。渦が四方八方に散ったのを見た。

その内に逃げればいいじゃん?甘い考えね。私は餌で渦はかご、または罠。餌がかごから解放されるときは二つのパターンしかない。

失敗。

それか、………。


私はゆっくりと背後を振り返る。


そこには私を見つめる大きな二つの目。

続く!

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