十七話:プイさんは光を見たくない(2)
なぜか再び現れたプイさんに驚きつつも、プイさんは気にする様子もなく僕に全てを知らないかと問われる。あまりにも優柔不断なエイガに、プイさんはどこかへ行ってしまった。
「いつもここで食料調達してるの?」
私が聞くと肯定する答えが返ってきた。
「いやいやいや。これって、メコンじゃん。……………おいしいの?」
そう聞くとこいつは実際に細胞二つを取ってこちらに持ってきた。そして一つをこちらに向け、もう一つを食べ始めた。
「…………食べないからね。この細胞食べる生物なんてそうそういないし……………………美味しくはないでしょ?……………………あっ、そうなの。意外といいんだ。でも、だからといって食べないからね」
すると悲しそうにメコンが口へ運ばれていった。一口で食べ終わると、今度はどこかへ向かって移動してしまった。
「あまり遠くに行って迷子になっても知らないからね………………そう言う割についてきてくれる………………ってそりゃ、私のちょっとした気まぐれだから。もっと面白い物があったらそっちに行くからね」
するとこいつは少し笑ったように体を揺らした。
しばらく移動をしているとふと先ほどの事を思い出した。
なにか矛盾している気がする。そんな少しの違和感をできれば拭いたくて、私は前方を歩くあいつに声をかけた。
「ねえ、メコンって食べれるの」
そう聞くと驚かれた。
「確かにさっき食べてたからねぇ。それは疑ってないんだけどね、その………種族的に食べれるのかって話。あんたらって植物を主食で食べないはずなの。食べても栄養にできないからさっきみたいに積極的に食べようとはしないはずなんだけど………」
するとあいつは首を振った。
やっぱりか、と思った矢先、続く言葉にとても驚かされることになった。
「は?アイツ…………エイガがかわいそうだから我慢してた?なんで?」
さらに驚きは続く。
「エイガが傷つける事を嫌がっていた?それだけ?」
話を聞くと、本当はメコンは食べれないけど1人ボッチで彷徨っているときに口にしてみたら食べれた。その後エイガに助けてもらったらしい。なんでも魚に追われていた所にエイガが現れて魚を追い払ってくれたと。
その時既に肉が食べたかったけど自分で狩りができるような体力は無かった。仕方なくメコンを食べてたけど弱っている獲物と間違えてエイガを襲ってしまった事。(なにやってるんだか)
そんなことがあってますます肉が食べたい、なんて言える訳もなく、そこでちょうど脱皮が始まってしまった。
「こんなとこ?………まあまあ?」
理由を聞くとエイガの言葉は分からないという内容が抜けていたことと助けてくれた時のエイガの風貌の表現が気に食わなかったらしい。
「容姿なんてどうでもいいでしょ。この世界生きれればなんでもいいからさ」
そう言うと違う、と否定されてしまった。
「はぁ。かっこよくて、優しくて、強くて、弱そうで、かわいくて、それに少しおいしそう?」
理解ができない。理解できるとも思わない。
でも、一つだけ思う事がある。
こいつは……………こいつは……………恋をしている!!
確証は持てない…………いや持てそうな反応だけど、絶対、恋してる!
そんな事を考えていると今度はあちらから話しかけられた。
「…………私?私はエイガの言葉も分かるけど………………は!?あれを伝えてほしい!?無理。感謝の代弁ぐらいならいいけど、エイガはかっこよくないから無理」
きっぱりと言うとこいつは歩みを止めこちらを振り返った。
「…………訂正しないならここで決闘を申し込む?もちろん。私は自分に正直でありたい。その勝負、受けて立つ。いざ勝負!」
ここからは愉快な小競り合いが始まったとさ。
続く!




