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8 転生したら剣と魔法の世界だと思ってる⑧

※ちょっと短いです。何も無ければ夜までには次UP致しますのでブックマークしてお待ち頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。


「ノーーーーーッ!まだローン残ってるのにーーー!」


 ひしゃげた車から悲壮な叫びと共に降りて来たのは頭の毛の無い教会の司教こと丸山のおじさん。


「司教さん?たしか……そうだ丸山さん!」


 俺の声に気付き、色々慌てている丸山さんが此方へ駆けて来る。


「た、橘さんちの京平君だよね!怪我はないかい!」


「有難うございます、僕は大丈夫です」


「いやぁ~人を跳ねてしまったかもしれないと思ってビックリしたよ」




「でも急に車がひしゃげる程の衝撃が来たんだけどなんだったんだ?――ん?」


 俺は丸山さんがぶつかった物体2名を指さす。


「ヒーーーーッ死体!」


 ピクピクしてるから多分死んではいないと思う。


「そんな事より丸山さん!」


「そ、そんな事!?」


「あ、あれも大変ですが。あいつら誘拐犯なんです!」


「誘拐犯?」


「はい。ヨウちゃんとケンちゃんを攫ってそれを僕が追いかけてたんです。そしたら司教さんが誘拐犯を車で跳ね飛ばしてくれたんです!」


「それは本当かね……確かに見るからに怪しい二人だな。よし、ここは任せて二人を安全な場所……京平君の家が一番近いね。二人を連れて家に戻っててくれるかい?」


「はい、わかりました」


 見れば意識を取り戻したのか、ケンちゃんが立ち上がっている。


「司教様、今検索したんですけどあの二人身体強化してるので気を付けて下さい」


「早速ネットワークを使えてるんだね、流石勇者君。わかった。身体強化をしてる人間でも拘束出来る強化荒縄を持ってるから大丈夫」


「荒縄?」


「ロープです」


「あらな――「ロープです」


 遠い目をする司教さんにここは任せ、泣いているヨウちゃんとここはどこ?みたいな顔のケンちゃんを連れて自宅へと戻ることにした。



――しばらくするとケンちゃんのご両親にヨウちゃんのご両親も俺の家に到着する。

 どうやら司教がそれぞれに連絡を入れたようだ。

 

「丸山さんからうちの子が誘拐されそうだったって聞いて来たんですが」


 到着したご家族の先頭に立つ眼鏡を掛けた身長が190ほどの真面目そうな大男が玄関をくぐりながら声を掛けて来る。

 出で立ちからなにかしらの職人の様で、腰には色々な道具がぶら下がっていた。


「そうなんですよ山田さん、とにかく丸山さんもこちらに来るそうなんで皆さん居間でしばらく待ちましょう。ケンちゃんもヨウちゃんも居間で京平と遊んでますから」


「うちの陽も大丈夫ですか?」


 心配そうに凄い美人な女性が後ろから声をあげた。

 佐古田陽ちゃんのお母さんだ。

 後ろから声を掛けた際飛び上がりながらだったらしく、振り返ったケンちゃんのお父さんがヨウちゃんのお母さんの揺れる双丘に視線が釘付けになったからか、夫婦で同じ仕事をするケンちゃんのお母さんが腰の道具から鋭い何かを取り出し、首元に突き付けていた。

 見ればヨウちゃんのパパさんはまだ到着していない様だが、3人は母の案内で居間へ通された。


 3家族の親が居間に入ると、ケンちゃんはテーブルに置かれた煎餅をバリバリ頬張り、ヨウちゃんは最近母が買ってきた手乗り兎にご執心の様で、既に何か事件が起きた後の感じではなかったのを見てご両親は安堵している様子。


 そうこうしている間に玄関から丸山さんの声が響く。


「橘さーん!ちょっと手伝ってもらえますかー」


 丸山さんの声が聞こえると、ケンちゃんのお父さんとうちの父さんが玄関へと急ぐ。

 ついでに俺もついて行く。


 玄関には荒縄でグルグル巻きにされた誘拐犯の二人と、丸山さんと金髪のイケメン男性がそこに居た。

 金髪のイケメン男性は勿論ヨウちゃんのパパさんだ。


「先程佐古田さんが来られて手伝ってもらったんですが、こいつら既に意識を取り戻してるんですが、全く自分から動こうとせんのですよ」


 不貞腐れて玄関に座る二人を見て、ケンちゃんのお父さんがズカズカ彼女達に歩み寄り。


「おらっお前ら!うちの健太をよくも攫ってくれたな。タダで済むとおもうなよ?」


 真面目そうな顔からは想像もつかない威嚇。

 身体の大きさも相まってこっちがちびりそうになる。

 が、二人はそんな事はお構いなしと悪びれもせずそっぽを向く。


「山田さん、それくらいで。こいつら実は身体強化しているらしく年齢も見た目以上で何を企んでるかわかりません。それにこの姿はどう見ても宇宙盗賊の類、近づかない方がいいです。教会本部には連絡を入れましたので、対処できる人間が今向かっていますので」


 その言葉を聞き少し引き下がるケンちゃんのお父さんだったが、縛られた二人の表情が苦い表情に変わったのを俺は見逃さなかった。


 その時不意にチャイムが鳴る。

 玄関先に結構な人数が居るにもかかわらずだ。


――ピンポーン


 不審に思い全員が玄関の門扉へ視線を向ける。


「まいどーことぶき寿司です~ご注文のスシお持ちしましたー」


 先程頼んでいた出前の寿司屋が来た。




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