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6 転生したら剣と魔法の世界だと思ってる⑥

 家に戻ると両親が出前で寿司を取ると言うので、自室に戻りアマテラスを呼び出す。


「なにか言い訳はあるかい?」


「だから何度も言っておろうに。特にない!」


「はぁ、もういいよ。魔法剣士辺りでいい感じにお茶を濁す感じで行ければなと、前世と同じ様に中途半端に考えてた楽しければいいって思ってしまった俺も悪いしな」


「そーじゃそーじゃ。楽しいに越したことはないのじゃ」


「お前が言うな。で、勇者ってなんだ?調べても強いしかわからないんだが?」


「そりゃそうじゃろ。誰よりも勇気を持って全てに立ち向かう者のことじゃぞ?誰にも負けない強さを持っていて当然じゃ」


「どゆこと?」


「強く思えば思う程あらゆる困難を乗り越える所謂超越者の事じゃ。似た様なのに英雄ってのもあるが、それは英雄になる為の困難な状況が人より多く、それを乗り越える力を得る事が出来る。これも超越者じゃが皮一枚勇者の方が上じゃろうな」


「んーーーー」


「なんじゃ考え込んで、って!」


「流石一心同体、考えてる事がわかったか」


「そりゃわかるわい。しかし不味いぞ、このままだと……」


「あぁ、確実に戦争に加担させられるな」


「いやじゃー!京平が戦争に行くと我も自動で行く事になってしまうではないか!」


「はぁ、ならそれを回避する方法を考えないとだけど……6歳児には無理だな」


「いやじゃ」


「まぁ慌てるなって、6歳児を戦争に送り出す事なんて流石にないだろう?それに検索したら、これから俺達家族はここではない科学の進んだ惑星に行く事になって、寿命の処理が行われる。で、教育やなんやと受けて大人になって初めて戦闘に駆り出されるわけだ」


「わかったぞ!それまでに回避する方法を考えるのじゃな?」


「そう。なので今は急がなくても大丈夫。なはず」


「ふぅ、どうなる事かと思ったぞ」


「それもこれも面白いって理由だけで勇者にしたアマテラスが悪いんだけどな」


「ま、まぁいいではないか。なってしまった事は仕方がないのじゃ」


「……おまゆう」


――「きょうへーい!佐古田さんちのヨウちゃんから電話よ~」


「はーい」


 電話の内容は夕食まで時間があるので公園で遊ぼうという提案だった。

 もっとアマテラスと情報の共有とこの世界の事を調べたかったのだが、ケンちゃんに強引に誘われて困っているとの事だったので付き合う事にした。

 ケンちゃんはヨウちゃんの事が好きなのかな?なんとも微笑ましい。


 ヨウちゃんは可愛いし将来絶対美人になるだろう。

 あんな可憐な少女をハナタレ角刈りクソガキに近づけさせるわけにはいかないな。

 将来ヨウちゃんが男性に対してなにかしらのトラウマを植え付けられたらどうするんだ。

 子供の事とはいえほっとくわけにはいかないな。


「なぁ京平。心は大人なのに色々ちっさいの」


「うるさい」



――――

――



 近所の公園に到着するとケンちゃんがヨウちゃんを背に、枝を構えて大人の女性と口論をしている。

 この辺りで見た事の無い顔だ。


 俺は不用意に近づく前に手前の植え込みで一度身を隠し、何を口論しているのか確認する事にした。


「知らないって言ってるだろ!」


「だけど、ほら。ここにスライムの液体が残ってるじゃない。この液体で遊んでいたのは君だよ?知らないはずないじゃない」


 昨日俺が遊んでいたジャングルジムを指さす帽子の女。

 そのジャングルジムにかがんで小さな道具を向けて何かを調べている赤いバンダナの女性がもう一人。


「しょう……カシラ、やはり核だけ見当たりませんぜ。やはりその少年が一番怪しいですぜ」


「ほらみろ。やっぱりお前じゃないか」


「何度も言わせるな!知らない!俺は大剣士だぞ!お前達なんてやっつけてやる!だぁあああああ」


――スコッ。


 ケンちゃんの気迫も空しく、一瞬で意識を狩り取られる。

 倒れるケンちゃんをそっと抱きかかえると。


「核は確保した。行くぞベナンちゅ……テシータ」


「了解しやした。で、お嬢さんの方はどうします?」


「見られたからには仕方ない。彼女も連れて行くぞ」


「へーい」


「て、丁寧にな」


「へいへい」


 おいおいおいおい!やりすぎだろ!

 6歳男児の意識をチョップで狩り取るとかヤバイな。


「(どうする?助けを呼ぶか?)」


 アマテラスは電話を掛けるそぶりを見せるが。


「(いや、そんな時間もないみたいだ。追いかけるぞ)」


 ケンちゃんを抱え、ヨウちゃんの手を引きこの場を立ち去る二人の後を追う事を優先した。




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