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12 転生したら剣と魔法の世界だと思ってる⑫

 輝く鎧を纏い剣を掲げる兵を両側に配し、階段を数段上がった玉座に座るシュナイダー帝国皇帝。

  

――「皇帝陛下、昨日の神の件でございます」


「あぁ、してもう回収はしたのか?」


「いえ、思うより賊が手練れだった様で警備隊では役不足でございました」


「辺境の警備隊なぞその程度であろう、期待はしておらん。それにお主もそうなると思い我に警備隊を進言したのであろう?」


「流石は陛下でございます」


「お主の事だ、神が盗まれた事に対する世間への隠蔽はこの間に済ませておるのであろう?」


「おっしゃる通りでございます。しかしながら問題が起こりご報告に上がりました」


「問題?」


「はい。既に神の解析も終わり我が帝国は神を必要としませんが、隣国エリシス王国はソル神への信仰が厚く今回は隣国の特殊部隊が乗り出した模様」


「ほう」


「その賊を捕獲し今はエリシスかと」


「我が領内に無断で軍を侵入させるとはエリシスは我等と余程戦争がしたいと見える」


「陛下、戦争は今しばらく様子を見るべきかと」


「なぜだ?」


「神のデータ解析により我等帝国内に近々勇者が誕生するとあります。それの成長を待ってからであれば損害をほぼゼロにする事も可能かと」


「無限の力を有する勇者か……わかった、お主の進言を受け入れよう」


「ははっ」


「しかしゴミだとしても我の物を持ち出した事を許す訳にもいくまい」


「はっ、既にエリシスへ闇を放っております。核の在りかは時機に判明するかと」


「では核の所在がわかったら直ぐにでも奪いかえ……いや、エリシスがあの抜け殻となった核をどう使うか興味もある。しばらく様子を見ながら我に報告せよ」


「御心のままに」


「……嫌がらせはしておけ」


「ははっ」


――――

――

 

 一通り氷上司祭から現状の説明と今後の説明を聞く事になった。


 概要的には今回の件はソル教のご神体とも言うべきアイテムが紛失してしまい、それをソル神への信仰が深いエリシス王国がソル教協力の元、シュナイダー帝国の辺境惑星であるエリシオンに探しに来たところ不運にも子供達を巻き込んでしまった。丸山さんには事情を話していなかったので混乱を招いて申し訳ない。


 という事にしたらしい。


 俺が感じたのは説明はともかく、なんと献身的で知的で凛としてカワイイ女性なんだろう、だ。

 それは彼女の神官服やスタイル、立ち姿がそう思わせるのかもしれないが彼女の行動は信頼できる。

 要するにドストライクだ。


「(かなり……数百歳くらい年上じゃぞ?)」

「(うるさい)」


 ヨウちゃん?可愛い幼馴染だ。もう一人の俺もそう言っている気がする。


 で、それは置いておき。

 今迫り来る危機の方だ。

 

 アマテラスが説明してくれた様に、エリシス軍の目的はアマテラスだ。

 このままではケンちゃんとヨウちゃんがエリシス軍によって殺されてしまう。

 この世界では人の命は決して軽くはないが、数の暴力と隔絶した格差によって少数は直ぐに零にできてしまうのだ。


 エリシス軍はどうやってかわからないが、アマテラスを見つける術があるのだろう。

 だがそれは正確なものでは無いはずだ。


 その証拠に俺では無く、二人を疑っている。

 そこに必ず解決の糸口があるはずだ。


「(そうじゃな。二人を助けたければこの戦艦がエリシスに着くまでにそれを見つけ破壊すればなんとかなるじゃろう。)」


「(信じるぞ?)」


「(信じるも信じないもお前次第じゃな。それに我の存在を感知出来る代物なぞそうそうありはしない)」


――プッシュ


 扉が開き、黒いマントの女性が二人の女性を従えて入室してきた。


「私はこの艦隊を率いるエリシス王国軍ミッター大佐です。先ずは改めてこの度は大変な思いをされた事に謝罪申し上げる」


 頭を下げるミッター大佐は続いて後方に控える二人を前に出す。

 マントはしていないが、黒い制服が似合う赤い髪と青い髪の軍人だ。


「この度は驚かせてしまい申し訳ありません、エリシス軍少佐フェルミナです。あと、お寿司ごちそう様でした」


 その謝罪とお礼にヨウちゃんのママさんが。


「あら!?あらあらあら、海賊さん!?凄く立派になってわからなかったわ!ねぇパパ」


「あ、あぁ」


「あ、ヨウちゃんのママさん。不自由な私に優しくして頂いてありがとう」


「そう畏まられると調子が狂っちまうな~」

「そうだな。海賊は演技だったって事でいいのかい?」


 ケンちゃん夫婦が二人を見つめる。


「ま、まぁ海賊が長かったから少し堅苦しくはあるな、ます」


 その横から青い髪のこれまたスタイル抜群の黒い制服を少し着崩した女性が前に出る。


「少佐、言葉がおかしくなってますよ。数時間ぶりです皆様、同じく中尉のジャスミーです」


 青い髪の中尉だけが短いスカートなのが原因かは不明だが、視線が釘付けなパパ達に冷たい視線を飛ばすママ陣。


「え、えっと二人を呼んだのは私なのだが是非謝罪を受け入れてほしい。あと、この状況を作り出してしまった原因なのだが、少佐例のものを」


 指示に従い少佐は胸のポケットから小さなレーダーを取り出す。


「えっと、これが今回皆様をお連れした理由のひとつで――」


 その時脳内アマテラスが叫ぶ。


「(京平、あれじゃ!)」


「(え?え?)」


「(あれを壊すのじゃ!)」


「(壊すってどうやって!)」


「(奪って踏みつぶすとか色々あるじゃろ!)」


「(6歳児が飛びついても軽くあしらわれるだけだろ!)」


「(お、お、おお主は今勇者じゃ!思いが強さに変わるって言うのはそのままの意味じゃ!念じよ!直ぐに!ハリーハリー!)」


「(ね、念じる!?)」


「(壊れろ!って念じればよい!)」


「(念じればいいんだな!?やるぞ!?)」


「――で、このスイッチを押すと。ほら、この戦艦を中心に光ってるでしょ?なので3家族のどなたかが何らかの事故か未知の作用で――」――バキッ!


――壊れた。


申し遅れました。

日間ランクング入りありがとうございますm(__)m

在庫が無いので一気に放出できませんが、お付き合い頂けると幸いです。

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