11 転生したら剣と魔法の世界だと思ってる⑪
我が家に突然着陸した小型船、突然現れた黒ずくめの兵士達にその場に居た全員が捕らわれの身になった。
と、言うとなにやら兵士が武器を向け泣き叫ぶ3家族と丸山さんを強引に連れ去ったと思われるだろうが、それはもう平和にそれは行われた。
そして全員が一カ所に集められ、兵士の上官が説明に来るらしいのでそれまでこの何もない部屋で過ごして欲しいとのことだった。
――「なんだか怖いね。この後どうなるんだろ」
ヨウちゃんは両腕を抱え俺の隣に座る。
「何があっても俺が守ってやるから大丈夫だぞ!」
俺とヨウちゃんの前で仁王立ちするケンちゃん。
他の両親達は「あんた明日の仕事どうするよ?田中さんちの棟上げだよ?」
「後で兵隊に相談してみないとなぁ」
棟上げ?確か木造建築の重要な作業の言葉だったと思うけど、ケンちゃんの両親って大工だったの!?
「パパ~明日の午前中にまこと君の誕生日ケーキ作っとかないとねぇ~」
「あそこはお金持ちさんだから2段ケーキだし頑張らないとね」
ヨウちゃんの家がケーキ屋さんなのは知ってるが、多分帰れないぞこれ。
「あなた、こんな時に仕事してるの?」
「なんかね、今キテるとこだから」
俺の父さんはいつもポケットに忍ばせている小さなタブレットを開き何やら高速で打ち込んでいる。
ちなみにうちの母さんは専業主婦で父さんは小説家で、自身の経験を生かしたダンジョン冒険記等を執筆しており、ペンネーム「男女ん」の名はこの惑星ではかなり有名だ。
で、俺は原因であろう脳内のアマテラスさんと会話している。
「アマテラスさんや」
「なんだい?」
「今の状況どうなってるか分かる?」
「まぁなんとなくじゃがな」
「どうみる?」
「先ずあの海賊のいで立ちの二人は我を帝国から持ち出したエリシスのスパイじゃろうな。お前さんの中に入ってしもーたあの空で撃墜された後、我を探しに戻った所にケンちゃんとヨウちゃんがたまたま居合わせてしもーた。そして好奇心旺盛なケンちゃんが散乱したスライムのカスを弄っている所を見られ、核である我が居ない事を察した二人はケンちゃんが核を持ってると思い攫った。だが逃走中に司教に跳ね飛ばされるが、どこかのタイミングで救難信号を発信していた為に船団がお主の家にまで押し寄せた。結果我等は巻き込まれて現在に至るといった感じじゃな」
「……巻き込まれたって。巻き込んだお前じゃないか」
「いやいや、お主が我を取り込んでしまうからじゃろ。巻き込まれたのは我の方じゃぞ」
「あんなの仕方ないだろ!全身スライムまみれになったんだぞ?」
「いやそこじゃないんじゃがまぁよい。で、これからじゃがどうするつもりじゃ?」
「どうするって?」
「このままじゃと我を持っていると誤解されているケンちゃんもしくはあの場に居たヨウちゃんが疑われ、間違いなくエリシスに連行されるじゃろーな」
「その後は?」
「考えうる状況としては拷問した後核を奪い破棄。じゃろう。しかも拷問してもあの二人は核をもっておらぬ。なら殺され損じゃな」
「!!っ。そんな血も涙も無い事が許されるのか!」
「何を言っておる。この宇宙に何人の人間が居ると思うんじゃ?数千億人では足らんぞ。そんな中のしかも田舎の惑星の数人の事などいくらでもどうにでも出来るのが各国の軍という事じゃ」
「マジかぁ。。。あの二人、スパイにしては呑気な奴らだと思っていたんだけど」
「あの二人がどういった狂暴な性格かは今の我では計れん。昔の力があれば奴らが何を考えておるのか手に取る様にわかったんじゃが、帝国の皇帝に限界ギリギリまで力を搾り取られて今はこんな態じゃしな」
「アマテラス?」
「なんじゃ」
「神なんだよね?」
「だから何度もそういっとろうが。なんじゃ?またヤルか!?」
「もうやらない。でもそれだと……お前役立たず過ぎだろ」
「!!」
「だって普通だと洗礼の儀式でネットワークを閲覧出来る能力が科学的に付与されるんだろ?で、今はお前を介してネットワークに繋いでるわけだから居ても居なくてもって思うんだが?」
「失礼な!!そもそも我を介して現在の人間が作ったネットワークに接続なぞしておらんわ!そのまま我の知識ぞ!」
「まて。常に更新されているであろうネットワークに繋げられない上にアマテラスの過去の知識しか閲覧出来ないって劣化版じゃないか!なんでそんなに上から目線なんだ!いい加減にしろよこのアンポンテラス!」
「言ったな!言っちゃいけない事言ったな!」
――プシュ
ノックも無しに扉がスライドすると黒い神官服を着た黒い長い髪の女性がひとり。
その姿を見た丸山さんが急に満面の笑みとなり女神官へ飛びつく。
「氷上様!私を助け――ぶへっ」
丸山さんが女神官に片手で吹っ飛ばされ壁にめり込む。
女神官は全員に一礼すると。
「こほん。皆様この度は大変ご心労をお掛けした事と思います。しかしながらこれからはこの私、シュナイゼル領のあなた方の惑星のソル教本部より派遣されております司祭、この氷上が同行致しますのでご心配為されぬように」
そこで俺は脳内検索をする。
更新されない脳内検索だが仕方ない。
ソル教司本部祭でページをめくる。
――我の事を大好きな人達。
「お前ふざけんな!」
あまりにもフザケタ検索結果に怒りが爆発して思わず声に出してしまった結果。その場の一同が驚きこちらに視線を向ける。
「……君が勇者君ね」
「あ、突然声を荒げてごめんなさい。ちょっと寝ぼけてたみたいです」
その言葉に一同は胸をなでおろしていた。だが笑顔の内に内心気が気でない者がいた。
ソル教司祭、氷上である。
実はここに至るまでに彼女はエリシオンの軍人である同級生と密約を交わしていた。
その内容は、自分の趣味であるダンジョンに関しての書籍を出しており、著名人である所の「男女ん」の家族を自身の家につれて帰りたい事と、人気のあるケーキ職人の家族を専属として雇いたいのでソル教の総本山である実家に連れて帰りたい事を申し出ていた。
勿論この家族の息子と娘が勇者と聖女であるとは告げずにだ。
これがバレると彼らは拘束され帝国と王国のパワーバランスが崩れ、必ず大戦争に発展する。
それに都合よく、エリシス軍の狙いはもう一人の少年の様だったので渡りに船だ。
なぜその少年?馬鹿なの?とは思ったが、口に出す事はしなかった。
しかし目の前で体育座りをする少年はいきなり怒りをぶつけて来た。
「(この子まさかこのままソル教が保護と言う名の軟禁をする事に気付いている?ありえない!いや、でも今の怒りはなに?……と、とにかく総本山に到着するまで彼の機嫌を損ねるのはまずいわね。思いを力に変換する勇者……やっかいね。説明……いえ、彼の機嫌を損ねない様に交渉ね。)」
「あらあら、勇者君はお寝坊さんですね。では皆様、今のお仕事の都合などもあるでしょうし、今後の予定をご説明させて頂きますね」
氷上は少年の顔色を伺いながら今後の説明を始めるのだった。
ここまでで色々名前を間違っていたりが散見しております。
加筆修正をそ、そのうちしますm(__)m申し訳ありません。




