兎を舐めるな 2
第3話の前に1話追加しました。流石にメインまでが短すぎたので。修正多くてごめんなさい。
「クソ兎が!」
なんでだろう、戦闘中は冷静でいられたのにリスポーンすると急に怒りが湧き上がってきた。
「クソ兎がっ!お前らにはどんだけ高等なAIが積まれてるんだよっ!」
普通に考えたらおかしくないか?第2の町であんなに賢かったら最後の方だとどんな戦闘しなきゃなんねぇんだよ!
「すぅーはぁー、すぅーはぁー」
落ち着け俺、一旦深呼吸だ。お、いい感じに心穏やかになるのどかな風景が。
「ふぅ」
ちょっと落ち着いてきた。兎たちについて考えよう。
それにしても、うーん、やっぱり俺が巣に侵入していることを知っていた上での行動だったよなあ。どうやったらバレずに済むだろうか。
「あれなら…でもなあ」
…
「これは…だめかあ」
…
「これは絶対無理だし…」
うーん、やっぱり思いつかない。あ、そうだ。攻略サイトとかに載ってないかな。
◇◇◇
なるほどなるほど、お香が効くのか。道具屋に売っているんだな。ちゃんと見ておけばよかった。
初期の町にはお香(弱)しか無いらしい。お香(弱)は3分間ほどしか効果がないそうだから、使いどころが限られるな。しかも、ずっと同じ種類のお香を嗅ぎ続けると耐性ができるらしいから、何個も持っていったらいいわけでもなさそうだ。精々2、3個ほどしか効果はないだろう。
「よし、さっそく行ってみよう!」
◇◇◇
昨日は結局色々とあって突入ができず、今日に突入となった。朝から見張って外に兎がいないことも確認済み。位置も、臭い消しを大量に持ってきて効果が切れそうになったら再補充を繰り返した。おかげで俺の財布が正真正銘すっからかんだ。今回は普通に見張りがいた。この前門番がいなかったのは本当に作戦だったんだろう。頭の回るクソ兎め…。
よし、それじゃあ突入作戦開始!まずはお香を門番の方へ投て、っと。
「よっ」
「キィーッ!!」
猿みたいな声で鳴いて逃げてったぞ。(弱)でもなかなかの効果があるんだな。(強)とかあったらどんな反応をするんだろう。おっと、いけないいけない、さっさと行かないと効果がなくなってしまう。
「くっさ」
え、プレイヤーにも効果あんの?現実のお香はもっといい匂いがする気がするんだけど。あー、装備に匂い付いたかも。嫌だなあ。あ、でも代わりに兎が近寄らなくなるかも。そう思うとまだマシだな。
「キィーッ!キーッ!!」
うしし、逃げてる逃げてる。効果は抜群だ。この前見た右端とその隣の入り口のところにお香を投げて、出て来られないようにする。今回は左端から行こう。俺が頑なに中央の道を進まないのは、絶対にユニオンであるボス兎がいる気がするからだ。
まずは右…正解。
次は左…間違い。
次こそ左…正解。
今度は右…間違い。
次は右…正解。
「ん?」
ここは…こっちが正解の宝物庫か!?やられた、大方右から二番目の道は侵入者を嵌める用の罠なのだろう。罠を仕掛けるとかほんとにどんなAI積んでるんだよ。後、普通にあんだけの規模の罠をはる時間があるってどんだけの余裕だよ。
「まあいい、結構な財宝が手に入りそうだしな」
にしてもすごいな、あの部屋にあったのが0.1カラットのダイヤモンドだとするならこっちは3カラットは下らないダイヤモンドだ。これは普通に俺の装備の強化にも繋がる。
お、いいのあるじゃーん。何々、岩蠍の脚甲に、リザードマンの胸当て、岩亀のブーツ、火眼の指輪か。一旦キラービー装備を脱いで、それぞれ装備していく。結構マシな装備になった。しかも火眼の指輪は火属性に耐性(弱)をつけてくれるからありがたい。しかもお香の匂いがついていない。これはさらにありがたみポイントに加点だ。どうせすぐお香まみれになる予定だけども。
これらの装備を作る素材になったり、ドロップしたりするモンスターは火山の方の町と俺がこれから向かう方向の町にしかいない。大方、先の方まで進んだ脱初心者ぐらいのプレイヤーがこっちに戻ってきて、気が緩んだところをクソ兎どもに倒されて装備を落としてしまったんだろう。このゲームでは、死んだ場合、一定の確率で装備を落としてしまうからな。レアかどうかは運次第だが。それ目的でPKをしているクランもあるらしいから気をつけないといけない。今の所盗られるような装備なんてないけど。
他にも色々と金になりそうなものだったり、使えそうなアイテムだったりをあさっていると、効果が切れたのか兎たちがこちらへ迫ってくる音が聞こえた。
「キィーッ!!」
本当に猿みたいだな。さっき調べたら現実でも驚いたり、自分を大きく見せようとする時に同じように鳴くらしい。生き物ってふしぎだあ。
よし、そろそろいいか。限界まで引きつけ、自分が出た時に広場に兎がいなくなっていることを願いつつ、兎の上をダブルヴォルトを使用して飛び越える。頑張って2回のジャンプで分かれ道があと2個のところまで来れた。着地した瞬間四方払いを起動し、周りの兎を蹴散らす。四方払いが終わった瞬間に足元にお香をぶち撒き、ダブルヴォルトのリキャストタイム終了まで休憩する。
リキャスト終了、もう一度ダブルヴォルトを起動。後から後から湧いてくる兎どもの上を跳び抜け、5つの分かれ道がある場所まで戻る。そして広場に兎が1匹もいないことを確認し、自分のタイミング調整に素晴らしい!と拍手を送り(この間0.3秒)、今出てきた分かれ道へお香を投げかける…まではよかったんだが、隠れていたのか俺が分かれ道から跳び出してきた時にはいなかった兎が俺の後ろにいて、スパッと、いっそ惚れ惚れするような素晴らしい太刀筋で俺の首を切り裂いた。
そして俺は宿屋でリスポーンした。
「は?」
ふ、不覚!見事で御座る!…いやどうやって出てきたんだよ!
感想を書いてくれると嬉しいです!
誤字報告などの指摘があればどんどん言ってくれると助かります!
評価は★5まで増やせます。よろしくお願いします。




