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《Aeterna・Memoria》アエテルナ・メモリア  作者: 黄金餅
迷い猫は相棒を探して
38/45

CDP、別名はF

Cはチャイナ DとP?考えろ、そして本編を読め Fも然り

主武器(シャーペン)よし!格納道具(ファイル)よし!補給アイテム(お弁当)よし!装備(制服)よし!衛生管理道具(ハンカチ)よし!疲れはない!いざ戦場(学校)出陣(登校)っ!!


「行ってきまーす」


「はい行ってらっしゃい」


そうして家を出る。家の隣を見ると今日も今日とて絶賛建築中の建築業者と建築用の機械が動き回っている。


「それにしてもでかい家だなぁ……」


うちもそれなりに大きな家であるはずなのだが。霞んで見える、とまではいかないものの、見比べるとその大きさの差は一目瞭然である。工事をしている建築会社は注文住宅で有名なため、誰かが越してくるのは間違いない。一体誰が引っ越してくるというのか、これではクレームに行く手が鈍るというものだ。金持ちに喧嘩を売りたい奴なんてごく僅かだぞ。俺はそのごく僅かに属していないためクレームは難しそうだ。隣の家から目を離し、セミファイナルが仕掛けられるまで後わずかとなった道を、まだ来るなよ夏……っ!!と念じ、春よ続いてくれてありがとう……っ!!と感謝しながら進む。朝食に鮭パワーを補充したものの、やはり大気が決める温度に俺が勝とうなど無理な話で。


「今日は少し冷えるなぁ」


ブルルッと体を震わせながら学校へと向かうのであった。



◇◇◇



「「おはよー」」


「「「おはよ」」」


「「「「おはよう」」」」


「ういー」


「おはよう透真」


「透真くんおはよう」


「凰さんおはようございます」


「みんなおはよう、あれ?CDPは?」


「まだ来てない」


「ちぇっ、早く来ねえかなぁ。まあどちらにせよ体育あるしいいんだけど」


「バカにしがいがあるねぇ〜」


「全くもってその通りで」




◇◇◇


更衣中……



CDP。それは造語。しかし我ら2−4男子にとって大きな意味を持つのである。それすなわち。


C(チャイナ)D(ドレス)P(パンツ)、大丈夫かぁ〜?またチャイナドレス(下半身のみ)を増やすなよー」


「おーいCDP、今日はパンツ裂けそう?」


「CDP、調子はどうだい?今日も今日とてチャイナドレスを増やしていくのかい?」


「おーい、次のドレスパンツはいつ制作するんだよCDP!」


C(チャイナ)D(ドレス)P(パンツ)。これは去年の体育終わりの更衣中に起こった事件が発端として、学年の男子に知れ渡った言葉である。それは物の名前、それは事件の名前、それは人の名前。

〈CDP事件〉。

当時は学校新聞の号外で発行せよとの言葉も多くあったが、まさか生徒会の一年生の馬鹿げた意見が通るはずもなく。それはクラス内の話題の種としてしか残らなかったのである。というか生徒会役員がそんなことを提案してる時点でどうかと思うが、まあ「生徒会は生徒の気持ちに全力で応えますってね」なんてのたまわれたのでよしとする。生徒のことを大切にする生徒会はきっと素晴らしいものなのであろう。

そうではなく、CDP事件の概要を説明したい。まずその日は何やら色々と理由をつけられて1−2の教室で男子全員が着替えることになり、その最中、のちのCDPが「あーもう華がない!むさ苦しい!」なんて言いながらジャンプして落下している途中に、そいつのパンツの側面がビリリッ!と破けてチャイナドレス風になったのである。当時、そいつは上にピチピチの下着を着ていたのでよりチャイナドレス感が強まった。「華がない!」やら「むさ苦しい!」など言われた他の男子たちは少々むっとした感じになっていたが、チャイナドレス化した瞬間にそれはバカにするのをさらに加速させる要因になり、今日この日まで学年全員の男子に語り継がれる英雄譚となっているのである。

あれは最高だった、あれほど素晴らしい事件は、これまでも、これからも、起こることは無いだろう。しかも素晴らしいのは他にもあり、それに怒ったCDPが地団駄を踏むと反対側もビリッと裂けて今度はパンツがふんどしのようになったのである。もうこれにはバカにするどころか褒め称える人も出てきて、それも踏まえた「英雄譚」なのである。それにより、別名〝F〟と呼ばれている。本人が「ちょっとかっこいい……」などと呟いたために使われることはあまり無いが、「ふんどし」と呼ばれることは多々ある。

のちのインタビューで、CDPはこの事件についてどう振り返るか、という質問をしたところ「まあ非常に不本意ではありますが、皆さんのお気持ちが少しでも晴れやかなものになったのだとしたらこれほど嬉しいものはありません」などと返答していたものの、顔が一切嬉しそうじゃなかったのでまたクラスの笑いをとることになる。また、「2回目裂けたのは偶然だとしても、1回目は絶対に俺のせいではない、机に刺さっていた針金のせいだ」などと供述していたものの、そのような証拠は発見されなかったために照れ隠しの嘘だとして処分された。まったく、素直に認めればいいものを。


ちなみに、CDPはCDP(チャイナドレスパンツ)意外にCコンジュラチュレーション D(ディクショナリー)P(ポエマー)の略でもあるのだが、それはまた後日に語るとしよう。



◇◇◇



「ただいまー」


「おかえりー」


「母さんはまだ稽古?」


「うん、そうみたい」


「そうか」


「なんか元気なさげだけど?」


「課題が大量に出た」


「うわぁ、それはどんまい」


「しかし!しかしだ。明日は休日、そしてそれはゴールデンウィークへの第一歩……つまり!最終日に全て終わらせたら問題ないのだーッ!!わっはっは、我天才ないでッ、何すんだよ……って母さん!?」


「課題は先に終わらせなさい、いいわね?」


「は、ハイ……」


くそぅ、こうなったらさっさと課題終わらせてゲームを楽しむんだーッ!!

パンツがチャイナドレスになったのはクラスの人気者、笑福寺くんが机に空いた穴に針金を差し込んで、それが一部分だけ外に出ていたのが上手いこと当たってびりっと破けたせいです、ただしみんなの目にはジャンプして裂けたように見えてる

つまりCDPの言い分こそが正しかったのです、しかしその事件によってただの照れ隠しだと思われてしまっているのだ……


ちなみに号外を提案した生徒会役員も笑福寺くん、というか自分が原因だと分かってたのに何食わぬ顔でバカにしてその上証拠隠してるこいつが一番タチ悪い

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