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《Aeterna・Memoria》アエテルナ・メモリア  作者: 黄金餅
迷い猫は相棒を探して
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母を思ふ心の花 3

「【長距離転移(テレポート)】」


彼女がそう言った直後、視界がホワイトアウトする。そして目を開けると、そこは古代都市遺跡調査前線であった。


「ごめんね、簡易テントいつも設置してる訳じゃないから今回はここから徒歩になるよ」


「いやまああんだけの距離一瞬で来れたんだから文句は流石にないよ」


「あ、そう?それはよかった。じゃあアヤ、探知できる?」


「ん。【万象眼(オムニ・ヴィスス)】」


「いやー、それにしてもアヤの【万象(オムニ)】シリーズのスキルってすごいよねー」


「それは言えてる。俺も欲しいなー」


「それは、多分無理だと思います」


「なんで?」


「これを手に入れた経緯が複雑で……」


「要するにお前程度の実力とリアルラックじゃ特別なコンテンツに関われる訳ないでしょって言いたいってことよ」


「ね、姉さ……じゃなくてお姉ちゃん!変なこと言わないで!」


「事実じゃーん」


「もうこいつ嫌い……」


「一旦放っておきましょう。うーん、この辺りにはなさそうですね……」


「よし、じゃあ地道に探すとしますか!」


「まあ頑張るのはアヤちゃんだけだけどね」


「妹の努力は姉の努力って言うでしょ?」


「初めて聞いたよそんな言葉」


「それは君が無知だからだね」


「もうやだ……」


そんな茶番を挟みつつ地道に樹海を練り歩き、ありそうなところをしらみつぶしに探してゆく。







……






な、ない!他のクランや上位プレイヤーが見つけられなかっただけのことはある。というかもっとヴィア側にあるのかもしれない。今の所探しているのは調査前線側ばっかりだし。


「もうちょっと奥の方に行ってみよーよ!」


「うーん、確かにそっちの方がいいかも。アヤちゃん、お願いできる?」


「は、はい!全然大丈夫です!」


「よかった。じゃあ行こうか」




……




「なーい、ないない、なーいな♪」


「何をおっしゃられてるんで?」


「いや、この隠しエリアが見つからない悲しみを鼻歌で表現しただけだけど?」


「気が狂ったのかと思った」


「失礼だなぁ、この橘冴様がそんなことになるわけないでしょ?」


「お前そんなこと大声で言っていいの?」


「まあ顔はある程度変えてあるし大丈夫でしょ」


「その雑さが心配になる……」


「あ、ありました!あっちです!」


「え!?ホントに!?やったーッ!!早く行こうぜムーンくん!!」


「急に調子がいいんだから……」


「ほらほら早く!」


そうしてアヤの跡をついていく。


「こっち、です」


案内されたのは、先ほどアヤが「見つけた」といった場所とそれなりに離れているところであった。


「アヤ、すごいね、万象眼ってそんなに広い範囲見れるの?」


「半径1kmは、全部見れます」


じゃあ直径2キロか、と思いつつ、目の前の草が覆っているものはなんなのかを考える。


「何を覆ってると思う?」


「んー、まあ隠しエリアだし扉とかじゃない?」


「ありそー。よし、それじゃあ早速この草を退けていこうか!」


「おー!」


まあどけると言っても、風魔法で草を着れば終わりなのだが。しかしこの草の先に重要なものが隠れていて、風魔法で壊れるようなものだった場合に備えて微調整しながら草を取り除いていく。


そしてその先に見えたのは……


「よっしゃ、やっぱ扉だ」


「おー、ムーンくんにしては珍しい」


「舐めてるよね?俺のこと」


「え、当たり前じゃん。ゲーマーとしても芸能人としても格が違うからねぇ」


「なんで俺が間違ってるような言い方されなきゃいけないんだ……?」


「さーて、この扉の先には何があるかなー」


そうやって扉を開けようとした瞬間、鳩尾のあたりがゾワっとした。これは……聖職者の勘?


・聖職者の勘

扉などの遮蔽物の先にアンデット系のモンスターが存在している場合、嫌悪感を与える。また、稀に敵対するモンスターに対しても反応する。


このゾワっとする感じはアンデット系がいる時の反応だ。仕方ない、さっさと片付けてしまおう。


「なんかこの先にアンデットいるみたいだから浄化してから入るよー」


「そうなんだ、了解」


「【詠唱破棄(アバンダン)】【聖域(テメノス)】、うーん、アンデットだからこっちの方がいいかな。【聖域に入るべからず(アディトゥム)】」


その言葉を唱えると、扉の隙間から聖なる光が輝くのが見える。そうしてアンデットは全て駆除された。


「さーて、それじゃあ私だけの庭園はどんなものか見てみようじゃないの!」


そう言って、勢いよく扉を開ける。そこに広がっていたのは……


花、花、花、そこかしこに咲き乱れる様々な色の花。エリアの中央にある小さな小屋。エリアの端にある小さなベンチ。流れる小川。エリアは生垣で囲われていて、小屋とベンチへ続くように小道が続いている。咲き乱れる花、ただその中で圧倒的に数が多いのはマリーゴールドであった。


「きれい……」


「こりゃすごい」


いつの間に入ってきたのか、気づくと2人が隣に並んでいた。


「いやぁ、きれいだね」


「流石にここまでとはね……」


「私の期待を上回ってくる……賞賛に値する……」


「いやどこから目線だよ」


「ユーザー目線?」


「さっきのは、上から目線て、言うんだよ」


「?」


「わかったら、返事をしようね、クソアマが」


「?」


「?じゃねぇんだよウスラトンカチ」


「うわぁ、女性に向かってそんなこと言うなんて…シクシク、これはSNSに書き込まなきゃ…シクシク」


「おいやめろ俺よりお前の言葉の方が絶対信用高いんだよ黙ってたらお前は清楚な女性だもんなみんな騙されるわけだ!」


「ひどーい、私はいつだって素敵な女性ですぅー」


「信じられないね」


「ところでさぁ」


「いやなんとか言えや」


「もう飽きた」


「飽きたって……」


「ここどうする?」


「どうしようね」


「多分放っておいたらまたすぐに増えてるよ」


「そんな雑草みたいな……」


「まあそう言うもんでしょアンデットって」


「確かに」


「それで、私の聖域が続くのが1週間くらいだから、毎週こなきゃいけないなぁ」


「まあいいんじゃないのか?ここにくることが義務になったら毎週一回はそれついでに休憩もできるんだし」


「んー、まあ確かにそうかも。じゃあいっか」


「うん」


「それに……

ゲームの根本的な世界観に関わるスキル群の一つをトールゴブリンの着ぐるみを着た男性に向けて全力で放った女性がいるなんてまさかそんな


Sae’s 迷言集

No.26「妹の努力は姉の努力(弟も然り)」

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