表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《Aeterna・Memoria》アエテルナ・メモリア  作者: 黄金餅
迷い猫は相棒を探して
34/45

母を想ふ心の花 2

またもや短め

「別に強がってなんかないよ。最近ちょっとだけ現実(リアル)の方が忙しくってさ」


「ああ」


「だからここだけが一息つける場所なんだ。この場所は私たちしか知らないから」


そりゃあそうだろう、なんたってこいつは知らぬものなどいない、かの有名な橘財閥の長女、橘(さえ)なのだから。財閥のお嬢でありながら芸能界に手を伸ばし、一部の人間からは「キッカ」の愛称で親しまれるモデル兼プロゲーマー、それが橘冴という人物である。そしておそらく、この女を「お姉ちゃん」と慕うアヤさんは橘家の次女なのであろう。まあそれは良いのだが、この頃の冴の頑張りっぷりは驚かされるものがある。テレビをつければ10回中4、5回くらいの確率で番組に登場する。まあその番組を見ていると、このゲーム内での行動を知っている身としてはなんとも言えない気持ちになるのだが。というかおそらくドッキリ系の番組で「キッカの素を探る!」みたいなのが出たら1発アウトになる気がする。そんなことはどうでもいい、ただ、なぜこの場所なのか?ということが気になる。


「なんでここなんだ?」


ここも確かに素晴らしい、でも他にも見つけようと思えば似たようなエリアはあるはずだ。


「なんとなく?って逸らかす事もできるけど……まあルアンくんと私の中だしね、教えてあげるよ!まあ、ニュームーンたちは知ってると思うけど」


「ああ、あれか」


「実はね……




◇◇◇




4ヶ月前……


□東の港町 マリーナ


久しぶりに戻ったマリーナにいるプレイヤーたちは、どこか浮ついているように見えた。私は身内や知り合い以外のプレイヤーと共に行動をした事がない。だから情報にも疎かった。それでも往来の隅に立ち、プレイヤーやNPCの話に耳を澄ませていれば自ずと情報が集まってくる。


「知ってる?山紫水明の……」


「隠しエリアって……」


「樹海に……」


そうして集めた情報は、「山紫水明の樹海に隠しエリアがあるらしい」とのこと。だが未だ発見したものはおらず、捜索隊を編成しているクランもあるらしい。それを聞いて思ったこと、それは……


「絶対見つけなきゃ」


もう、最近はうんざりなのである。確かに仕事が欲しいと言ったのは私だ。でも、だからと言ってそれを良いことに睡眠時間が4時間になるようなスケジュールを組むディレクターがどこにいると言うのか。私は一生山中を恨む。だけど山中も板挟みだしね……まあ勘弁してあげるとしよう。問題はそこではない、私はリフレッシュできる場所が欲しいのだ。このゲーム内でもそれなりに強いからそれなりに有名だし、たまに三つ巴をプレイしていた人が目ざとく私のことを見つけて「女帝!」やら「同志!」やら言ってくる所為で気が休まったものじゃない。その点、隠しエリアを見つける事ができたならば、見つからないように隠蔽の魔法をかけたらもうそこは己だけが知る場所となり、一番の楽園と化すのである。これほど素晴らしいことはない、今すぐにでも妹を呼んで隠しエリア探しに取り掛かるとしよう。できれば(ニュームーン)も予定が空いていると良いのだが。



◇◇◇



「それで、なんで俺は呼ばれたの?せっかくの休日なんだから休ませてよ。俺本業プロゲーマーなのに当たり前のようにバラエティとかの仕事くるし」


「じゃあ本業にバラエティが含まれてる私よりマシじゃない、少なくとも拒否権は私より上なんだから」


「あんな怖い顔して詰め寄られて断れるわけないじゃないか。俺たちか弱い日本人だよ?」


「まあまあ。それでさ、みんな隠しエリアの噂知ってる?」


「あー、まあ流石に?俺はあんたみたいに世捨て人プレイしてないんで」


「わ、私も知ってる。山紫水明の樹海にあるって噂のエリアだよね?」


「うん、そうだよ。今回私はそれを探したい訳」


「なんでったって急に。いつもそんな情報知らないくせに」


「今回はたまたま、偶然だよ」


「そうなんだ。なんでお姉ちゃんは隠しエリアを探そうと思うの?」


「最近私って超忙しいじゃん?だからゲーム内だけでもまったりできるような場所が欲しいなーって思って」


「おお、案外まともな理由だ。うざいプレイヤーとかNPCを人知れず殺すためくらい言いそうだと思ったのに」


「んー、PKも楽しいけどね。人一人殺すたびに教会に言って懺悔するの面倒くさくて」


「え゛、じゃあカルマ値溜まらなかったらPKしてたの?」


「うん、当たり前じゃん。まあ今はPKKだけどね」


「そっか、PKKならカルマ値溜まらないもんね」


「そゆことー」


「まあ理由は分かった。でも今から山紫水明の樹海って遠くない?」


「大丈夫、転移魔法頑張って覚えたから。でも良かった、転移魔法の師匠女で。おじいちゃんはキモいって噂聞いたことあるから」


「おじいちゃん風評被害だったら泣いてるよ?」


「別に私が困らなかったらそれでいいし」


「うわあ、サイテーだ」


「まあそゆことでー、レッツゴーっ!!」

・橘財閥

今や世界のトップ3とも謳われる超名門の巨大財閥。手を出した事業は数知れず、全ての分野でどこかには必ず「橘」の名が出てくる、とまで揶揄されるほどの規模の大きさ。そして血の優秀さ。今現在手を出している事業は金融、慈善事業、最先端医療、ARおよびVR……などなど。アフリカに油田も所持している。アメリカの大企業であるリンゴ(仮)やグルグル(仮)などとも提携しており、その他様々な国の大企業と太いパイプで繋がっている。またVR事業に関してはアエテルナ・メモリアを発売したXENO(ゼノ)ーA社に莫大な資金提供をして開発に一枚噛んでいるとかいないとか。ちなみに開発者の名前は発表されていない。


XENOってかっこよくない?かっこいいよね?

あとXENO–Aに日本語でルビを振るならXENOーA(未知よ永遠に)になる


・山中D

彼も大変なのです、上司からは「なんとしてでも橘を番組に出演させろ」と言って大量に番組の概要を渡してくるし、それを橘さんに伝えると表面上はにこやかでも、それなりに付き合いが長くなってくると分かるようになる小さなため気に気づいちゃったりして心が痛む。芸能人の仲が悪い人たちをどう扱うかを考えるのも彼の仕事なので、ミスをしてしまった時には胃が痛くなる。彼は精神も身体もボロボロなのです。誰か助けてあげて。


ちなみに月にすごい顔して迫ったのも山中Dです。この時が一番彼にとって辛い時期だった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ