兎は跳ねる 5
今回は設定メインです。ごめんねカーネブル…君との決着はすぐ終わるよ…
違う違う、そうじゃないって。なんでボスを見捨てるの?ほんと非人道的…というか非兎道的なやつだな。いや、これが兎社会ではノーマルなのか…?ヤダコワーイ、絶対兎にはなりたくないわ。結構シビアなんだね兎って。そんなことを考えている暇はない、とにかく総長たちをなんとかせねば。いやでもドヤ耳から離れてくれたって思えば結構ありがたいのか?
「とにかく殺されたくはないぃぃぃぃ!!」
なんか色々とスキルエフェクトが光る総長ズを前にして、マルチヴォルト使用、全力で逃走に走る。もう徹夜は仕方がない、明日遅刻してもよしとしよう。課題は終わってるしな。明日の一限は理科だった気がする、結構優しい先生だから許してくれるはず……っ!!先生を信じていざ逃走!!俺の横スレスレを魔法が飛んでくる。あぶない、これじゃまずい。しかも周りにまた兎が集まっている。自分の体にお香をぶっかけて、近寄ってこないようにと祈りつつ前に進んでゆく。
壁に向かって突進、ギリギリのところで地面を蹴り上へとジャンプ、もう一度天井ギリギリで壁を蹴り、ドヤ耳へと迫る。今の動きを簡略化すると⊂みたいな感じだろうか。少しづつ体を回転させて、仰向けからうつ伏せの状態へと移行する。俺を遮ろうと目の前に兎たちが出てきたものの、俺の体に先ほどなすりつけておいたお香の影響か、すぐ道を開けて行った。そしてもう一度、ヘビーピアスを起動、腕をおおきく振りかぶって…
グサッ、っと。
刃がドヤ耳、もといカーネブルに突き刺さった。
なんともあっけないように思えた。今までの苦労はなんだったんだろうか、と。いや、結構危険なことしてたし、総長兎たちがこっちにきた時とかに咄嗟にうまく反応できたことも勝因だったはずだ、でもそれなら強いモンスターとただ戦うのとなんら変わりはない。正直言って、これを100レベにならないと倒せないというのであったらこのゲームをプレイしている奴らはプレイヤースキルがかなり低いと思う。全員のプレイヤースキルが超絶低かったです、の確率は何分の一かって話だ。その時、
「なんでい、もう殺されちまったのか?」
ゾワっと。背中に悪寒が走る。これは現実の体が反応したというよりも…システム的な何かによって強制的に悪寒を、恐怖を感じさせられた?総長たちも顔を真っ青にしている。あいつらですら怯えるってやばい。
「ん?お前がカーネブルの野郎を張っ倒したのかい?」
「……っ!!」
反応ができない、それほどまでの恐怖。判断力が鈍る、思考が遅く感じられる。いや、これは意図的に思考を遅延させられている?だめだ、考えがまとまらない、一旦目の前の化け物に集中しなければ。
「おうおう、そう殺気立つなよ」
喋り方はいかにも普通、それどころか親しみやすく感じている。もしくは感じさせられている。どちらにせよ無害に思えるがしかし、全力で体がこいつはやばいと否定している。まずいまずいまずい、本当にこれでは死にかねない。いや死んでもいいんだけどせめてなんらかの情報を持って帰らないと、この後のプレイに関わってくる。
「まあよ、気軽に名前で呼んでくれや。マニピュートってよ」
『イミネント・ユニオン マニピュートに遭遇しました』
は?
「それってどういう…」
「イミネント・ユニオンってのはよ、要するに《プリムス》に一番近い《ユニオン》ってことだ。これに認められるのは、ユニオン同士の力関係を表した時に一番強く、そいつがプリムスに迫るような個としての強さを持っていることが条件だ」
いやそういうことを聞いているんじゃない、いやそうなんだけども。
「お前がイミネント・ユニオンであることと、ドヤm…カーネブルのことを知っていたのにはどういう関係があるんだ?」
平静を装いながら最大の疑問をアティチュードだったかなんだかにぶつけてみる。
「生物は皆、生まれながらにしてユニオンになれる可能性を秘めている。貴様ら人間にも可能性はある」
ちょっと待って、なんでそんなに大事な情報ぶっ込んでくんの?始めたばっかなのに。この情報何ディーロで売れそうかなあ。情報とか溜め込んでるクランとかに教えてみようかな。伝手ないけど。
「そして、ユニオンとなった時生物は天啓を受けるのだ。そして逃げられない戦いに巻き込まれる」
「逃げられない戦い…?」
「ユニオン同士の《戦い》だ。これは序列争いであるし、何よりユニオンがユニオンであるための、生物が生物であるための、己が己であるための戦いだ」
「己が己であるための戦い…」
「ああ、そうだ。そしてこの戦いで勝つものはいない。勝てないと言い換えてもいいかもしれないな」
「それは何故に」
「調整されるんだよ、強さを世界に。しかし俺ァ勝った、そして認められたんだよ、世界に」
「認められる…?」
「ひどいこったァな、世界が勝つなと言いながら、勝ったものには強さを与える。そして強くなり、真に認められれば今の俺のようになれる。だからユニオンたちは戦いをやめられないしやめない」
「お前のように、えっと、イルミネーション・ユニオン?になったとして何がメリットなんだ?」
「イミネント・ユニオンだ。イミネント・ユニオンが認めれば、そいつはユニオンになれるんだよ」
「じゃあつまり、カーネブルはお前が認めたからユニオンになったってことか…?」
「ああ、そうだ。ユニオンってだけで弱い奴らは寄り付かなくなる、雑魚どもを追いやるための蚊取り線香みたいなもんだな」
いやこの世界にも蚊取り線香あるんかい!って、つまりそれじゃああいつらは、
「ただの使い捨てってことか?」
「ああそうだ、それ以外にあんなクソ雑魚に何の用がある。しかもお前はあんな雑魚を倒すだけでユニオンを討伐したって栄誉がもらえるんだぜ?しかもユニオンだけがどろっぷなるものをする素材があるんだろ?よかったじゃねえか、これはお前にくれてやるからよ」
じゃあ俺の苦労は意味がなかったってことか…?いやちょっと待て、その前に一つある。
「じゃあなんであいつの部下たちはあんなに強かったんだ?あいつは弱いのに」
「ユニオンは全て眷属を召喚できる。それは己の姿に似たものであり、その強さは通常本体の強さに比例する。そう天啓で示された。しかしな、本体の強さがある一定を下回ると、眷属の強さは本体の強さに反比例するようになる。だから俺はあいつを増長させ、力をつけないようにした。今の俺の部下のうち、少しはあいつが作った眷属だ」
なんという卑劣な策略…!!だからマニピュートなんていう名前なのかと感心する。
「まあそういうことだ、そろそろこいつの素材持って出ていきな。今回は見逃してやるよ。次会った時は俺の気分次第だがな」
「あ、ありがとよ」
ほっ、よかった。素材だけはどうしても欲しかったんだよ。
そそくさと素材を回収して、ちょっと周りに落ちていた素材も回収しつつずらかる。なんて甘いこと言うかよォ!!とか言いながら殺されるかと思ったけど全然そんなことはなかった。真面目?なやつでよかったよ。
「まずいな、もう朝の2時だ…2時!?いや普段よりかはまともだけど」
それでも想定より2時間ぐらいは長くかかってしまった。地味にドヤ耳との戦闘は時間かかったし、マニピュートの設定モリモリトークでも結構時間経ってただろうし。まあ素材確認は明日のお楽しみだ、さっさと寝よう。
すみません、これ以上の結末は作者の力が及ばず…ここからどれだけ長引かせても結局ぐだぐだなラストになるだけに思えましたので。
イミネント・ユニオンは要するに、他のユニオンボコった上で君はプリムスに届くくらい強いよ!!って運営が認めたらなれます。イミネントユニオンが認めたらユニオンになれますが、本当に運営とかの承認は要らなくて、どれだけ弱くてもユニオンの特権だけ行使可能と言うことになります。ユニオンの特権って言っても主に倒された場合の素材に関することだけなんだけどね!
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