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18.理由

その後もいつくか話し合ったが、ほとんどユリウス君によって論破されていった。

もし婚約を一方的に解消したことに相手が怒って攻めてきたらどうするかという質問に対しては辺境伯閣下が、


「もしそうなれば我が家に連絡を寄越せばいい、精鋭を50人ほど送ろう。」


と言って父が


「50人ですか?いささか少ないように感じるのですが、」


「うちで言う精鋭は単独でSランクの魔物を狩ることができるのが最低条件だ。

50人も入れば国の全戦力をもって攻めてこない限りは一方的に破壊できる。」


と言い切ったため、黙るしかなかった。


その後私の話になると揉めたが、王族の権力と辺境伯の暴力の圧によって辺境伯家が面倒を見ることを強引に決めた。

私としても家から離れられるのは嬉しいため、私自身がどうしたいかを聞かれた時は、是非お願いしますと言った。


その後の動きはすごく早かった。


私の荷物をまとめ、私も準備をするように言われた為一度席を離れた。

準備が終わり戻るとうちの家族はみな青い顔をしていた。

多分ユリウス君が色々言ったんだと思う。


その後は馬車に乗せられ王都の辺境伯家のタウンハウスへ向かうことになった。


砦みたいに堅牢な馬車にユーリ君にエスコートされて乗ったときは凄く驚いた。


馬車には空間魔法が付与されていて、すごく広かった。

ソファーやテーブルもあり、トイレ、風呂もあった。


同じ馬車には私とユーリ君とユリウス君が乗って、今回の件について色々と話していった。


「あの、今回の件ってなんでこうなったの?」


「あぁ、それならユーリに聞いてくれ。」


「俺に投げるなよ、まぁいいか。

まぁ、簡単に言えばクレア先輩が錬金術師だからって理由で酷い扱いされてんのが気に食わなかったからってのが大きいっすね。

あとは色々とおかしいなって思ってたらユリウスからクレア先輩とライゼン帝国の皇子との婚約が決まったって聞かされて、よし、その婚約ぶち壊そう!って思って動いただけですかね。」


「そうなんだ、なんかごめんね、私なんかと婚約することになったりとか、迷惑もかけたし。」


「いや、婚約に関しては文句ないんで、あと私なんかじゃないっすよ。

先輩はちゃんと魅力的です。

気に食わないことは、あの公爵とかその息子の顔面をぶん殴れなかったことぐらいですかね。

あとは今回あんまり役に立ってないんで俺。

ほとんどユリウスに任せちまったし。」


「いや、ユーリのというかユーリ達はちゃんと仕事してくれてたよ。

君達に自覚は無いかもしれないけど、君達がただ無言で無表情で見るだけで相手はめちゃくちゃ怖いからね?」


「君達って、父さんはでけぇし、怖ぇけど、俺や母さんも?」


「うん、辺境伯夫人は静かな怖さがあるんだよね、君が出してる圧は学生が出していいような圧じゃないんだよね、自覚した方がいいよ。」


「うぐっ、いやうちの領地で魔物と殺し合ってると自然と圧が強くなってくんだよな。

まぁ、普段は別に圧だしてねぇし、圧が強くて損はないだろ。」


「ま、そうだね。

あぁ、クレア先輩には今回の件についてもう少し詳しく裏の事情まで話しますね。」


「あ、お願いします。」


「動き始めた動機はユーリがムカついたからなんだけど、王家が動いた理由はグラン公爵が帝国との婚約を取り付けたという報告が来たからだね。

うちは帝国とは仲良くないし、今後も仲良くするつもりもない。

なのに勝手なことをされると困るってのはある。

帝国は周りの国のほぼ全てから嫌われているからね。 そこと婚約なんて結ばれると我が国の立場まで危うくすることになる。

さすがに許されない。

まぁ、ついでの理由はユーリに恩を着せて是非私の側近になって欲しいなって思ってね。」


「ちょっとは隠せよ。」


「あぁ、そうだったね。」


「辺境伯家が出張って来たのは俺が頼んだからってのがいちばん大きい。

ついでにいえば王家から頼まれた部分もある。

辺境伯家は王家派貴族派のどちらにも属さないが、どちらかと言えば王家派だから、俺が側近になると王家派の力がすっごい強くなる。

ついでに今回の件で貴族派のグラン公爵家の力が削げそうだったから、王家としてはがっつりグラン公爵家の力をできるだけ削りに行った感じだな。

辺境伯家としては王家がしっかり国をまとめてくれれば良いって感じだから、変に貴族派が無駄に力をつけて国が荒れて面倒事が起こらないように協力した感じだな。

まぁ、動いた理由の大半はうちの息子が惚れた女を掻っ攫いに行くってよ!てめぇら行くぞ!みたいな感じでみんなやる気出したんだよな。

そのせいでうちの中でも精鋭の騎士が結構出張ってきたし。」


「ほ、惚れ、惚れっ」


「あぁ、あんまり気にしないでいいっすよ。

俺にとっては先輩は大事だし、一緒にいて落ち着いたんで、結婚してもいいなって思ったって感じっすね。

惚れたかっていうと、まぁ惚れてはいるかもしれいけど、」


「言い訳ばっかり並べてないで素直に好きって言えばいいのに。」


「うるせぇな、最近俺への態度適当になってねぇか?」


「こっちの方がいいでしょ、君は。」


「いや、まぁそうだがよぉ。」


「まぁ、色々動いた理由はそんな感じだね。

だからクレア先輩にはどこか王家派の貴族家に養子となってもらうよ。

多分引っ張りだこになると思うけど、どこの養子になるかは王家も介入するね。

クレア先輩を養子にした家は王家ともコート辺境伯家とも近付くことができるからね、適当な家には任せられない。」


「それは大丈夫です。むしろお願いしたいです。」


その後ちょっとユーリ君とはぎこちなくなったけど、しばらくすれば元の感じに戻った。

今は恥ずかしくて言えないけど、ちゃんと好きって伝えたいなって思ってます。



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