15.しばらくして
ポーション類を作った日から数日、ユリウスは翌日には帰ってきたため一緒に動くことが多かった。
調査が終わりダンジョンも開放され、俺とユリウスには事の顛末も説明された。
その後も基本二階層、三階層を主に探索、それ以外では錬成部の部室でポーション類の作成をしていた。
ユリウスは剣術部には入らず、俺が錬成部にいる時は1人、もしくはユリウスと関わりを持ちたい人達とダンジョンに潜っている。
高位の貴族や実力者が多かったので、ネームドキャラも数人いた。
俺も多少挨拶や会話をしたりもした。
そんなふうに過ごしていたある日。
「明日からしばらく学園を離れるから、もし部室を使う場合は先生から鍵を貰ってね。
最後は鍵を閉めて先生に返せばいいから、それじゃあよろしくね。」
そう言って別れた。
次の日の放課後、ダンジョン内で。
「なぁユリウス、この時期に実家に帰るような用事なんてあったか?」
「ないよ、クレア先輩のことだね。
ちなみにグラン公爵家で何かあったとかも聞かないね。」
「心当たりは?」
「ない、根も葉もないような噂の類を除けばね。」
「それでもいい。」
「そうだね、言葉を選ばないならクレア先輩をグラン公爵家は捨てると言ったところかな。」
「は?公爵家の長女を?その後絶対ごたごたするやつだろそれ。」
「うん。ただね、公爵家の長男アルフォンス、跡取りがね、出来が良くないんだよ。
顔はいいが傲慢、その割には大して優秀でもない。
勉強は教えられたこと、一問一答ならできるが考える頭はないタイプだね、正直彼に当主になられるのは嫌だね、後で絶対面倒事が起こる。
次女もまぁ言葉を選ばないならバカだよ。
だからねグラン公爵家の下に着いてる貴族家も、取り引きをしている貴族家も、アルフォンスや、カリナ、あぁ次女の名前ね。
それらが当主になるくらいなら、クレア先輩がなった方がいいんじゃないかって意見が実は結構出てる。
ただ、今の公爵が少し歳をとった時にできた子供たちでね、クレア先輩もジョブがわかる前までは可愛がられてたらしいんだが、あぁ少し逸れた。
だからか本人の能力は悪くないんだが子供に甘くてね。
特に長男に、だから可愛がっている長男を当主にするためにクレア先輩を追い出すんじゃないかって。」
「なぁユリウス。」
「なんだい?」
「それって根も葉もある噂じゃねぇか?」
「いや、今の当主は子供に甘いが、そこまで愚かだとは思わないんだ。」
「つまり、追い出すのではない。ただクレア先輩が当主にはなれないように何かしら動くってか?」
「さすが、正解だよ。」
「ふーん。」
「なぁユリウス。」
「なんだい?」
「クレア先輩が冷遇されてるのって錬金術師だからだよな?」
「そうだね。」
「つまり、俺にも喧嘩売ってるってことでもいいと思わないか?」
「ふふっ、第1王子ユリウスとしてはなんとも言わないが、君の友人のユリウスとしては肯定しよう。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
「今度ポーション沢山あげるわ。」
「ポーションよりもあの丸薬の方が嬉しいかも。」
「あぁ、分かった。」




