14.錬金術
翌日は早めに起き、着替えて外に出る。
体の痛みはほとんどないが、万全では無いので重りは着けずに軽めのランニングと、丁寧にするシャドーだけにしておいた。
その後シャワーを浴びて飯を食いに行こうと思った時に、扉をノックされる。
「はい。」
そう言って扉を開けると、ユリウスの所にいた従者がいた。
「こちら、ユリウス様からの手紙です。
要約すると、本日ユリウス様は王城に行っており不在です。とのことです。
詳しくは手紙を呼んでいただければわかるとの事です。」
「なるほど、ありがとうございます。」
そう言って扉を閉め、手紙を開く。
要約すると、先日のオークジェネラルの件で陛下に呼ばれたこと。
もしかしたら後日俺も呼ばれるかもしれないことが書かれていた。
手紙を鍵付きの棚に仕舞い、食事に向かいながら今日何するか考える。
ユリウスがいないのならば部活に顔を出して活動しようかと決め多めに食事をとる。
その日の授業を終え、昼を取り部室に向かう。
「こんにちは、クレア先輩。」
「お!ユーリ君、やほ。
どうしたの?」
「いや、普通に部活しに来ただけですけど。」
「へぇー、他に入る部活は決めたの?」
「特にはきめてないですね、自分の錬金釜だったり置いてもいいですか?」
「いいよ、場所教えるから着いてきて。」
「はい、ありがとうございます。」
「いえいえ〜、あともっと楽な話し方でいいよ。」
「了解っす。」
そう言って案内された場所にものを置いて行く。
そして微調整をして作業を始める。
前に採取した薬草を細かくして水の入った鍋に入れる。
その状態で弱火にかけながらかき混ぜていく。
薬草の色が大分出てきて、沸騰寸前になったら火を止める。
そのまま放置し、別の作業をする。
乾燥させたキノコを砕きながら少しずつ水を入れる。
段々とろみが出てきたら、先程までの鍋にかき混ぜながらゆっくりと入れていく。
全部入れ終えてよくかき混ぜたら布を被せた錬金釜に流し入れる。
そして布を搾る。そのまま錬金釜の中の水を混ぜながら魔力を混ぜていく。
しばらくすると僅かに光を帯びる、そこまで来たら混ぜるのを終える。
そして錬金スキルを使う。
そうすると錬金釜の上に魔法陣が浮かび上がる。それを操作し、釜の中の液体に影響を与えていく。
元々釜の中にある液体には傷を治す効果があり、その効果を高めていく。
高められる限界はあるし、早さなどをミスすると一気に効果が下がるため、一定のペースで丁寧に行う。
数分間操作し、治癒ポーションが完成する。
下級の治癒ポーションだが、質のいい薬草と丁寧な仕事をした結果、効果は中級治癒ポーションに近いものになっている。
それぞれを瓶に流し入れ、蓋をしアイテムバッグにいれていく。
そんな作業を続け消費したポーション類を補充していく。
大分空が暗くなってきたのに気付き作業を辞め片付ける。
「すごい腕がいいのね。」
「ありがとうございます。それなりに練習したので。」
「そうなんだね。」
少し悲しそうな、寂しそうな目をした先輩と話し、今は離れていく先輩の背中を見送る。
正直本当にそうか分からない、俺がそう思ってるだけかもしれないが、何となくそう思った。
その日は飯を食べモヤモヤしながら眠りについた。




