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珍品収集少年エルフと無遠慮スライムの冒険譚  作者: 最高サイトウ


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8/15

かつての英雄のレイピア『シュヴァーリエ』

「すごい熱気だ…緊張する〜!」


「まぁ頑張れよ、勝てるとは思わねぇけど、応援はしとくわ」


二人はコロシアムに来ていた。王都で行われている『第八十五回王都最強決定戦』に参加するためだった。なぜそんな大会に、戦闘はからきしのルクスが出ることになったのか。事の発端は、ヴェルディホテルの朝、食堂での出来事まで遡る。


――朝七時、二人はホテルの食堂に朝食を取りに来ていた。ビュッフェ形式の豪華な食事を堪能していると、このホテルでは初めて見るタイプの服装、冒険者らしい格好をした男が話しかけてきた。


「やぁ、ここいいかな?」


「うん、えっと…」


「あぁすまない、僕はラング。放浪の旅をしているしがない冒険者さ」


まだ若く、おそらく二十歳半ばくらいだろう。使い込まれた麻の服を来ていて、腰に長剣と短剣を一振りずつ携えている。金髪碧眼のハンサムで、察するに冒険者ごっこをしている貴族といったところか。


「僕はルクス、こっちの夢中で食べてるのがゲルね」


ゲルはラングに一瞥した後、また食器にかぶりついた。大皿によそった大量のゼリーを一心不乱に食べている。


「よろしく。今朝カジノでだいぶこっぴどくやられてる君を見て興味が湧いてね。あ、あれ君だよね?」


ルクスは今朝、カジノで金貨を五十枚失って、二百歳超えとは思えない醜態を晒していた。ラングもその場にいたらしい。


「あれ見てたんだ…今になって恥ずかしくなってきたよ」


頬にほんのり赤が差す。


「…お前恥ずかしいとかいう感情あったのかよ」


ゲルが思わず手を止めてツッコむ。


「あるよ!僕をなんだと思ってるんだか…それで、ラングは…見た感じ、冒険者してるの?」


「おぉ、わかる?そうなんだよね〜。何個かダンジョンにも潜って、数々の修羅場を潜り抜けて来たんだよね」


誇らしげに武勇伝をペラペラと語り始めた。ゴブリン十匹に囲まれ、一人でなんとか切り抜けた話。ドラゴンの洞窟に潜り込み、財宝を少し持ち出した話。オークに襲われそうになっている女性を助けて、一緒に逃げた話など。英雄級の冒険ではないが、確かに冒険者をやっているらしい。


「とまぁ、こんなところかな。あ、そうだ!王都に来た理由も、僕の武勇を王都に広めるためなんだ」


「武勇を広める?今の長ったらしい話をみんなに聞かせて回るのか?」


話が長すぎて腹一杯になるまでゼリーを食い尽くしたゲルが、いつものように悪態をつく。


「ふっ、違うよ。そのやり方は確実だけど、時間がかかってしまうからね。僕はこれから『王都最強決定戦』に出るんだ」


「王都最強決定戦?なんだか仰々しい名前だね」


「文字通り、王都の最強を決める戦いさ。一対一で戦うトーナメント形式で、殺し以外なら何でもあり。武器も魔法も毒も…なんでもさ」


王都最強決定戦。王都が出来てから毎年開催されていて、今回で八十五回目になる大会。優勝者には多額の賞金と、王都最強の栄誉が与えられる。王都最大の大会なので、王族も見物に来るとか来ないとか。


「ふーん…まぁ頑張ってね」


ルクスは無関心だった。それもそのはず、彼は多額の賞金も栄光も、戦いにだって興味はない。


「おいおい冷たいな。君ならきっと興味を持つと思ったのだが…」


その目には含みがあった。「ルクスなら」、つまり――


「なんか面白い物でも貰えるの?」


「おっ、さすが鋭いね。昨日あの錆びた槍を交換したのを見て、君ならきっと食いつくと思ってさ。王都最強決定戦、優勝者には莫大な賞金が贈られるが、二位と三位にも賞品があるんだ」


「んぐ…なるほど、その賞品がルクスが気に入りそうなやつってことか」


「そう。三位には王都の一等地に建てられた大豪邸と豪華な馬車。まぁこっちは君は要らないだろう。二位の賞品、こっちが凄いんだ」


ルクスが息を呑む。ゲルはまたか…といった反応。


「二位の賞品は、勇者パーティの前衛『風のダナン』が使っていたと言われるレイピア『シュヴァーリエ』だ」


「勇者パーティ!?五百年前に魔王を倒したっていう…あの?」


この世界にも勇者と魔王がいた。五百年も昔の話で、今や伝説や神話のような存在だが。この世界で最も名高い英雄、その内の一人の武器。精神年齢十五歳のルクスが、心惹かれないわけがない。


「五百年前のレイピアなんて、あの槍みたいに錆びついてるんじゃねえの」


言われてみればそうだ。レイピアが五百年も形をとどめているわけがない。国だって無くなるというのに。


「それがそうでもないんだ。シュヴァーリエはオリハルコン製らしい。だから錆びないし、朽ちないんだってさ」


オリハルコン、美しい黄金色を放つ希少な鉱物。その真価は硬さにあり、ドワーフにしか加工できないと言われる程。何千年と昔のオリハルコン製の剣が未だ美しい状態で見つかったという話もある。武器を作る際には最高にして最硬の鉱物だ。


「なるほどね…どこで王都最強決定戦に参加できるの?」


「正気かよ…」


即決だった。確かにルクスにとってシュヴァーリエは非常に魅力的だ。というのも、いつも変な物を集めてばかりで、ルクスはまともな武器というものをあまり持っていない。最高峰の武器を一本持っておけば、この先の旅で大きく役に立つだろう。


しかし、問題は二位まで行けるのか、ということだ。戦闘はあまり得意ではないし、前述の通り武器という武器を持っていない。勝算はかなり薄い。


「お、乗り気になってくれてよかったよ。王都唯一のコロシアムに行くと、受け付けをやっているよ。そろそろ締め切りだろうから急いでね」


「おっけー!大会で当たったら容赦しないからね〜」


そう言うなりルクスは走って食堂を出ていった。ゲルはラングに語りかける。


「なんであいつに出てほしいんだよ。お前に何の得がある?」


「ふっ…決勝でルクスに当たったら楽に優勝できるじゃないか。それに、その前で当たっても勝てる気がするしね」


「…お前、意外と悪知恵が働くタイプなんだな」


―――


そして今に至る。コロシアムは大勢の観客で埋め尽くされていた。賭けもやっているらしく、エントリー時に書いたプロフィールをもとにオッズが決められていた。魔法が使えないエルフ、ルクスのオッズは大会一高かった。つまり一番期待されていないということだ。


「オッズ高すぎなんだけど…まぁ当然か」


「俺はお前に賭けといたぜ、銅貨一枚」


「もっと信じてよ!」


そんな風に話していると、ルクスの出番がやって来た。


「うし、行ってこい」


背中をポンと押す。ゲルなりの精一杯のエールだろう。


「任せてよ。その銅貨、百倍にしてあげる」


第一試合、対戦相手は人間の男。右手に盾、左手に剣を持っている。細身で、正直言って弱そうだった。


会場に入場すると、歓声とともにリングアナウンサーの声が鼓膜を震わせた。


「さてもう一度ルールを整理しよう!どちらかの戦闘不能かリングアウト、あるいは降参を持ってして勝負が決まる!武器や魔法、何でもありだ!ただし殺しだけはノンノン〜。さぁそれでは、次の選手の紹介だ!」


「西!冴えない冒険者をしている男、一攫千金を狙ってこの大会に参加した、ノーラン!」


ノーランが控えめに剣を掲げる。


「東!魔法を使えない落ちこぼれエルフ、お子ちゃまは帰りなぁ!ルクスー!」


不服そうに錆びた投げ槍、空裂を掲げる。


「せめて楽しませてくれよ〜!それじゃ…試合開始!」


先に動いたのはルクスだった。空裂をノーラン目掛けて力一杯投げる。しかし、さっき待機所で初めて投げ槍の練習をしたレベルなので、当然当たらない。ノーランの右後方に飛んでいった。その隙にノーランは距離を詰める。


作戦通りだった。当然投げて当たるとは思っていない。狙いは――


「帰ってきて!」


そう言うと同時にルクスは空裂とノーランの直線上に跳ぶ。ノーランは言葉の意味が分からず、一瞬思考して立ち止まる。その瞬間、ノーランの背中を強烈な衝撃が襲う。何が起きたか、それをノーランは理解する間もなく地面に倒れ、気絶した。


空裂が驚異的なスピードでルクスの手元に戻ったのだ。投げた時の比ではないスピードだった。いくら錆びているとはいえ、鈍器が飛んでくるようなもの。ノーランが倒れるのも無理はなかった。


「勝者、東!ルクス!機転を利かせた攻撃で、ノーランを一撃ノックアウトした!」


リングアナウンサーが、ルクスの勝利を声高らかに宣言した。全身の毛が沸き立つような歓声と、賭けに負けたものの罵声が混ざり、感じたことのない高揚感があった。


ルクスは悠々と待機所に帰ってきた。


「ふぅ…とりあえず一回戦は突破できたね」


「やるじゃねえか。お前バトルIQは高いよな」


「まぁね〜」


珍しくゲルに褒められて、鼻が高くなっている。あと五回ほど勝てば決勝だ。そこで負ければ、晴れてシュヴァーリエが手に入る。


「てか、思ったより参加人数少ないよね。千人ぐらい来るかなと思ってたけど」


「…それは、化け物達が参加しているからさ。げほっ…」


柱の裏からボロボロのラングが出てきた。大会手配の僧侶が回復魔法をかけている。


「ラング!どうしたの…まさか一回戦で負けた?」


「まさかでもないけどな」


「ぐふっ…そのまさかさ。あいつは…あいつはヤバい。あいつに当たったらすぐに降参したほうがいい。人を傷つけるのを楽しんでいた…」


ラングのその無数の傷跡が物語っていた。彼が戦った者の、底知れね残虐性を。


「対戦相手の名前は?」


「…ギャリオンだ。この街では知る人ぞ知る裏の顔らしい…気をつけろ…」


「わかった、僕が仇を討つよ」


一瞬静まり返り、我に返ったようにゲルが声を上げる。


「はぁ!?絶対ヤバイやつだぞ、そいつ!お前、さっきの勝ちで調子に乗ってるみたいだけどな、あんなのまぐれだぞ!」


「…うん、僕が一番よくわかってるよ。でも、友達を必要以上に痛めつけられて、黙ってるなんて僕は嫌だね」


「…お前ってやつは…勝手にしろ。痛い目見ても知らないからな」


気づけばラングは気絶してベンチに寝かされていた。ルクスの勇ましい啖呵は聞こえただろうか。


二回戦目、ルクスの出番が来た。


「さぁ大どんでん返しの一回戦!まさか魔法を使えないエルフの子どもが勝つなんて誰が予想できた!?このままダークホースが独走するのか!二回戦を始めよう!」


「東!一回戦で騙し討ちを成功させ、会場を沸かせた奇術師!ルクスー!」


両手を腰に当てて仁王立ちしているルクス。武器を構えていないのは手の内を晒さないためか、あるいはパフォーマンスか。


「西!一回戦で陵辱の限りを尽くした悪魔!ルクスくん〜逃げて〜!ギャ・リ・オーン!」


人間のはずだが、その体躯はオークのそれにも見劣りしないほどの迫力だ。右手に大きな鉈のような物を持っていて、頭には紙袋を被っていた。防具は身に着けておらず、それがかえって恐ろしさを強調していた。


「見てたぜ、お前の第一試合」


ギャリオンが口を開いた。低く掠れた声。


「面白い戦い方をするよなぁ。でも二度は通用しない」


「…どうして君は、ラングをあんなに痛めつけたんだ」


怒りが滲む低い声で、ルクスが問う。


「…?あぁ…俺は雑魚が嫌いなんだ。雑魚のくせに調子に乗ってるやつがな」


「そう…もういいよ。僕が引導を渡してあげる」


リュックに手を入れ、中を探るような動き。


「さぁそれでは、第二試合を始めるぞ!目を覆う準備だけはしといてくれ!試合、開始ー!」


「何かする気だろうが…無駄だぞ!」


ギャリオンが突進してきた。大きい図体に似合わないスピード。ルクスは焦ることなく、あるものを取り出した。それは、壺だった。


「…?」


ルクスがギャリオンの方へ壺を傾けると、ぬるぬるとした液体が流れ出た。際限なく流れ続け、ギャリオンの足を絡め取った。


「な、なんじゃこりゃ!」


ギャリオンは少し体勢を崩したが、後ろに引くことでぬるぬるのエリアを抜け出した。


「この野郎…搦手ばっかり使いやがって…!」


紙袋から見える首に青筋が浮いている。相当苛ついているらしい。


ギャリオンが足についた粘液を取り払って顔を上げると、そこには霧が広がっていた。


「ちっ…コソコソと…」


霧の中で右往左往するギャリオン。その位置をルクスは把握していた。色々眼鏡でくっきりと、狼狽えているギャリオンを捉えていた。


外の観客も霧のせいで状況を把握できない中、ルクスだけは勝利への道筋が見えていた。リュックから空裂を取り出し、加湿器の先端に装着する。霧が少しずつ薄くなる。


「…お、晴れてきたか…?おい、出てくる気になったのか!」


虚空に向かってギャリオンが発破をかける。鉈をブンブンと闇雲に振り回し、少しでも霧をかき消そうとする。


「もう勝負は決まってるよ」


声がした。同時に、とてつもない勢いで空裂がギャリオンに飛んでいき、そのまま場外の壁に衝突した。


ルクスは霧が薄れゆく中で、加湿器のダイヤルを最大にしたのだ。先端から噴き出す水蒸気が、栓となっていた空裂を押し出し、まるでレーザーのように一直線にギャリオンを打ちのめしたのだ。


「しょ、勝者!ルクスー!」


霧が晴れたと思ったら、ギャリオンが壁に押し付けられ、そしてルクスが涼しい顔で立っていた。その状況にリングアナウンサーも一瞬言葉に詰まったが、すぐに勝者の名を叫んだ。


観客達からはもはや罵声は聞こえず、地面が揺れるほどの歓声がコロシアムに響き渡っていた。


「ただいま〜」


待機所に帰ってきたルクス。仇を討ち、とてつもないな歓声を浴びたことでとても上機嫌だった。


「…お前、怒ると結構怖いんだな」


ルクスはふっと微笑んで言う。


「友達のためだもん、当然だよ」


「見てたぞ、ルクスの勇姿。けほっ」


ベンチに目をやると、ラングが起きていた。まだ回復魔法をかけられてはいるが、とりあえず普通に話せるくらいには回復したらしい。


「ラング!僕君の仇を討ったよ。だからもう安心して、安らかに…ね」


「ははっ…勝手に殺さないでくれよ。でも、ありがとう。胸がスッキリしたよ」


ラングとルクスが握手を交わした。それはラングにとって、友人としての感謝でもあり、同時に戦士としての激励でもあった。


その後も金ピカの鎧を着ていた剣士をゴルちゃんに襲わせて丸裸にしたり、妖刀『赫錆』をポーチからちらつかせて降参を引き出したりなどして順調に勝利を重ねた。


余談だが、このポーチはリュックと繋がっていて、離れすぎなければリュックから物を取り出すことができる。


そして、ついに決勝戦。ルクスが呼ばれる。


「ついに決勝戦だー!今回は例年に比べて参加者が少なかったから、『ついに』っていうか、『もう』って感じだけども!しかしそれでも、面白い大会だった!さぁ最後も魅せてくれるのか!?」


「東!ここまで来たら優勝してくれぇ!超絶ユニークなエルフ!ルクスー!」


もちろん優勝するつもりなどない。しかし、ここまで来てつまらない試合をするつもりもなかった。


「西!こっちもユニーク!突然変異のメタルスケルトンであり格闘家!バックスー!」


バックスと呼ばれたスケルトン、その体は銀色の美しい金属光沢を放っている。俗に言うメタル族だ。武器は持っていない、というか、何も身に着けていない。おそらく格闘家なのだろう。


「おいルクス、俺はお前のことが好きだ。面白いからな。だからこそ、本気で行かせてもらう」


眼底の奥が怪しく光っている。ルクスはここまで、対戦相手の対戦をまともに観ていない。メタルスケルトンの本気、いかほどのものか。


「それはどうも。こちらこそ、本気でやるよ」


「両者準備は出来たみたいだ!それじゃ…決勝戦、開始ー!」


リングアナウンサーが決勝戦開始の宣言をした刹那、構える間もなく目の前にバックスが来て、頭に手が伸びる。


パチンッ、おでこに鈍い痛みが走った。デコピンだ。


「いっ…たぁ〜」


頭を抑えてうずくまる。メタルスケルトンの指はガチガチだ。当然デコピンの威力もかなりのものだった。格闘家な理由がよく分かる。


「これで俺の勝ちでいいか?」


バックスは腰に手を当てて、顎をカタカタと震わせながら笑っている。力の差は今ので十分分かった、ルクスも観客も。


「ぷっ…優しいね。うん、降参だよ」


「おーっと!決着は一瞬だったー!しかし平和なのもいいじゃないか、そうだろう!?ということで、第八十五回王都最強決定戦、優勝は!バックスー!!」


わぁっと歓声が沸き、優勝を祝う花火が何発も打ち上がる。


「「「バックス!バックス!バックス!」」」


観客達がバックスの名を叫ぶ。


「優勝したバックスには金貨十万枚と、八十五人目の王都最強の称号が贈られる!これにて王都最強決定戦は終了だ〜!また来年〜!」


待機所に戻ってきたルクスを、ゲルとラングが迎える。


「お疲れ。当初の目的通りニ位になれたね、おめでとう」


ラングはもう完全に回復していた。気絶するほどの傷だったことを考えると、耐久性には優れていると言える。  


「しかしあのスケルトン、恐ろしく強いな。あいつが勝ち上がってきてよかった。じゃなきゃ観客達が納得のいく決勝戦にはならなかったかもしれないし」


確かにゲルの言う通り、もしラングが勝ち上がってきて、その上でルクスが負けようものなら大ブーイングだっただろう。


三人で談笑していると、大会運営のスタッフが賞品のシュヴァーリエを運んできた。どうやら表彰台に立って賞品と歓声を受け取るのは、優勝者だけらしい。


シュヴァーリエを受け取って手に持ってみると、オリハルコン製のレイピアは、驚くほどに細く、しなやかで、そして軽かった。


「おぉ…これなら僕でも使いやすいや!いやぁ、実にいいものをゲットできたね。ラングのおかげだよ、ありがと」


「ふっ、そのレイピアを使うたびに僕の名前を出してくれたら嬉しいな。『友人の助けがあって手に入った』ってね」


「お前何もしてねーけどな」


かくしてルクスは、ついに最高級の武器を手に入れた。王都最強の栄光を手にすることはなかったが、ムカつく奴をぶっ飛ばして得た黄金色のレイピアは、栄光なんかよりもずっと眩しかった。

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