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珍品収集少年エルフと無遠慮スライムの冒険譚  作者: 最高サイトウ


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10/15

おまけ憑きのボトルシップ

トロールクイーンを倒したルクスとゲルは、洗脳が解けた残党を狩るバックスを置いて王都に帰ってきていた。解放した人間たちをとりあえず病院に連れていった後、二人は目的もなく町を練り歩いていた。少し曇り空の過ごしやすい昼下がり。


「置いてきちゃってよかったのかなぁ」


「いいだろ、残ったモンスターの中には敵対しあってんのも居たし、バックスなら心配ねぇよ」


「ま、そうだね〜」


この世界のモンスターは決して一枚岩というわけではない。五百年前、魔王がいた頃は一応モンスター対人族という構図だったらしいが、魔王がいなくなった今、モンスター間での対立もままあるらしい。


「そんで、次の予定は決まってるのか?」


「うーん…そろそろ王都を離れようかな。ここから南に行ったところの砂漠に、超巨大ダンジョンの上に作られた都市があるらしいんだ」


「…砂漠、ね。俺はあんまり気乗りしないが、まぁいいぜ」


スライムにとって乾燥は大敵である。砂漠という環境はほぼ水分のゲルにとっていささか過酷だろうが、あの加湿器がある今なら心配はいらないだろう。


長旅に備えて出店で買い出しをしていると、嫌な視線を背中に感じた。


「…おい、見られてるぞ。どす黒い悪意だ」


「…え、まじ?なんでだろ…心当たりがまるでないけど」


ひそひそと小声で会話する。振り向かず、気づいていないふりをしながら買い物を続ける。追手は人込みの中を縫って少しずつ近づいてきている。


「…撒くぞ、こっち」


ゲルが手を引き、ルクスを引っ張って細い路地に入っていく。小さい二人を人込みの中でかろうじて補足出来ていた追手は、急に路地に入った二人を見失い、大慌てでそのまま通り過ぎていった。


「おいおい…随分ヤバそうな奴らじゃねぇか。俺たちなんで追われてんだ?」


「うーん…あの感じ、ギャングっぽいけど…あ、もしかして…ギャリオン?」


ギャリオン、いつぞやの王都最強決定戦でルクスが戦い、一方的な勝利を収めた相手。特徴的な紙袋を被っている体格のいい人間で、一説には裏社会のボスという話もある。


「ギャリオン関連だとしたら、大会で無様に負けた腹いせにお前を狙ってるってことか?器の小さいやつだな…」


「まぁ、僕みたいなちんちくりんエルフに負けたらボスの面子丸潰れだろうし、ブチギレるのも無理はないよ。やっぱり王都は早めに出たほうがいいね」


そうして二人は、所々にいるわかりやすいチンピラを避けながら王都の南の城門に辿り着いた。


「まぁそう簡単にはいかないわな」


城門の前にもチンピラ達が目を光らせていた。エルフとスライムの二人組、通ろうとすればすぐに見つかって捕まるだろう。


「北も西も東も、全部の城門がおそらく同じ感じだろうね…僕たちが依頼から帰ってきてから封鎖したってことは、僕たちの動向をある程度掴んでると見てよさそう」


「これで俺たちは袋のネズミってわけだ。どうする?あっちが飽きるまで王都でかくれんぼし続けるか?」


うーんと思案するルクス。こういうタイプは諦めが悪い。相手が飽きるよりも先に二人が捕まるだろう。とすれば一刻も早く王都を出るしかないが、高い城壁に囲まれた王都から出るには、東西南北にある城門のどれかを通るしかない。


「…ゲル、クライミングできる?」


「…悪いけど、直角の壁は登れないぞ?」


うーんとまた唸りはじめる。バックスやシャーロット王女に助けを求めてみるのもいいが、できることならギャングとの争いに友人を巻き込みたくはない。


「とりあえず、打開策を探しに街に繰り出そっか」


「はぁ…もし捕まったら俺は他人のふりするからな」


二人は広大な都市でスリリングなかくれんぼを続ける。捕まればどうなるか、想像するのも恐ろしい。恐ろしいはずなのだが、このエルフの少年はどこか楽しげだ。どうにかなるという根拠の無い自信があるのだろう。


「おい!居たぞ!」


思案しながら辺りをうろついていると、ギャリオン一派のチンピラに見つかってしまった。幸い距離はある程度離れているし、人込みもあるのですぐには追いつかれないだろう。


「やば!逃げるよ〜!」


「くそ…なんで楽しそうなんだよ!」


二人が走り出すと同時にチンピラ風の男も仲間を呼んで追いかけてくる。走っている時もルクスは笑顔だった。町中を走り回っていると、曲がり角を曲がった先に見覚えのある看板が見えた。


『呪いの道具屋。命惜しくば入らざるべし』


「あ、あそこ!」


追手たちがまだ追いついていないのを確認して素早く路地の奥へと進み、呪いの道具屋に入る。


「ヒッ!…おやぁ?いつぞやのお客様、なにやら焦ってるみたいですね、ヒヒッ」


勢いよく扉を開けると、ゴブリンの店主がカウンターから身を乗り出して驚きながらも迎えてくれた。少し前、この店で呪われた加湿器を買ったので、二人とは顔見知りである。


「はぁ…はぁ…それがさ、王都の裏社会のボスを怒らせちゃったみたいで、王都から出られなくなっちゃったんだよね。今その手下たちに追われてて…」


「ふぅ…狙われてるってのに、こいつが町を歩こうとか言うせいでこのざまだ」


「ヒヒッ、それは不運でございましたね。でしたら、その怖い人たちから逃げられる――かもしれない方法がありますが…どうされます?」


店主がわざとらしく曖昧な言い方をする。この店が呪いの道具屋であることを考えると、おそらくまた曰く付きの道具で、効果は保証できないといった話だろう。しかし、今まさにチンピラ達が血眼で自分達を探していることを考えると、手段を選んでいる場合ではない。


「その方法って?前の加湿器はそこまで危ない物じゃなかったけど、今回のは危険だったりする?」


「…こちらをご覧ください」


店主が出したのは、精巧にできたボトルシップだった。ボロボロながらも美しい黒い帆船が、ガラス瓶の中で佇んでいた。


「ただの船の模型に見えるが…」


「ヒヒッ…なんとこちら、模型ではありません。本物の、帆船でございます」


「えっと…どういうこと?」


二人の頭の上にハテナマークが浮かぶ。手のひらサイズのボトルシップを見せられて、これは本物ですと言われたのだから無理もない。


「この帆船、かつて海を荒らした大海賊、ゲイルの乗っていた船なのです」


「ゲイル?うーん…僕は聞いたことないや」


「ヒヒッ、かなり昔ですからねぇ。最終的に、暴れすぎたゲイル海賊団は、数多の国によって構成された連合軍により討伐されました。その帆船とゲイル海賊団の魂は、罰として、あるいは見せしめとしてこのボトルシップに封印された…らしいですよ」


前回の加湿器は本物だった。曰くの話はともかく、少なくとも性能は。しかし今回の話はさすがに商品を売りつけるための脚色のように思える。それに、本当だったしてだからなんだというのか。現状を打破できる物とは今のところ思えない。


「…それで、その呪いのゴーストシップがどう俺たちを助けてくれるんだ?」


「ヒヒッ…このボトルシップ、コルクを抜くと封印が解かれ、元のサイズに戻ります。しかも…飛びます。正確には、空を海のように航海できるというのです」


「えー!!すごい!買う買う!」


かつての大海賊が乗っていたという、空を飛ぶ幽霊船。しかも持ち運びやすいガラス瓶が付いてくる。ルクスが欲しがらないわけがなかった。


「ちょ、ちょっと待った。そもそも俺たちは帆船なんて操縦できないぞ?」


「ご安心を、魂も一緒に封印されておりますので、彼らが操縦してくれますよ。まぁ…彼らに気に入られる必要がありますがね」


店主が初めて少し寂しそうな表情をした。


「店主さん、前になんかあったの?」


「えぇ、実は…私も一度くらい空を飛んでみたいと思いまして、それでこのボトルシップを使ったのです。しかし、呼び出した海賊たちは、ワタシに罵詈雑言を浴びせるだけ浴びせて、この瓶の中に帰っていったのです…」


「それは…残念だったな」


ゲルが背中を擦って慰める。誰かに寄りそうだなんて珍しい。店主の声音があまりにも悲しかったからだろうか。


「気に入られないと…か。その罵詈雑言ってどんなのだった?」


「えぇっと…『雑魚』『つまらん』『キモい』とかでしょうか。思い出したらまた辛くなってきました…」


「ふむふむ、なら心配なさそうだね。これ買うよ」


店主の心の古傷をえぐる代わりに、何か光明を得たらしい。しかしもし気に入られなければ、町中に帆船が突如出現し、そして消えるだけという結末が待っている。


「ヒヒッ、まいどありがとうございます。本来なら金貨三十枚ですが…あの船が飛ぶところを見せてくれると信じて、二十五枚までまけましょう」


「いいの?ありがと〜、必ず飛んでみせるから任せてよ」


ルクスが意気揚々と金貨をカウンターに積む傍らで、ゲルが店主に耳打ちをする。


「…あんた、商売上手だよな。買いたくさせて、値下げもして、その値段が割安だと思わせる。ルクスの財布の紐が緩いのも加味して、喜んで払う額ながらも大金を提示する。本当は金貨十枚程度だろ?」


「ヒヒッ…そう思うならなぜ止めないのです?横で金貨の塔が出来ていますよ」


ふっ、と呆れたように、そしてどこか嬉しそうに笑って言う。


「別に金なんかどうでもいいからな。あいつが喜んでるなら、いくらか金を無駄にしようがいいんだ」


「素敵な友情ですねぇ。私も友達が欲しくなってきましたよ」


二人でクスクスと話していると、金貨二十五枚をきれいに積み上げ終えたルクスが口を開く。


「ねぇ店主さん、ここら辺でこの船を出せるくらい広い場所ある?」


「ふむ…近くに大きな公園があります。もう夜ですし、人もいないでしょうから出しやすいかと。…お客様、信じていますよ」


「うん、王都の夜空に浮かぶゴーストシップをお楽しみに〜」


店を出ると、外はすっかり暗くなっていた。人通りも減っていて、気をつけなければすぐにギャリオン一派に見つかるだろう。


二人はコソコソと路地を進み、時折見つかりそうになりながらも、捕まることなく例の公園に到着した。


「よし…それじゃ、出すよ」


「俺も緊張してきたぜ…」


ルクスがボトルシップのコルク栓をポンッと抜くと、煙がそのボトルシップから勢いよく出てきた。煙が晴れると、公園のど真ん中に巨大な帆船が出現していた。美しさはそのままに、圧倒的な迫力を携えたその黒い船から、青白い人影がワラワラと湧いてでた。


「こんどはチビかよ」「雑魚そうだ」「スライムもいるぞ」「ここどこだ?」


皆好きなように言葉を発している。当然ポジティブな評価はない。はたしてここから気に入ってもらえるのか。


「おいお前ら!一旦静かにしろ」


無精髭を生やした、一際大きく強そうな男が船員たちを制止した。トリコーンを被っているのを見るに、彼がこの船のキャプテン、ゲイルなのだろう。


「そこのエルフのガキか〜?俺たちを呼んだのは」


「うん、僕はルクス。こっちのはゲルね。それで、単刀直入に言うと」


「おぉっと待った!当ててやるよ、この船『ナイトセイラー号』に乗りたいんだろう?子供はかっこいいもんが好きだからな」


自信満々にゲイルが言う。周りの船員もうんうんと頷いている。たしかにかっこいいとは思っているが、そんな理由ではない。今二人は切迫した状況なのだ。巨大船を顕現させた以上モタモタしている場合ではない。


「いやいや、俺たちは――」


「うん!僕世界一の大海賊、ゲイル船長の船に乗ってみたかったんだ〜。目の前にするとやっぱりかっこいいな〜。歴戦の帆船って感じでクールだな〜」


ゲルの言葉を遮って矢継ぎ早に褒め立てる。普段も十分に子供らしいが、いつにもまして子供の声音で。どうやら気に入られる糸口をそこに見出したらしい。


「…そうそう、スライム界隈でも話題なんだよ。ナイトセイラー号に乗れたら一生自慢できるぜ」


そこにゲルも乗っかる。スライム界隈なんてものは存在しないし、あったとてゲルは属していないが、その偽りの言葉には説得力があった。


「話がわかる奴らだ」「センスがいい」「可愛いチビだな」「船員になれよ」


船員達の評価が少しずつ好転していた。中には変なものも混じっていたが。ゲイル船長はというと――


「がはは!そうだろう!よーし、貴様らは乗る資格がある、誰かハシゴを降ろしてやれ!」


チョロかった。ゲイルの声を聞いて船員がいそいそと縄ばしごを降ろした。とりあえず乗り込むのは余裕だった。あとは空に漕ぎ出すだけだ。


「うひょー!すごいすごい!こんな大きな船初めて乗ったよ〜こんな高い景色が見れるんだね」


「はっはっはっ!ガキはいいな、見てて楽しい。満足するまで乗ってていいぞ〜」


ゲイルが荒々しくルクスの頭をわしゃわしゃと撫でる。ここまで子供が好きな海賊というのも珍しい。かつて大暴れしたと言われているが、存外に悪者ではないのかもしれない。


「…なぁゲイル船長、この船、空を飛べるって本当か?だとしたら見てみたいな〜」


ゲルがついに本題を切り出した。公園に帆船が出現してからもう大分時間が経ち、ちらほら追っ手が集まってきているのが見える。急がなければ、登ってこられて面倒なことになる。


「あ、僕も見たいな〜船長、お願い!飛んで行きたいところもあるしさ」


ゲイルの冷たく半透明な手を握って、渾身の上目遣いでねだる。普段のルクスを知っている人からすれば、やや気持ち悪いほどの猫の被り具合だ。


「ちっ…しゃーねぇなぁ!おい野郎ども!ガキどもを喜ばせるぞ!帆をはれ!」


やはりゲイル船長はチョロかった。彼の一声で一斉に船員たちが動き出し、着々と航海、もとい離陸の準備が進められている。錨が上げられ、帆が開き、ゴゴゴという音ともにナイトセイラー号が浮かび始めた。登ろうとしがみついていたチンピラ達は、さすがに諦めたのか手を離した。


「うわぁ…今更だけど、これどういう理屈で飛んでるの?」


「ん?さぁ、俺にもわからん。ただこうなる前は飛べなかったからな。幽霊船としての力なんじゃないか?」


船長でも原理はわかっていないらしい。おそらく無意識下だろうが、ゲイルを含む船員の霊的パワーや願いが作用しているのだろう。彼らの魂は船に縛り付けられているから、せめてこの船だけはどこまでも自由に、と。


「おい待て!クソエルフ!」


少しずつ浮遊するナイトセイラー号の上から眺望を楽しんでいると、下から怒声がした。ついに親玉、ギャリオンが来たらしい。


「あ、ギャリオンだ」


「お、知り合いか?あいつも乗せてやろうか?」


上機嫌なゲイル船長が言う。今ならあのゴブリン店主も乗せてあげられるだろうか。


「いや、あいつは…敵かな。乗せなくていいよ」


「ほう、ならお別れの砲撃をお見舞いしようか。野郎ども!大砲を構えろ!」


「ちょ…町中で大砲ぶっ放していいわけないだろ!」


ゲルが思わずツッコむが、キャプテンに構えろと言われた船員達は止まらない。甲板に並ぶ大砲に砲弾を入れ、導火線に火をつけ、ギャリオンに向けて照準を合わせる。


「撃てーっ!」


船長の号令とともに、大砲から次々と青白い砲弾が飛んでいく。ギャーギャーと喚いているギャリオンに見事に命中し、爆煙が眼下に広がる。夜の静寂を切り裂いて王都に爆発音が響きわたった。


「はぁ…敵がチンピラから王都に変わったな…」


「ちょ…やりすぎだよ、船長!」


「まぁまぁ、よく見てみろよ」


言われるがままに甲板の縁から身を乗り出し見下ろす二人。煙が晴れると、そこにはギャリオンが腰を抜かして地面にへたり込んでいるだけで、特に破壊の痕跡などは無かった。


「これ…どういうこと?」


「俺たちは…封印される時に牙を抜かれたのよ。大砲も見た目だけで、破壊力なんかこれっぽっちもねぇ。コケ威ししか出来ないモンだが…見たところ、効果抜群みたいだな」


ゲイルも一緒に下を覗きながら言う。たしかに、王都の裏社会の支配者があんな醜態を晒しているのは、見ていてスッキリするものではある。


「ったく…心臓に悪いぜ。国際指名手配犯になるとこだったぞ」


「がははは!霊体になってからサプライズが好きになっちまってな。すまんすまん。それで?行きたいってのはどこなんだ?」


ナチュラルにルクスに行き先を聞いてくる。どうやらいつの間にか気に入られていたようだ。


「南方向にある町に行きたいんだ。ただとりあえず、今はこの王都から出られればそれでいいかな」


「よぉし、おいお前ら!南に進むぞ、舵を切れ!」


船員達はアイアイサーと元気よく声を上げ、それぞれの持ち場に散っていった。ナイトセイラー号はどんどん空高く登っていき、ギャリオンが認識できないくらいのサイズになった。船員が舵を切ると、船が大きく揺れて南に方向を変え、そのまま海を進んでいるように星月夜を進み始めた。


「うっ…ちょっと船酔いが…」


「スライムって船酔いとかするんだ」


濁った黄土色になったゲルをルクスが優しく擦っていると、ゲイルにぐいっと引っ張られて真ん中のマストの下に連れて行かれた。


「おいお前ら!この船に新しい仲間が加わった!紹介しよう、エルフのガキ、ルクスと大人しいスライム、ゲル!これから仲良くするように!」


船員たちがうぉー!と海賊らしい反応を見せ、二人を担ぎ上げて胴上げしはじめた。ルクスは楽しげに笑っているが、ゲルはゲロが出てこないように抑えるのに必死だ。


その頃、王都の呪いの道具屋では――


「…ヒヒッ…本当に、飛ぶんですねぇ…」


ゴブリン店主は寂しそうに、しかしどこか嬉しそうに遠ざかっていくナイトセイラー号を眺めていた。自分ではなし得なかったある種の夢を、エルフの少年が代わりに叶えてしまったのだ。嬉し悲しいとなるのも無理はない。


空を行く大海賊の幽霊船。愉快な仲間たちも付いてきて金貨二十五枚とは、今思えば割安だろう。もしもう一度王都に立ち寄ることがあれば、ぜひゴブリン店主を乗せてあげよう、それくらいのお返しはしなくては、そうルクスは思ったのであった。

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