ベニー・ロドリゲス「絵一枚とカラー写真一枚」
大場政夫は病院で治療を受けていた。15Rも試合をすれば心身にガタが来るのは言う迄もないだろう。治療中に担当トレーナーである桑田勲氏が次の試合を持ち掛けて来た。その内容とはバンタム級世界ランキング9位ベニー・ロドリゲスとの試合であった。桑田勲氏はこう言う。
「ベニー・ロドリゲスはタフで好戦的なインファイターだ。プレッシャーを放ち絶え間なく前に出て、接近戦でボディから顔面へとつなげるコンビネーションを得意としている。粘り強さもある選手だ。 強豪との対戦経験は1972年には来日し、日本フライ級王者だった三船剛と対戦した時は8回TKOで敗れているが、三船選手にとっては「世界ランク入りをかけた強敵」としてのマッチメイクだった。また、後の名王者デュシェン・ロペスとも対戦しており、ベニー・ロドリゲスは負けているが強打者相手にも臆せず立ち向かう姿勢が評価されている選手だ。」
「試合をします!試合日はいつですか?」
大場政夫は嬉しそうに訊いた。
「119日後の11月21日で日本大学講堂(日大講堂)で試合だよ。じゃあ先方にそう伝えておくね!」
桑田勲氏はとても嬉しそうに話した。
「その日迄に身体を仕上げておきますね!」
大場政夫はやる気満々だ。
一方その頃ベニー・ロドリゲスは自身の写真を見て感極まっていた。
「やっぱり俺様はナイスガイだぜ!戦績16戦14勝(2KO)2敗は伊達じゃないぜ!」
自分の雄姿を見て笑みがこぼれるベニー・ロドリゲスを尻目にトレーナーのDickはこう話す。
「11月21日水曜日にMasao Ohbaと試合がある。やるか?」
Dickは緊張した面持ちでベニー・ロドリゲスに話した。
「良いって事よッ!俺なら連戦連勝だぜ!何てったってプロだからな!」
Dickは苦笑した。
(去年負けてたじゃん.....)
こうして大場政夫VSベニー・ロドリゲスの試合は完全に決まった。大場政夫は常にトレーニングに励み続ける。
そして11月20日火曜日に体重測定がなされた。大場政夫選手の身体はバキバキに仕上がり52.6kgになっていた。ベニー・ロドリゲスの体重は53.1kgだった。
それから一日経ち運命の日11月21日水曜日となり試合が始まる。大場政夫は入念にイメージトレーニングを繰り返す。
もうじき運命のゴングが鳴る。どんな結果になっても悔いはない。期待を胸に大場政夫は会場に足を運んだ。ボクシングが彼を呼んでいる。リングアナウンサーが大声でこう言う。
「レディースエンジェントルメーーーンッ!今日はお集まり頂きありがとうございます!これよりMasao Ohba VS Benny Rodriguezの試合を始めます!」
アナウンサーは解説する。
「大場政夫選手はプロボクシング39戦36勝17KO2敗1分の戦績です。今後の試合に目が離せませんね!」
続けて隣のアナウンサーと会話する。
「そうですね!対するベニー・ロドリゲス選手は16戦14勝(2KO)2敗の戦績なのでどうなるか楽しみですね!」
次回遂に大場政夫とベニー・ロドリゲスの火蓋が切られる。
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