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【連載版】追放された聖女、怒りのままに木を殴ったら森が破壊された件  作者: 神無月みうか


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9/10

番外編 夢のきっかけ


 これは、ロゼが幼い頃のお話。


「おね……さん……」

「まあ、大変! 回復魔法(ヒール)


 若い女性がそう唱えると、ロゼの傷がみるみるうちに塞がっていく。


「何があったか話せる?」

「えっと……暴走してた馬に、ぶつかって」

「そうなのね。話してくれてありがとう」


 ロゼは立ち上がり、女性に向かってお辞儀をする。


「お姉さん、助けてくれてありがとう」

「いいのよ、聖女として当然のことをしただけだし」

「聖女……当然……」

「そうよ。聖女って、なるまでも努力や苦労で大変だし、解呪とか回復とか魔力消費が激しくてすごく大変だけど、それをやった後にみんなの笑顔を見るのが好きなの」

「……お姉さん、かっこいー……」


(……私も、かっこいいって思われる、感謝されるようないい人になりたい……!)


「お姉さん、私、聖女になる!」

「……そう。大変だろうけど、頑張って!」

「うん! 努力とか苦労とか乗り越えて、絶対すごい聖女になる! 約束」



 それが、ロゼが聖女を目指し始めたきっかけ。


「あら……この()は、あなたの夢にとって邪魔ね。封印しておきましょう。感情が激しく高まった時に封印が解けてしまうかもしれないけど、まあ滅多にそんなこと起きないし大丈夫かしら」

「え?」

「なんでもないわ。あなたの夢が叶いやすくなるよう、少しだけ手を加えただけよ」


 慈愛に満ちた聖女笑顔に、ロゼの目はキラキラと輝いていた。


「お姉さん、ありがとう! そんな優しい笑顔、どうやったらできるの?」

「それはねー、こうやって…………」


 手取り足取りで丁寧に優しい笑顔のコツを教える聖女に対して、ロゼの聖女への憧れはどんどんと増していた。



「お姉さん、最後に一つだけ」

「なぁに?」

「お姉さんの名前はなに?」

「……名乗るほどのものでもないわ」



 あの聖女に出会ったからこそ、今のロゼがいる。


 その後2人は再会するとか、しないとか。



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