第356話 打倒、ステルスストロンガー!
こんにちは。
最近暑くなってきましたね。
千葉の幕張で行われている、人気ゲーム『モンスタースナイプ』の全日本大会。本大会の優勝候補ともいえる人気女子高生プロゲーマーのタッピーに改造ソフトを使用している疑念を抱いた真樹は、タッピーを倒して真実を明らかにするために大会にエントリー。そして、予選を突破し、本大会でも決勝トーナメント進出を決め、更にそこでも順調に勝ち進んでなんと決勝戦にコマを進めたのだった。そして、決勝戦の相手は言うまでもなくステルスストロンガーの力もあって圧倒的な強さで決勝進出したタッピーだった。真樹達以外は気づいていない疑惑が混じる中、真樹とタッピーの最終決戦の火ぶたが落とされたのだった。
-決勝戦、ステージ上にて-
「私、あんたのこと覚えているわ。MSK。あんなマイナーな雑魚モンスターでよくも私のフェアリーフラウちゃんを傷つけてくれたわね!」
試合開始前、対戦用のデスクに着いたタッピーは真樹に対してそう言った。どうやらタッピー杯で真樹のアイスタイガーに苦戦したことを覚えてている上に、まだ真樹に対して根に持っている様だった。挑発的な笑みを浮かべてタッピーは続ける。
「まさか、こんな暗くてダサい男だったとはね。でもいいわ。今度こそ私のフェアリーフラウに対して何もできないまま敗北させてあげるから!」
タッピーに挑発されても、真樹は表情一つ変えずに言い返した。
「俺の事を覚えてくれていて光栄だ。だが、ここまで来た以上俺も負けるわけにはいかん。お前と、今ここにお前の事を応援に来ている大勢のファンには申し訳ないが、優勝するのは俺だ。」
互いに牽制し合う真樹とタッピー。そして、司会者の男性がマイクを取った。
『それでは、タッピー選手、MSK選手。両社準部が整ったみたいなので決勝戦を始めましょう!Ready,Fight!』
司会者の男性がそう言った所で真樹VSタッピーの決勝戦が始まった。試合が始まるや否や、タッピーのフェアリーフラウがアイスタイガーに猛攻を加える。真樹に何もさせずに瞬殺するようだった。だが、真樹は冷静にプレイを続ける。
「悪いが、全てがお前の思い通りに行くと思うな。」
そう言って真樹は何とタッピーの攻撃を全て避け、無傷のまま近づいていく。
(避けた方向に突っ込むなら、一度わざと突っ込んで寸手の所で避ければいい。隠し方は巧妙だが、思ったより単純な部分があって助かった。)
真樹はタッピーの戦術や強化改造された攻撃の特性を徹底的に研究し、対タッピーに特化した戦法を生み出していた。ステルスストロンガーは避けた相手に対して有効な物であり、攻撃に突っ込んでくる相手に対してはまるで想定されていない様だった。そして、攻撃面でも…。
「ふん、あんたの攻撃は一生当たらないから!」
「どうかな?見てみろ。」
タッピーは真樹のクロー攻撃を避けた…つもりだった。しかし、次の瞬間信じられないといった表情を浮べる。
「な、なんでダメージ受けているのよ?!」
「お前の癖はもう見抜いている。」
何と、避けられたはずの真樹の攻撃がタッピーのフェアリーフラウに直撃していたのだった。真樹は改造ソフトの防御システムの特性や、タッピーが左側に避けることも計算に入れ、攻撃する直前でわざと少し左側を狙ったのだった。結果、ステルスストロンガーの効果で左に避けたはずのフェアリーフラウに技が当たったという訳だ。これに関しては会場も異様な雰囲気になり始めた。
「な、なんだ?タッピーが先手取られたぞ。」
「何なんだ、アイツ?」
「タッピー様ー!そんな俄か初心者野郎に負けないでくれ!」
ファンが一気にざわつき出した。そして、慶、杜夫、伸治、武司、美緒もハラハラしながら見ている。
「ま、真樹凄すぎる。」
「チーター相手に、あそこまで…。」
「最早執念だな。ありゃ…。」
「実はそのシステム、大したことない感じ?」
「フン。ズルするからこうやって面食らう羽目になるのよ。」
ステルスストロンガーの力で全試合圧勝を信じ切っていたタッピーは、完全に怒りが頂点に達した。
「ふ、ふざけんなぁ!もう、許さないから!」
こうしてタッピーはこれまで以上に真樹に猛攻を加えた。しかし、真樹に戦法を完全に見抜かれている上に、ステルスストロンガーを破られたことに対して完全にペースを乱してしまい、どんどん追い詰められていく。そして…。
「ふん。クソダサな初心者の癖にやるじゃない。でも、こっから大逆転するから!」
「悪いがそうはいかん。ここで決めさせてもらう。」
タッピーはステルスストロンガーの効果で威力が3倍にまで膨れ上がったビーム攻撃を真樹に内校網とし、真樹もそこに突っ込んでいく。しかし、やはり完全にステルスストロンガーの特性に適応した真樹は攻撃をギリギリで躱し、フェアリーフラウにアイスタイガーのクロー攻撃を叩き込む。その結果…。
『Game,set!Winner,MSK!』
何と、ステルスストロンガーを使用していたタッピーに真樹が勝利したのだった。これには司会者の男性も驚きを隠せない。
『何ということでしょう!昨年の世界チャンピオン、タッピーが幕張で散る!優勝は初出場のMSK選手です!これはとんでもないビギナーズラックだ!』
呆然と床に座り込んだタッピーの横で、司会者の男性は真樹の右腕を挙げながら勝利をたたえた。そして、司会者の男性は真樹達をステージの袖に誘導しようとした。
『さあ、これから表彰式の準備をしますので、一度こちらへ。』
「いえ、結構です。表彰式は出ません。」
真樹が司会者の男性にそう言い、その場にいた全員がポカンとする。司会者の男性は慌てた様子で真樹に言った。
『な、何を言っているんですか?!優勝したんですよ!しかも初出場の貴方が!大会主催者としても盛大にお祝いしたいんです!』
すると真樹は真顔のまま言い放った。
「改造ソフト使っているやつに勝って優勝しても全然嬉しくありません。」
真樹の一言に会場が一瞬静まり返る。そして、さっきまで呆然としていたタッピーも勿論黙っているわけがなかった。
「な、何言ってんのよ!私がそんなことする訳ないでしょ!あ、そうだ分かった!私が可愛くて強い人気ゲーマーで、あんたがダサい根暗男で応援されてないから嫉妬しているんだ!マジでキモイ!」
タッピーにそう言われても真樹は表情一つ変えずに言った。
「俺が何も知らないとでも思ったか?悪いがここで懺悔してもらうぞ、タッピー。」
こうして真樹の最後の反撃が始まるのであった。
こんにちは。
何度も申し訳ありません。
本エピソードは今月中に終わらせます。
グダグダになってしまい、申し訳ございませんでした!




