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第2話

第2話 俺の親友に手を出した代償



「なあ、お前さ。本当に怖くねえのか?」


黒いワンボックスカーの後部座席。


佐伯は、隣に座る神城蓮司を不思議そうに見つめていた。


車内には五人の男たち。


いずれも巨大犯罪組織『黒狼会』の構成員であり、一般人なら目を合わせることすら躊躇するような連中だった。


その男たちに囲まれているというのに、蓮司は平然と窓の外を眺めている。


「怖い、ですか?」


「ああ。今からどこに連れていかれるか分かってんのか?」


「事務所でしょう?」


「そうだよ。だがな、昨日みてえに簡単に帰れると思うなよ」


「そうですか」


「……それだけか?」


「他に何か?」


佐伯は舌打ちした。


どうにも調子が狂う。


こいつは本当に、自分が置かれた状況を理解しているのだろうか。


普通の債務者なら、車に乗せられた時点で泣き出す。


金を用意するから勘弁してくれと懇願する。


ところが、神城蓮司という男には、それがない。


「お前、借りた百万円を返すつもりはねえんだろ?」


「そうですね」


「だったら、何で借りたんだよ」


蓮司は少しだけ視線を動かした。


「……理由が知りたいですか?」


「あ?」


「俺が、あなた方から百万円を借りた理由です」


佐伯は鼻で笑った。


「どうせ金に困ったんだろ?」


「違いますよ」


「じゃあ何だ?」


蓮司はしばらく黙っていた。


そして、穏やかに微笑んだ。


「親友がね」


「……親友?」


「ええ。俺の大切な親友が、あなた方のお世話になりまして」


佐伯の眉が動いた。


「何?」


「そのお礼を、まだしていなかったなと思いまして」


「……お前、何言ってんだ?」


蓮司は答えなかった。


ただ、再び窓の外へ視線を戻した。


佐伯は知らなかった。


この男が、何のために自分たちの前へ現れたのか。


そして。


神城蓮司という男にとって、親友という存在がどれほど大切なものなのかを。



     ◇



三週間前。


東京都内の小さな喫茶店。


「……頼む、蓮司」


目の前の男が、深々と頭を下げていた。


橘直哉。


三十三歳。


蓮司とは小学校からの付き合いであり、二十年以上の親友だった。


直哉は決して裕福な男ではない。


父親から引き継いだ小さな町工場を経営しながら、妻と二人の子供を養っている。


仕事は真面目。


性格も温厚。


少々お人好しなところはあるが、他人を騙したり、傷つけたりするような男ではなかった。


その直哉が、今にも泣き出しそうな顔をしていた。


「本当に、もうどうしたらいいか分からなくて……」


「直哉」


「情けねえよな。三十三にもなって、こんな……」


「まず顔を上げろよ」


蓮司は穏やかに言った。


だが、直哉は顔を上げなかった。


「工場の資金繰りが厳しくなってさ……。取引先の支払いが遅れて、それで……」


「うん」


「従業員の給料だけは遅らせたくなかったんだ」


「それで?」


「八十万円、借りた」


「銀行から?」


直哉は首を横に振った。


「……違う」


蓮司は黙った。


「最初は普通の金融会社だと思ったんだ。審査も簡単で、すぐ貸してくれるって……」


「闇金か」


直哉の肩が震えた。


「……ああ」


蓮司はコーヒーカップを置いた。


「それで、今はいくらになってる?」


「……三百二十万円」


「三百二十万?」


「ああ……」


直哉の声が震えた。


「毎週毎週、利息だって言われて……。払えなくなったら、別のところから借りろって……」


「そうか」


「最初は何とか返そうと思ったんだ。でも、いくら払っても減らなくて……」


直哉は両手で顔を覆った。


「この前、工場まで来たんだよ」


「……」


「従業員の前で怒鳴られてさ。金返せって……」


蓮司は黙って聞いていた。


「それだけじゃない。昨日は家まで来た」


直哉の声が、さらに小さくなった。


「妻が出たんだよ。そしたら、子供の学校のことまで……」


そこで言葉が途切れた。


蓮司はゆっくりと口を開いた。


「直哉」


「……何だ?」


「奥さんと子供たちは無事なのか?」


「ああ。今のところは……」


「そうか」


蓮司は小さく頷いた。


「それならよかった」


直哉は顔を上げた。


「……蓮司?」


「ん?」


「お前、怒らないのか?」


「何を?」


「闇金なんかから金を借りたことだよ。馬鹿なことしたって……」


蓮司は少し考えた。


「まあ、褒められたことじゃないな」


「……だよな」


「でもさ」


蓮司は笑った。


「お前、従業員の給料を払うために借りたんだろ?」


「ああ……」


「家族を養って、従業員を守ろうとした。その判断が正しかったかは別として、俺はお前を軽蔑したりしないよ」


直哉の目に涙が浮かんだ。


「……蓮司」


「それに、そんな顔するなよ。昔からの付き合いだろ?」


「でも……」


「三百二十万円だったな」


「ああ」


「分かった」


蓮司はスマートフォンを取り出した。


「俺が払うよ」


直哉は、一瞬その意味が理解できなかった。


「……え?」


「だから、その三百二十万円。俺が肩代わりする」


「ちょ、ちょっと待て!」


直哉が声を上げた。


「何言ってんだよ! 三百二十万だぞ!?」


「知ってるよ」


「そんな大金、受け取れるわけないだろ!」


「別に返さなくていいよ」


「は!?」


蓮司は、いつものように笑った。


「お前、俺の親友だろ?」


「だからって……!」


「困ってるなら助ける。それだけの話じゃないか」


直哉は呆然とした。


「お前……何でそこまで……」


蓮司はコーヒーを一口飲んだ。


「忘れたのか?」


「……何を?」


「中学二年のときのこと」


直哉の表情が変わった。



     ◇



二十年近く前。


蓮司は、決して社交的な少年ではなかった。


物静かで、あまり自己主張をしない。


誰かと争うことを好まず、目立つことを避けていた。


そんな性格が、一部の同級生には気に入らなかったらしい。


ある日、蓮司は複数の上級生に囲まれた。


場所は、校舎裏。


「おい、金持ってんだろ?」


「……持ってない」


「嘘つけよ!」


肩を突き飛ばされ、壁に背中がぶつかった。


「明日までに金持ってこいよ」


「……」


「返事しろよ!」


少年たちの笑い声が響く。


蓮司は、何も言わなかった。


抵抗しようと思えば、できたのかもしれない。


だが、そんなことをすれば余計に面倒になる。


そう考えていた。


そのときだった。


「おい!」


大きな声が響いた。


振り返ると、一人の少年が立っていた。


橘直哉だった。


「何してんだよ、お前ら!」


上級生たちは顔をしかめた。


「何だ、お前?」


「そいつから離れろよ!」


「関係ねえだろ!」


「関係ある!」


直哉は即答した。


「蓮司は俺の友達だ!」


上級生の一人が笑った。


「だったらお前も一緒にやられたいのか?」


「……!」


直哉の顔が強張った。


怖かったのだろう。


足も震えていた。


それでも、逃げなかった。


「……友達をいじめる奴を、見て見ぬふりなんかできるかよ!」


結局、騒ぎを聞きつけた教師が駆けつけ、事態は収まった。


しかし直哉は、上級生に殴られて頬を腫らしていた。


放課後。


保健室の前で、蓮司は直哉に尋ねた。


「……何で助けてくれたの?」


「は?」


「別に、助けなくてもよかったのに」


直哉は不思議そうな顔をした。


そして笑った。


「何言ってんだよ」


「……」


「お前、俺の友達だろ?」


それだけだった。


たった一言。


だが、その言葉を蓮司は忘れなかった。



     ◇



「……覚えてるよ」


喫茶店で、直哉が小さく呟いた。


「そんなこともあったな」


「だろ?」


「あんな昔のこと……」


「俺にとっては、つい昨日のことみたいだけどね」


蓮司は笑った。


「お前、あのとき凄く怖そうだったよな」


「そりゃ怖かったよ! 相手は三年生だったんだぞ!」


「それでも助けてくれた」


「……」


「だから、今度は俺の番」


直哉は唇を噛んだ。


「……そんな理由で三百二十万円も出すのかよ」


「うん」


「お前、馬鹿だろ……」


「そうかもしれないね」


直哉の目から涙がこぼれた。


「……ごめん」


「謝るなよ」


「でも……」


「親友に頭を下げられるの、あんまり好きじゃないんだ」


蓮司は静かに言った。


「困ったときは頼れよ。俺は他人か?」


「……違う」


「だったら、それでいいじゃないか」


直哉はとうとう泣き出した。


蓮司は何も言わなかった。


ただ、彼が落ち着くまで、静かにコーヒーを飲んでいた。


その日のうちに、蓮司は直哉の債務について相手方と連絡を取った。


相手は黒狼会。


すでに直哉から相当額を取り立てていたが、さらに三百二十万円を要求していた。


本来なら、支払いに応じる前に違法な請求を争うべきだったのかもしれない。


しかし蓮司が最優先したのは、直哉の家族を一刻も早く恐怖から解放することだった。


彼は要求された三百二十万円を支払った。


支払いは記録に残し、直哉に関する請求を終わらせるという確認も取った。


少なくとも、黒狼会はそう約束した。


そして、直哉には告げた。


「もう終わったよ」


「……本当に?」


「ああ。もう心配しなくていい」


「蓮司……」


「奥さんと子供たちにも、安心していいって伝えてやれ」


直哉は何度も頭を下げた。


蓮司は、そのたびに笑っていた。


だが――。


話は、それで終わらなかった。



     ◇



それから三日後。


蓮司のスマートフォンに、一本の電話がかかってきた。


相手は黒崎剛。


『神城さんよぉ、この前はどうも』


「こんにちは」


『いやあ、随分と気前がいいじゃねえか。友達の借金を三百二十万円も肩代わりするなんてよ』


「親友ですからね」


『ははは! 大した友情だな!』


「ありがとうございます」


『ところでよ』


黒崎の声色が変わった。


『橘の件なんだが、まだ終わってねえんだわ』


蓮司は黙った。


『事務手数料だの、迷惑料だの、色々あってよ』


「……そうですか」


『追加で二百万円、用意してくれねえか?』


蓮司は少しだけ目を細めた。


「先日、清算したはずですが?」


『そんなもん、俺が決めることだろうが!』


「なるほど」


『あいつにはガキが二人いたよな?』


蓮司の表情が変わった。


『かわいい子供たちじゃねえか。何かあったら可哀想だよなあ?』


「……黒崎さん」


『何だ?』


「直哉への請求は、これ以上しないというお話でしたよね?」


『だから何だよ!』


「約束を破るんですか?」


『てめえ、誰に口利いてんだ!』


電話の向こうで、黒崎が怒鳴った。


蓮司はしばらく黙っていた。


そして、静かに答えた。


「分かりました」


『……あ?』


「それなら、今度は俺に貸していただけませんか?」


『は?』


「百万円ほど」


黒崎は、数秒間言葉を失った。


『……お前、何言ってんだ?』


「融資をお願いしているんですよ」


『お前、金が必要なのか?』


「ええ。必要になりまして」


電話の向こうで、黒崎が笑った。


『はははは! 何だよ! 友達の借金を肩代わりして、自分が金欠になったってか!』


「まあ、そんなところです」


『馬鹿な野郎だな!』


「そうかもしれませんね」


『いいぜ。百万円、貸してやるよ』


「ありがとうございます」


『ただし、うちは金利が高えぞ?』


「承知しています」


『一週間後には百五十万円だ』


「そうですか」


『文句ねえな?』


蓮司は微笑んだ。


「ええ。条件は確認しました」


こうして、神城蓮司は黒狼会から百万円を借りた。


当然、黒崎は喜んだ。


親友の借金を肩代わりして、自分まで借金を抱えたお人好し。


そうとしか見えなかったからだ。


だが、黒崎は知らなかった。


蓮司が本当に怒っていたのは、三百二十万円を支払わされたことではない。


親友を追い詰めたこと。


その家族を脅したこと。


そして何より――。


一度終わったはずの話を蒸し返し、直哉から再び金を奪おうとしたことだった。


蓮司にとって、それは決して許せる行為ではなかった。


彼は、すべての人間に優しいわけではない。


困っている人間を、誰でも無条件で助けるわけでもない。


世界中の不幸を自分が解決しようなどと、考えたこともなかった。


だが。


自分の家族。


大切な友人。


そして、身内と認めた人間。


その人たちが理不尽に傷つけられたときだけは、話が違った。


蓮司は、どこまでも身内に甘い。


誰が何と言おうと、身内を優先する。


自分が間違っていると言われても構わない。


世間から批判されても構わない。


それが神城蓮司という男だった。


「……直哉を泣かせたんだ」


百万円が振り込まれた日。


蓮司は通帳の数字を眺めながら、小さく呟いた。


「それだけで、十分だよ」


その表情は、いつもと変わらず穏やかだった。



     ◇



「……おい」


佐伯の声で、蓮司は我に返った。


車内。


黒狼会の男たちが、こちらを見つめている。


「何だよ、お前。さっきから黙りやがって」


「すみません。昔のことを思い出していました」


「昔のこと?」


「ええ」


「……お前、まさか橘直哉の知り合いか?」


「親友ですよ」


佐伯の目が見開かれた。


「……ああ! 思い出した!」


佐伯が大声を上げた。


「お前、あの橘の借金を払った馬鹿か!」


蓮司は微笑んだ。


「そうです」


「はははは! マジかよ!」


ほかの男たちも笑い始める。


「兄貴、聞いてくださいよ! こいつ、友達の借金を三百万円以上も肩代わりしたんですよ!」


「うわ、馬鹿じゃねえの?」


「それで自分も金借りたのかよ!」


佐伯は腹を抱えて笑った。


「お前さあ、どんだけお人好しなんだよ!」


蓮司は黙っていた。


「友達のために三百万円払って、自分も百万円借りて、今度は自分が取り立てられてるって?」


「ええ」


「ははは! 笑えるな!」


佐伯は涙を拭った。


「橘の奴も馬鹿だったけど、お前はそれ以上だな!」


その言葉を聞いた瞬間。


蓮司の笑みが、消えた。


「……佐伯さん」


「あ?」


「今、何と?」


「橘も馬鹿だって言ったんだよ!」


「……そうですか」


蓮司は小さく頷いた。


「それは訂正していただけませんか?」


「は?」


「直哉は馬鹿ではありません」


佐伯は呆れた。


「お前、何言ってんだ?」


「彼は真面目な人間です。従業員や家族を守るために、必死だったんですよ」


「だから何だよ!」


「それを馬鹿にするのは、感心しませんね」


佐伯の顔が歪んだ。


「……てめえ」


蓮司は静かに続けた。


「俺のことなら、何とでも言っていただいて構いません」


「……」


「ですが、直哉のことを悪く言うのは、やめてください」


その声は穏やかだった。


だが、何かが違った。


佐伯は、思わず言葉を詰まらせた。


ほんの一瞬。


本当に、ほんの一瞬だけ。


目の前の男に、奇妙な圧迫感を覚えたのだ。


しかし、佐伯はすぐに怒りを露わにした。


「てめえ、調子に乗るなよ!」


男が蓮司の胸倉を掴む。


「ここがどこか分かってんのか!」


「車の中ですね」


「ふざけんな!」


佐伯は拳を振り上げた。


だが。


「佐伯さん」


蓮司は静かに告げた。


「車内で暴れると、運転手さんが危ないですよ」


「……あ?」


「事故でも起こしたら、大変でしょう?」


佐伯は一瞬、呆然とした。


何を言っているのだ、この男は。


今まさに殴られようとしている人間が、どうして運転手の心配などしているのか。


「……頭おかしいんじゃねえのか?」


「そうでしょうか」


「もういい! 着いてからたっぷり可愛がってやる!」


佐伯は乱暴に手を離した。


蓮司は乱れた襟元を整えた。


「ありがとうございます」


「礼なんか言うんじゃねえ!」


「失礼しました」


佐伯は舌打ちした。


この男と話していると、どうにも調子が狂う。


強がっているだけなのか。


それとも、本当に恐怖という感情が欠落しているのか。


まったく分からなかった。


やがて車は、大きな倉庫の前で停車した。


周囲には工場や物流施設が並んでいる。


人通りは少ない。


「着いたぞ」


佐伯が言った。


「降りろ」


「はい」


蓮司は素直に車を降りた。


倉庫の入口には、さらに数人の男たちが待ち構えていた。


屈強な男ばかりだった。


そのうち一人が佐伯に尋ねる。


「こいつが例の債務者ですか?」


「ああ」


佐伯は笑った。


「とんでもねえ馬鹿だぜ。自分から車に乗ってきやがった」


「ははは! そりゃ傑作だ!」


「おい、神城」


「はい?」


佐伯は倉庫の扉を指差した。


「ここから先に入ったら、簡単には出られねえぞ」


「そうなんですか」


「ああ。今まで何人も泣かせてきた場所だからな」


蓮司は倉庫を見上げた。


古びた外壁。


閉ざされた大きな扉。


周囲には監視するように立つ男たち。


普通なら、恐怖を覚える光景だった。


しかし、蓮司は穏やかに微笑んだ。


「……なるほど」


「何だ?」


「ここが、皆さんの仕事場なんですね」


「ああ?」


「随分と立派なところじゃないですか」


佐伯は鼻で笑った。


「まだ余裕ぶってやがる」


蓮司は答えなかった。


ただ、静かに倉庫の中へ歩いていった。


その背中を見送りながら、佐伯は呟いた。


「……本当に変な野郎だ」


倉庫の奥では、黒狼会の幹部たちが待ち構えていた。


その数、十数人。


誰もが、これから始まる見せしめを楽しみにしていた。


何しろ相手は、百万円を返さない無礼な男だ。


徹底的に痛めつければ、すぐに泣き出すだろう。


そう考えていた。


だが。


神城蓮司は、彼らの想像しているような男ではなかった。


彼にとって百万円など、どうでもよかった。


三百二十万円を肩代わりしたことも、後悔していなかった。


親友を助けられた。


その事実だけで十分だった。


ただ、一つだけ。


どうしても許せないことがある。


――橘直哉を泣かせたこと。


――その家族を脅したこと。


そして今度は、自分の妻と娘にまで手を伸ばそうとしていること。


蓮司は、倉庫の奥へと歩きながら小さく息を吐いた。


「……やれやれ」


その表情に、怒りはなかった。


焦りも、恐怖もない。


ただ、静かな決意だけがあった。


「本当に、困った人たちだな」


その呟きは、誰にも聞こえなかった。


黒狼会の男たちは知らない。


自分たちが今、どれほど取り返しのつかないことをしているのかを。


そして何より。


神城蓮司という男が、身内のためならどこまでやる人間なのかを。


彼らは、まだ何も知らなかった。



――第2話 完

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