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レムナント・クロニクル  作者: どーれた
第1章 褪せた星の出逢い
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第4話 ファースト・コンタクト

 地球は、青くなかった。

船窓の向こうに浮かぶその星を前に、リースはただ言葉を失っていた。


「これが……地球(アース)……!」


灰色に濁った大気。黒く沈んだ大地。

かつて海だったはずの場所は、光を失った染みのように星の表面へ広がっている。

大地は無残に抉り取られ、巨大な傷跡となって星の表面に刻まれていた。


「いつ見ても、酷い有様だな。大昔はここに命が溢れていたなんて……微塵も信じられない」


 その凄惨さに、ロキは顔をしかめた。


地球への着陸態勢に入ろうとした、その時だった。

ベルスの元に通信が入る。


『因子領域確認。予測値より僅かに上です。現在も微増を継続中』


「地表への漏出は」


『確認されています。すでに地表付近にも因子濃度の上昇が……』


 ベルスは正面モニターを凝視したまま、短く息を吐いた。


「こちらベルス。因子領域の範囲が想定を上回っている」


『こちら管制、確認しています。反応周辺の因子濃度等から、地表への接近は危険と判断します。通信系の干渉を考慮し、反応上空二千メートルでの滞空待機を要請します』


 ベルスはモニターを眺めながら、わずかに眉をひそめた。


「……了解。突入班のみ、脱出艇で降ろす」


 そう言うと、ベルスは通信を艦内回線へ切り替えた。


「全班、管制より通達。反応因子領域の拡大を確認。予備作戦に移行する。本艇は上空へ向かい、旧都市区画上空二千メートルで待機。脱出艇を転用し、突入班のみ反応中心付近へ降下する。

 待機班は通信と観測を継続。医療班は要救助者の受け入れ準備。救出班は本艇で待機し、突入班の帰還不能、または通信途絶時に備えろ」


「なんで脱出艇なんか使って降りるんですか? 船ごと外縁にでも降ろした方が……」


「管制の指示だ。俺もそこまでのものとは思えんが……ここで押し問答をしている暇はない」


「無茶言いますね……」


 ロキが力なく肩を落とすのを横目に、ベルスは通路へ歩き出した。

ロキに促され、リースもその後に続く。


作戦艇は航路を改め、灰色の大気圏へと突入していく。


 しばらく三人が歩くと、中央通路に出た。

展望窓の向こうに、都市の残骸が見える。

根元から折れた塔。砂に埋もれた道路。黒く焼け焦げた建造物の骨組み。

動物も、植物も、風に揺れるものさえ見えない。


ただ、死んだ星の表面だけが、どこまでも広がっていた。


リースは、目の前の光景から目を離すことができなかった。


 そのときだった。

胸の奥に、じわりとした違和感が走る。

痛みはない。

けれど、身体の内側に細い針をかけられ、見えない何かに引かれているような感覚だった。


「大丈夫か? 顔色、悪いぞ」


 ロキがすぐに身を寄せる。


「だ、大丈夫……何もないよ。ただ……」


 リースは窓の外、赤黒く滲む因子領域を見つめた。


「何かに引っ張られてるような、そんな感じだ」


「因子か……」


 ロキは低く息を吐く。


「おい、あんまり無理すんなよ。何があるか分からないんだからな」


 リースは小さく頷いた。

その一部始終を見ていたベルスは、わずかに眉を寄せる。


三人はそのまま後部区画へ向かった。


 後部区画には、地表活動用のハッチと装備ラックが並んでいた。

本来なら、作戦艇を地表へ降ろし、ここから探査へ出る予定だったのだ。

ロキとベルスが淡々と装備を身につけていく中、リースだけが、手渡された装備を見下ろしていた。


「……僕の、これだけ?」


 簡易的な防護ジャケットと、腕部に取り付ける因子測定機器のみ。

ヘルメットはおろか、酸素マスクもない。


サイカーの体内には、ダークエネルギー、この世界ではエーテルと呼ばれる宇宙物質を生命活動に必要なエネルギーへ変換する器官がある。

そのため、リースも一日程度なら無酸素状態に耐えられるとされていた。


 だが、無限ではない。

全く平気というわけでもない。


リースが不満げに防護ジャケットを見下ろしていると、横からロキがぼそりと呟いた。


「まあ、帰ってくるかも分からない部隊の持ち物を減らせるってなら、減らしたいですもんね。これ高いし……」


「ロキ」


「じょ、冗談ですよ……生きて帰らせるための装備ですからね」


「……あんたら、サイカーに過信しすぎてない?

 僕がいないと、この任務、務まらないんじゃなかった?」


 半端にジャケットを腕にかけたまま、リースは不満を漏らした。

ロキも、ベルスも、言い返す言葉を見つけることができなかった。


 装備を整えると、脱出艇の格納区画はすぐそこだった。

本来それは、作戦艇が航行不能に陥った際、乗員を退避させるためのものだ。

命を逃すためだけの、小さな箱。


「これで……降りるの?」


「流石に肝が冷えるな……」


「飛べるだけいいだろ」


 リースとロキのぼやきは、ベルスの一言でまとめて切り捨てられた。

そうして三人は、脱出艇へと乗り込んだ。


「こちら突入班、全員乗船完了」


『こちら操縦班、了解。反応因子領域上空までおよそ十分。各員、最終準備を行ってください』


 脱出艇のハッチが閉じる。

外の音が遠のき、代わりに低い駆動音が床下から伝わってきた。


因子領域に近づくにつれ、リースの鼓動は少しずつ速くなっていく。

これがただの緊張なのか。

それとも、あの赤黒い光に身体が反応しているのか。


リースには、分からなかった。




 緊張を紛らわせるようにロキと他愛ない会話を交わしているうちに、十分という時間は呆気なく過ぎていった。


『作戦艇、反応因子領域に到達。上空二千メートルで待機します』


 通信越しに、操縦班の声が響く。


『突入班、降下準備を開始してください』


「了解。外部ハッチ開放。接続ロックを解除しろ」


『了解。外部ハッチ、開放します』


 格納区画に鈍い起動音が響く。

ゆっくりと隔壁が開かれ、灰色の世界がその姿を現した。


脱出艇内のモニターには、濁った雲海が映し出されていた。

リースとロキがその光景を見つめていると、艇内に無機質なアナウンスが響く。


『接続ロック解除まで、十秒。

九、八、七……』


 降下の時が、カウントダウンによって鮮明になっていく。

リースは無意識にシートベルトを握りしめていた。


「握りつぶすなよ?お前力強いんだから」


「わ、わかってるって」


 そう返しながらも、リースの指先から力は抜けなかった。


「準備はいいな」


 ベルスの問いに、二人は僅かに頷く。


『…三、二、一。接続ロック、解除』


「いくぞ!」


 直後、衝撃が走り、リースたちの身体は、一瞬下から突き上げられたかのような振動を受けた。

後方のエンジンが点火したようだった。


「うわっ!」


 思わずリースは声を上げる。

気が付けば、さっきまで自分たちがいた作戦艇は、驚くほど小さくなっていた。


 降下していくと、次第に因子に巻き上げられた瓦礫が見えてくる。


赤黒い霞の中で、瓦礫や金属片がゆっくりと宙を漂っていた。

砕けた道路片。折れた鉄骨。かつて建物の一部だったもの。

それらが、重力を忘れたように因子領域の中を回っていた。


「あれ、どうやって行くんだろう……?」


 リースがふと疑問を漏らしロキを見ると、そこには青ざめたロキがこちらを見ていた。


「リース」


 ベルスの急な呼びかけに、リースは間の抜けた声を漏らした。


「お前、船酔いはするか?」


「え?い、いや……」


 質問に律儀に答えようとした、そのときだった。


脱出艇が大きく右に逸れた。


「うわっ――!」


 身体が固定ベルトに叩きつけられる。

視界の端を、脱出艇ほどもある巨大な鉄骨がかすめていった。


「た、た、隊長!もっと安全に……!」


「当たるよりずっと安全だ!」


 脱出艇は、赤黒い霧の中の浮遊する瓦礫の合間を縫うように降下していく。

右へ。左へ。機体が大きく揺さぶられる。

リースたちには叫ぶ暇さえ与えられなかった。


『警告。前方に障害物群』


「わかっている」


 そう言うとベルスは操縦桿を倒す。

すると脱出艇は大きく機首を下げ、ジェットコースターの如く急降下していった。


 瓦礫の山を潜り抜けると、赤黒い霧の奥にわずかに地表のようなものが見えてくる。


「っ……!」


 それと同時に、リースは胸の感覚がより強まるのを感じた。

さっきまでの細い糸の感覚とは明らかに違う。まるで誰かに直接掴まれ、引っ張られているようだった。


『前方二百。旧都市外縁部に平坦地を確認しました』


「了解、そこに降ろす。衝撃に備えろ!」


「今さらですか!」


 ロキはかろうじて突っ込むことができていた。

衝撃に備える暇すら与えず、脱出艇は逆噴射に入る。

再び突き上げるような衝撃がリースたちを襲った。

その衝撃のまま、機体は地表を叩いた。


艇内にはしばしの沈黙が流れる。

正確に言えば、操縦者を除き、ほぼ気絶していた。


『地表面確認。着陸完了』


 無機質な音声だけが、何事もなかったかのように着陸を告げる。


「無事着いたようだな。起きろ、仕事中だぞ」


「……無事……?」


「生きてるなら無事。それがウチのマナーだろう?」


 ロキには言い返す気力はない。

できることは、目の前で目を回しているリースを起こすことくらいだった。




 見渡す限りの灰色。

人の足音も、鳥のさえずりも、何一つとしてない。

ただ乾いた風のみが、寂しく吹き抜けていた。


「……静か、だな」


 ロキがぽつりとつぶやいた。


「反応まで四百メートルほどだ。通信は三分ごとに定時報告」


「了解」


 ベルスの合図とともに、三人は歩き出した。


 足元には、何かの看板らしきものが半分埋もれていた。

刻まれた文字は、リースには読めない。

古い地球(アース)語なのだろう。

かつてここに人々が暮らしていた証だけが、意味を失ったまま残されている。


進むほどに、端末の表示が乱れ始めた。

ロキの腕の端末に細かいノイズが走る。


「待機班、こちら突入班。通信状態は」


『こちら待機班……音声に……ノイズ……確認。映像……乱れ……』


 通信はすでに対話できるような状態ではなかった。


「もうこれかよ……」


 ロキは面倒くさそうに頭を掻く。


「因子の濃度も濃くなっている。この先の通信は不可能と思っていいだろうな……」


 そう言いながらベルスが後ろを向くと、そこには小さく胸を押さえるリースの姿があった。


「リース」


「は、はい」


 ベルスの声に、リースは顔を上げる


「ここから先、機器はあてにならん。お前の感覚に頼ることになるだろう。

だが無理はするな。そのための俺たちだ」


「……わかりました」


 リースは大きく頷いた。

ベルスはしばらくリースを見つめていたが、ふと別のことを思い出したように口を開いた。


「リース。確認するが、お前はカリーナ人で間違いないな」


「……え? はい。カリーナ生まれですけど……」


 唐突な問いに、リースは戸惑いながら答える。

ロキは眉をひそめた。


「当たり前じゃないですか。そういう条件で統括官にも確認はとってますし」


「なんでカリーナ人である必要があると思う」


「え?」


 唐突な質問に、ロキの声は止まる。

リースとロキは互いを見つめた。


「それは……政治的な理由とか?イルヴィアスやラフロッドの人間をこんな機密作戦に駆り出したらどちらも黙ってないだろうし……その点カリーナは中立国だし、A.R.Kの本部もありますよ、扱いやすいんじゃないですか?」


 リースも、十分納得できる内容だった。

しかし、それを聞き、リースはふと思い出した。


「思えば、そんなこと聞かされてないな……ヴェイラさんが言ってたこともサイカーが必要なことだけ……」


「そこだ。なぜ言わなかったのか」


「い、言いそびれちゃったのかもしれないですよ!統括官も、ああ見えて抜けてるとこあるし……」


「だといいんだがな……」


 ベルスはそれ以上言わず、崩れた街の奥へ視線を向けた。

それから二人を待たず、先行して歩き出す。


ベルスの低い声に、リースもロキもすぐには言葉を返せなかった。

乾いた風が、瓦礫の隙間を吹き抜けていく。

胸の奥を引く感覚だけが、先ほどよりもはっきりしていた。


「リース……」


「ん?」


「さっき隊長も言っていたように、ここから先、道しるべはお前の感覚だけだ。なんかあったらすぐ言えよ、抱え込むのはナシだ」


「……わかってるって」


「本当かぁ?お前、すぐ大丈夫って言うからな」


「心配しなくても、大丈夫だって……あ」


 リースは一瞬だけ口をつぐんだ。


「……ほら、ベルスさん待たせてる。早く行くよ。僕、道しるべなんだろ」


 そう言って、リースはベルスのもとへ駆け寄った。


「……早速言ってるし」


 ため息一つ。ロキはその背中を追った。




 リースの感覚を頼りにし、三人は進んで行く。

道と呼べるものなどなかった。

しかしリースには、瓦礫に埋もれ、朽ち果てた世界に、一本の道筋が光って見えるようだった。


「こっちだ」


 リースが向かう方向に、二人も付いていく。

やがて、一つの構造物の前に、三人は足を止めた。


 見た目は、他とそう変わらない。朽ち果てた大昔の建造物だった。


「ここが、反応原点……なのか?」


「普通の扉っぽいですけどね……風化してないのはすごいですけど」


 ベルスとロキは身構えたぶん、少し拍子抜けしたようだった。


「だが、ここが本当に反応原点なら、より注意して行くべきだ。帰らなかった奴らを忘れるな」


 ロキは深く頷く。

しかし――


「この先だ」


「ん?」


「この先から、聞こえてくる……」


 そう言いながらリースは、吸い寄せられるように扉へ手を伸ばした。


「リース!」


 ロキの声に、はっとする。

その瞬間、リースの指先が、わずかに扉に触れた。

すると、鈍い駆動音があたりに響く。

朽ちていたはずの扉に細い線が伸び、複雑な文様となって扉全体へ伸びていった。


「な、なんだ!?」


「下がれ!」


 ベルスの声が飛ぶ。


リースは慌てて手を引く。しかし、扉の線はとどまることなく、ついに扉の頂点部分で一点に収束し、光線を射出した。

光はリースめがけて一直線に走り出す。


「っ――!!」


 リースは反射的に目をつむり、顔をそむけた。

そうしてその光はリースの身体をなぞるように走る。

だが、どうやらそれは攻撃ではないようだった。


「リース!」


 ロキが慌てて駆けつける。


「無事か!?」


「……うん。これ、攻撃とかじゃないみたいだ。生体ゲートの光とよく似てる」


「一種の認証のようなものか?」


 ベルスが扉をにらみながら呟いた。

すると突然、扉の奥から聞いたことのない機械音声が響いた。


『――■■■■■■……■■■■■■』


 三人は一斉に扉の方向を向いた。


「なんだ?言葉……なのか?」


「……これって……もしかして地球(アース)語じゃ……」


 二人の動揺をよそに、リースはただその言葉かもわからない声を聞いていた。

すると、扉に走る文様が青白く変わった。


『■■■■■■。■■■■■■――』


 再び意味の分からない音声が途切れる。

同時に、リースの身体をなぞっていた光が、扉へと引いていった。


「なんだったんだいったい……」


「分からない……けど、認められたみたいだ」


 リースの言葉に、ロキは理解しかねる。

しかし直後、その言葉を裏付けるかのように、重い扉が、鈍い音を響かせた。

積もり続けた砂埃が、足元で小さく舞い上がり、軋むような駆動音が、朽ちた街の静寂を震わせる。


千五百年ものあいだ閉ざされていたはずの扉が、ゆっくりと開いていった。


「……開いた……」


 ロキは開いた口を閉められなかった。


「……この先が、反応原点……」


「……行きましょう。この先に、因子の源が……」


 リースの声に促され、二人は我に返る。

三人は、千五百年前の足跡へ、踏み込んでいった。


 扉は、重い音を残してゆっくりと閉じていく。


 その上空を、黒い影がひとつ横切った。

灰色の空に紛れるほど小さな影。

鳥のいないはずの空を、羽ばたきもせず、音もなく漂っている。


赤黒い霞の中で、単眼のレンズがかすかに瞬いた。

重い扉に入る三つの背中を、その目に映す。

観測も、通信もできぬ地で、かすかに“それ”は見ていた。




 扉の中に広がるのは、あまりにも現実離れした空間だった。

朽ちた街も、灰色の砂も、赤黒い霞もない。

白銀の壁。

床に走る淡い光。

傷ひとつない通路。

A.R.Kにも似た、整然とした廊下が、そこにはあった。

リースたちは、無意識のうちに、足を完全に止めていた。


「こ、こんな場所が、あっただなんて……」


「し、信じられねぇ……千五百年前の代物……なんだよな……?」


 外に広がっていた死んだ星の景色が、嘘のようなその光景に、三人は目を奪われる。

だが、リースの視線はやがて廊下の奥で止まる。

白銀の壁の先に、縦長の扉が一つあった。


「あ、あれって……エレベーター?」


「確かに、そう見えるな……」


 リースはその場からいち早く抜け出し、エレベーターの方に歩いて行った。

二人も追うようについていく。


 ロキが扉の前に立つと、壁面に淡い光が走った。


『■■■■■■』


また、意味の分からない言葉の羅列が響く。


「うーん……エレベーターとか書いてあんのかな?」


 そうやってロキが扉とにらめっこをしていると、どこからか音が鳴り、扉が開いた。


中は、エレベーターだった。

床も壁も白銀に覆われ、中央には読めない文字列が淡く浮かんでいる。


「……下だ」


 リースは、ほとんど無意識に呟いた。


「この下から、聞こえる」


 そう言いながらリースはエレベーターに乗った。

不安がるロキを尻目に、ベルスも足を踏み入れた。


「乗るしかない……か……」


 ロキが意を決して乗り込むと、待っていたかのように扉が静かに閉じた。

次の瞬間、エレベーターはゆっくりと下降を始める。


 どれほど降りただろうか。

不意に、下降が止まった。


扉の向こうから、白い光が漏れる。


『■■■■■■』


 短い地球語の音声。

それを合図に、扉が開いた。


 その先にあったのは、広い部屋だった。


白い壁。

青白い光を帯びた床。

そして、部屋の中央に置かれた透明なカプセル。


 リースは、息を忘れた。

胸の奥を引いていた感覚が、そこでふっと途切れ、代わりに、痛いほどの静寂が訪れた。


そこには、少女が一人。


祈るように、眠っていた――。

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