出会いは突然に2
本日は短めです。
いつものように少しだけ森に入った場所を進んでいた。
魔物除けの効果もあり弱い魔物には出くわすこともなく無事にアジトに帰れるはずだった。
が、どんなときでもイレギュラーは発生する。
一つ、魔物除けの魔力が減っておりこのタイミングで効果が切れかけたこと。
一つ、最深部にいるはずのフェンリルがなぜか少しずつ場所を移動していること。
一つ、フェンリルの気配に気づいた中層の魔物が見つからないように少しずつ外縁部に移動していること。
一つ、中層の魔物の移動に気づいた弱小魔物がパニックになって外縁部に向かったこと。
そんな不幸が重なり出会ってしまい盗賊と魔物の戦闘が開始された。
通常ならたとえ出会ったところで弱い魔物。盗賊団に実力と人数であれば問題なく勝つことができた。
しかし、パニックになった魔物の数は多く、また弱い魔物の中でもランクが少し高めの魔物なども混ざっておりあっという間に蹂躙された。
(リリー様、リリー様だけは何としても助けなければ)
リリーとともに連れ去られた女性は必死に思考を巡らせる。
周囲では魔物と戦う盗賊たちがいるが、どんどん倒され捕食されている。
もちろん連れ去られた他の女性や子供たちも襲われていた。
自分は馬車の荷物の陰にどうにか隠れたが見つかるのは時間の問題だろう。
「リリー様、ここでお別れです。
おそらくご家族にはお会いできないと思います。いえ、お会いしてはなりません。
この国で幸せになってください。
いいですか、何があっても声を出してはなりません。じっと、危険が去るまでじっとしていてくださいね。1歳になったばかりのリリー様を置いていくのは心配ですがリリー様にお会いできて、お育てすることができて幸せでした」
そう言って荷物の奥に押し込み更に布や木箱をその前に置いていく。
(いや、幸せになるとか無理じゃね?今1歳になったばかりって言ったよね?こんなところに置いて行かれても生き残れませんけど
1サイヒトリジャナニモデキナイ)
まさかまだ何もわからない、やたらとおとなしいだけの赤子だと思っていたリリーがこんなことを考え遠い目をしていたことには気づかず、その女性は25年の人生を終えたのだった。




