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異世界ポイント生活 ~幼女になって世界を守ります~  作者: グリゴリグリグリ
『時間の概念があると大変なんだね』
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第75話

 ワタクシ、ある日思ってしまいました。

 時間がアホみたいにあるのなら時間をかける趣味なんか良いのでは、と。

 そこで思いついたのが釣りという趣味です。川を眺めている時に思いついたのですから、釣りになるのも当然の帰結です。

 ワタクシはこれまで釣りをしたことはありません。それなのにこうして釣りをしてみよう、と思えたのはやはり、最近趣味を開拓しようと色々やっているからでしょうか。

 釣りでなくとも魚関連であれば、アクアリウム、金魚を飼ったりするのもおもしろいですね。しかしポチに加えて鶏達もいることですから、これ以上生き物を増やすことは止めにいましょう。

 鶏達のお陰で卵と――やったことはないですが鶏肉も――野菜は自給自足できています。

 これで魚も獲れるようになったら全部自分の島で賄うことができるでしょう。


「それで、私に相談してきたわけか」

「はい。養殖するための生簀とまではいきませんが、釣りができるくらいの小さな池は作れませんかね?」


 いつものベンチで神様と一緒に地上を眺めています。

 初めて神様と出会った時は警戒していたポチも、今ではすっかり懐いていてワタクシではなく神様の足元に寝そべっております。

 悔しい話ではありますが、恐らく神通力的ななにかを使ったのでしょう。

 そうでなければ、唸っていた犬が五秒後には腹を見せて服従する、なんて光景はあり得ないでしょうから。


「できるけど今の島の広さじゃちょっと心許ないよね……。高くなるよ?」

「今ある分で賄えるなら構いませんわ」


 ワタクシにはいくらでも時間があるので、ポイントも言うなればいくらでも稼げるわけです。どうせこの世界はいつまでも脅威に晒されるでしょうし。

 なのでポイントをいくら使おうと問題はありません。

 今まで、期間限定で交換できる景品が変わるとか交換できなくなるとか、そういうこともありませんでした。

 ちょっと神様としては制度に問題があるのでは、と思わなくもないですが、互いに協力者ですのでいがみ合うことはないでしょう。

 それならばポイントだとかもなくしたらどうか、とも思いますが流石にそれは無理でしょう。


「どうせならもっと広くして色々増やす? ついでだしサービスしちゃうよ」

「それも良いですが……あまり島が広くなると風情がないですわね……」


 空に浮かぶ小さな島に隠居した老魔法使いが暮らしているのが、ファンタジー的でおもしろいのです。そこに主人公が旅のアドバイスを聞きに来る。ゲームのお約束です。

 ワタクシは隠居もしていませんし老人でも魔法使いでもありません。

 しかし雲の中の小さな島で、ひっそりと自給自足して暮らしている、というシチュエーションが好きなのです。

 自分から池を増やせと言っておきながら我儘ですが、なんでも良いわけではありません。


「面倒だねぇ……」

「手間を取らせますわ」

「アマルちゃんにはお世話になってるし良いけどさ」


 このままでは本当に小さな、それこそ水溜まりくらいにしかならない池しか作れないでしょう。

 釣りをできるくらいの池を作るには、今ある土地を整理しなければなりません。

 今島にあるのは、島の端にある小さな港。これはこの島に誰かが訪れた時のために用意している物ですが、誰一人として尋ね人はいませんので雰囲気作り以上の効果はありません。しかし雰囲気が大事なのでこれを失くすくらいなら島を広くします。

 そして港から家まで続く細い道。これはどうしようもありません。

 鶏小屋と鶏達のための運動場も小さくすることはできないでしょう。ワタクシのために鶏達に負担をかけるのは少し違うと思います。

 家もまた、ここからまた小さくするのは大変です。

 と、なれば畑を小さくするしかないでしょう。

 改めて見てみると、七種類くらいを一度に植えられる大きさの畑と、小さくとも三本の果樹があります。流石にこれは多すぎます。家庭菜園にしてはやりすぎです。


「了解。じゃあ畑を小さくするね」


 神様が手を振ると、畑全体がグッと縮み、半分くらいの大きさになりました。


「収穫できる野菜は収穫しておいたから」


 と、ニンジンが傍で小さな山になっていました。

 畑のついでにレモンの木も抜かれていましたが、大好きというわけでも料理に使いやすいわけでもなかったのでそこは問題ありません。


「うーん……」


 そのまま池を作れば良いと思うのですが、神様は悩んでいるようです。ふざけて見えて、こういうところはちゃんとしているのでワタクシは待つだけです。

 やがて、頭の中の設計図が書き上がったのか、神様は再び手を振りました。

 すると、家の裏手にあたベンチがふよふよと浮いて、新たに空いたスペースに置かれました。その途中で背もたれが取り払われました。

 外周側に置かれたベンチ。そしてそれよりも内側に一瞬で池が現れました。

 丸く小さいですが、ちょっと覗いても底が見えません。相当に深いようです。


「これなら釣りもできるし景色も楽しめるよね」


 背もたれがなくなっているので、景色を眺めて気が向いたら反対側に体を向ける。中々に良さげです。


「深いみたいですが落ちても大丈夫ですか?」

「この池はこの世界のあらゆる海、川、湖に繋がっているんだよ。テレポートと同じ仕組みで、釣りたい場所をイメージすることでそこの魚を釣れるんだ」

「ただボーっとしたい時は?」

「適当な湖に繋がるようになってるから魚は釣れるよ。一応、落ちないようにね」


 見るからに淡水ですが、この池から大きなマグロなんかが釣れたとして、それはちょっとどうなのでしょうか。

 まぁ、気にするようなことではないでしょう。

 世界中の水場に繋がっているので落ちたら危ないのでしょう。ポチが入らないように言い聞かせておかなければならないでしょう。

 それより、


「とりあえず釣ってみようか」

「わかってますわね」


 餌と釣り竿は神様がサービスしてくれるようです。

 さてさて、釣りとはいったいどういう感じでしょうか。


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