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異世界ポイント生活 ~幼女になって世界を守ります~  作者: グリゴリグリグリ
『これはこれは……ちょっと申し訳ないねぇ……』
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第22話

 ミラー教国軍の基地は町の端にありました。

 すぐに町の外に出ることができて都合が良いということでしょうか。昨日、ワタクシが通った入口よりも数倍大きな門があり、分厚い鉄格子と木の扉によって固く閉ざされていました。

 有事の際にはあそこから出動するのでしょう。

 町の反対側へ行くには、町中を走るよりも外から回った方が早そうです。

 ワタクシはと言うと、基地から少し離れた城壁の上から、双眼鏡を使って基地を眺めていました。

 背の高い壁ですから、伏せっていれば見つかることもないでしょう。早朝なので人の目もあまりありません。

 軍人も聖職者とほぼ同等の生活をしているようで、朝早くから冷水で身を清めている姿が多く見られます。そしてそれが終わると全員、一際大きな建物の中へ入って行きます。

 その中にマイクの姿はありませんでした。

 時刻を告げる鐘の音が鳴り響き、それからしばらく基地に動きはありませんでした。

 宗教国家ですから、あの建物は教会か何かでしょうか。朝の祈りの時間でしょうか。それが終わるとゾロゾロと兵士達が出て来て、それぞれ訓練をしたり町で立っていたパトロールの兵士と交代したりしていました。

 しかし、


「見つかりませんわね……」


 マイクの姿は一向に見つかりません。

 軍の中で一番のお偉いさんと言うことで、仕事をしている建物もそれらしい場所かと思っていましたが、教会を除くとそれ以外の建物はどれも似たり寄ったりです。

 他の町にいるのでしょうか。考えられるとしたら首都の方です。

 聖職者しか滞在できないという話ですが、軍のトップであればそれだけの地位を与えられてもおかしくないでしょう。

 そもそも、朝のルーティンを見るだけで、軍人もまた聖職者と変わらないというのはわかります。

 首都は双眼鏡を使えば見られる程度の距離しかありません。

 元々大きな国でもなく、首都は大きな山の麓にあります。山の中腹に総本山があり、山をくり抜いて作り上げた巨大な像があるみたいです。

 観光気分で行ってみましょうか。




 手続きが面倒なのでそのまま壁を降りて町の外へ出て、首都に着いた時も壁を乗り越えることにしました。

 道中、魔物に襲われることもなく、幸いにも壁を越えた所を誰かに見られることもありませんでした。

 そのまま壁の上を歩きながら町の様子を探ります。

 町を行く人々は誰もがうつむきがちに歩いており、必要最低限の会話しか行われていないようで、町全体がとても静かです。

 パトロールの兵士にも警戒しているようなピリピリとした雰囲気は感じられません。場所が場所で訪れる人が人だけに、何か起こるとも考えていないのでしょう。

 お陰様でワタクシのことが気づかれた様子もありません。

 このまま教会の方へ向かうことにします。

 ミラー教国の首都は山を背にして半円状に広がる地形です。一般の人達は麓までしか行けず、そこから先の山の方は聖職者のみです。

 マイクが居るとしてもそちらの方なのは明らかでした。


「しかし……何をしているのかわかりませんわね……」


 いかにも聖職者然とした人達があっちへこっちへ動き回っています。ほとんどが若者であることを見ると、聖職者の中でも下っ端の方達なのでしょう。

 ここにあるのは基地と言うよりは警備のための詰所のような建物だけ。そこを見ていても出入りするのは兵士のみで、マイクが居る様子もありません。

 流石に建物の中に入るわけにはいきません。できることと言えば建物と建物を移動するところを観察するのみ。

 その行き交う人の中からマイクを探すというのも、大変な作業です。

 しかしそれ以外に何かできるわけもなく、ただ眺めることしかできません。

 そのままいくらか時間が過ぎました。朝早くに宿を出ましたがいつの間にかもうお昼を過ぎています。少しお腹も減ってきました。

 長い時間、このエリアを見張っていた甲斐があってついに、マイクの姿を見つけることができました。

 銀の鎧を着込み、大きな剣を腰に下げています。そして隣を並んで歩く、司祭らしき老人と共に、何だか神妙な顔をしていました。

 言葉を交わしているようですがここからは聞き取れません。明らかに楽しい会話をしていないのはわかりますが、他の人達のような真面目な顔と言うよりは、どこか緊張しているような表情です。

 片方だけならまだしも、両方がそんな表情をしているのは気になりました。

 司祭様には似つかわしくない兵士の詰所に二人は入って行き、すぐに中に居た兵士達が慌てるように出て来ました。

 詰所の中には二人きり。良くない会話をしているのは明らかでしょう。

 ワタクシは意を決して、その詰所の裏手に降りることにしました。


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