第18話
場所は変わっていつもの泉。
リリットが雇っていた冒険者達はあまりにもしつこく、結局町を出ることにしました。
ターゲットも殺したのですからちょうど良いでしょう。
「神様!」
「はーいはい。お疲れ様」
泉に向かって呼び掛けると、光り輝き、神様が現れました。
綺麗な女性の姿をしていますがこの前もこの姿だったでしょうか。そうだったような違ったような。それでも自然と神様だと思えるので、神様であることは間違いないでしょう。
ワタクシのそんな違和感も神様にとっては些末なことのようです。
「見てたよ。随分と無茶をしたようだね」
「ええ。少し相手の力量を見誤っていましたわ」
全員をボリスと同じ程度に考えていましたが、あの場に居たのはビビりのリリットが認める程度には実力のある冒険者達です。ボリスと比べる方がおかしかったでしょう。
店を出て街中を逃げに逃げても追いかけて来る冒険者達。
「あんなに忠誠心があるとは思いませんでしたわ」
「大事な雇い主なんだから恨みで追いかけてたのかもね」
それにしても、な話です。
ワタクシを痛めつけたところで鬱憤が晴れるだけでリリットが戻って来るわけではありません。
そもそも、こんなに可憐な少女を数人がかりで追いかけ回すだなんて、どっちが悪役かもわかったものではありません。
もう少しゆっくりしたかったのに当てが外れました。
「それで、今回はポイント交換する?」
「いえいえ。使い道を考える暇もありませんでしたのでとりあえずは残しておきます」
「了解」
二ポイントあれば大抵のことはできた気がします。
やはり魔力を増やしてもらうのが一番な気もしますが、単純な身体能力を更に伸ばすという手もあります。
もしかしたら他にも魅力的な物があるかもしれません。
宿屋のベッドにに寝転がってゆっくり眺めたかったですが、冒険者に追いかけ回されたのは痛手してたね。
「じゃあとりあえず、次のターゲットの情報をあげるね」
神様がそう言うと、空中から二枚の紙がひらひらと落ちて来ました。
そのどちらにもターゲットの情報が書かれていて、そのどちらもワタクシが滞在していたアークの町とは別の地名が書かれていました。
「二人、ですか?」
「どっちも大したことはないからね。あんまり焦らなくて良いけど放っておくのも勘弁してよ」
前に、貰えるポイントが多いほど世界に悪影響を与えると言っていました。
今回は一ポイントと二ポイントですので、大した影響は与えない人達なのでしょう。
ずっと放っておいたら貰えるポイントも増えていくのでしょうか。そんなことを考えてしまいましたがすぐに頭から追い出します。
「もうこの世界にも慣れただろうし、上手くやってね」
「適当ですわね。神様を呼べるような魔力濃度の高い場所はどうやって探せますか?」
元々魔法なんか使えなかったワタクシですので、魔力の濃度がどうのこうのはわかりません。
この泉も、魔力濃度が高いと感じているわけではなく、単純にこの場所に来れば神様が呼べる、と覚えているだけです。
「魔力を感じ取れば良いんだけど、レーダーで簡単に探すこともできるよ」
「……そのレーダーとは?」
少し嫌な予感がします。
「一ポイント」
やはりそうでしたか。
思わずため息が出てしまいます」
「お願いいたします」
「はいはーい」
気の抜けた返事と共に、ワタクシの体が光に包まれました。
意識を集中させると、この場所の魔力濃度が高いのだと直感的に理解できました。その意識を広げていくと、いくつか似たような場所が見つかります。
しかし神様なのに人の足元を見るだなんて性格が悪すぎます。
魔力を感じ取る練習だって簡単ではないでしょうから、交換せざるを得ません。
「……また近い内に来ますわ」
「あれ? 何だか機嫌が悪くなった?」
「説明が必要でして?」
笑っているところを見ると、ワタクシが何で不機嫌になったのかちゃんとわかっていそうです。
まぁ、神様なのですからそれくらいは当たり前でしょうか。
「そうそう、一つ聞きたかったんだけどさ、どう? この見た目。色んな人を参考にしてみたんだけどちゃんと綺麗な女の人になってる?」
「……綺麗ですわよ」
「反応薄いなぁ」
付き合っていられません。
さて、この二人のターゲットは、どっちの方が楽でしょうか。
とりあえずこれで第2章完結です!
これまでは物語の雰囲気だとかを掴ませる程度のジャブ、序章くらいの気持ちでしたが次の章からは物語を動かしていこうと思いますのでお楽しみに!
感想やブックマークをいただけますと作者は噎び泣きます。
厳しい意見はゆっくり噛み砕いて吸収しますのでお手柔らかに。




