表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ポイント生活 ~幼女になって世界を守ります~  作者: グリゴリグリグリ
『だから言ったのに……後始末は自分でね』
102/117

第101話

 二千ポイントものターゲットなんて初めてです。

 ポイントは強さではなく世界に与える影響の大きさで決まります。ナザが千三百ポイントでコンロ―が七百ポイント。七百の時点でも前代未聞ですのに、千を超えるとは化け物かなにかでしょうか。

 他のどのターゲットよりも優先しなければなりません。

 ワタクシももうこの世界で暮らして何年も経ちますから、この世界にも愛着が沸いています。世界が滅ぼされるようなことは防がなければなりません。

 そのためにやることがいくつかあります。それは神様に協力してもらわなければ。


「神様……神様」


 池のほとりにあるベンチに腰掛け、呼びかけます。

 ワタクシの声にすぐ反応して、いつの間にか神様は隣に座っていました。


「……どうかされましたか?」


 いつもの神様は笑いながら登場し、毎度毎度姿を変えていました。しかし今回は前回見たままの男性の姿で、表情もムスッとしていました。

 そしてなにより、どす黒いオーラのような物が見えています。声をかけるのを躊躇ってしまうほどです。

 こんな風になったのは後にも先にも一度だけ。その時のことが思い出されます。


「昔、君が唯一ターゲットを見逃したい、って言った時があったよね」

「……えぇ。ワタクシも丁度そのことを思い出していましたわ」

「ならわかるよね?」


 ゾワリとプレッシャーが増しました。

 これはかつて赤ちゃんがターゲットに選ばれた時、流石に殺せないから見逃したいと神様に言った時と同じです。

 背筋を冷や汗が流れ、手汗で拳が滑ります。思わず、四次元ポケットから大剣を取り出して切りつけてしまいたくなるような、そんな変なことまで考えてしまいます。そんなことはしませんし、こんな思考も神様に読まれているのでしょうが。

 これだけ怒っていてわざわざ昔の話を出して来たということは、あの赤ちゃんと今回の二人は無関係ではないのでしょう。


「まさか……あの赤ちゃんが大人になって……?」

「その通り。君が殺せないと言って見逃したあの赤ちゃんがナザ・マクス。コンロ―・マクスに育てられて思想に染まったみたいだね」

「でも……そんな……」


 ワタクシはその両親に対して、赤ちゃんが将来、世界を脅かす存在になると警告しました。

 子育てのことはよくわかりませんが、しっかりと気を付けて育てれば世界を脅かすような存在にならないはずです。

 とは当時思ったものの、これまで何人もターゲットを殺して来ましたが、全員が全員、変な育ち方をしたわけではないでしょう。今回は単に、ワタクシの認識不足と言いますか、読みの甘さが招いた事態でしょうか。


「君に忠告を受けてから三年後に赤ちゃんを捨てたみたい。多分、プレッシャーになったのかもねぇ……」


 表情だけはニヤニヤと笑いながら、それでもプレッシャーは僅かにも引っ込めません。


「だとしても、その時点でターゲットに指定すればよかったのでは?」

「それはそうだけど、私からアマルちゃんへのいじわるだと思って」

「まったく……」


 神様は自分自身の手でターゲットを殺すことができます。だからこそ、ワタクシが苦労するギリギリまで放っておいたようです。

 最悪、ワタクシが死んだとしても神様にとってはまた新たな協力者を探すだけですから、そうなったとして痛くも痒くもないでしょう。

 なので嫌がらせでターゲットも放置できますし、ワタクシがどうなろうと構わないのです。


「わかりました。ワタクシが全部悪いですから、せめてこちらを威嚇するのだけは止めてもらえますか? 正直、生きた心地がしませんわ!」

「そう? これも僕からの嫌がらせだと思ってよ」


 なんとか神様は普段のペースに戻ってくれました。

 バレないように息を吐き出しますが、きっとこれもバレているのでしょう。本当にやりにくいことこの上ないです。

 プレッシャーがなくなればいつもの神様です。ワタクシに断りもなく池に釣り糸を垂らし始めましたが、普段通り過ぎてむしろ好ましいくらいでした。


「それで、今日はなんのために呼び出したのかな? 一応、他のターゲットよりもあの二人を優先してね」

「それはもちろん。そのために欲しい能力があるのです」

「ポイントで賄える奴かな? どんな能力が欲しいの?」

「古代語理解です」


 コンローが魔法を使う際に使っていた言葉は恐らく古代語でしょう。言葉の壁がないこちらの世界で意味の分からない言葉となれば、古代語か本当に意味のない言葉かのどちらかです。

 後者だった場合はどうしても意味を読み取れないので諦めるしかありません。

 古代語理解が交換リストの中に入っているのは随分前から知っていましたが、最初は必要ないと思っていました。

 これまでは古代人と接する機会がなかったので必要ありませんでしたが、わからないものです。


「それくらいならすぐだね。一ポイント」


 神様がワタクシの頭に手をかざし、たったそれだけで終わりました。

 これで古代語が理解できるようになったと言われても実感はありませんが、神様から能力をもらう時はいつもこうです。


「それで、これだけで終わり?」

「後は一つだけ。ワタクシの友達がどこにいるのか探して欲しいのです」



残り数話……いつの間にかこんなところまで……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ