模擬戦
俺はモミジと模擬戦をしている。モミジの戦闘スタイルは俺と似ていて短刀と格闘で相手を追い込んでいくスタイルだ。もっともモミジの場合は道具も駆使するから全く同じではないのだが。
「よっと」
「甘いです!」
モミジの徒手空拳のレベルはかなり高い。肉弾戦なら間違いなく他の二人より強い。
「やべ!」
「そこっ!」
モミジの短刀が俺のダガーを弾く。しかしこれは囮で本命は胴回し回転蹴りだ。
「ぐっっ重い!」
そのまま俺はラッシュ状態に持ち込む。このまま押し切れるか…と思った所で腕を絡められ投げられた。
「ごっはぁ!」
「僕の勝ちですね!」
「また勝ち越されたか…」
モミジに限らずヴァルキリーの三人は本当に強い。共通して戦闘センスが抜群である。もちろんスキルを発動させれば負ける気はしないが…俺のスキルはチートであり、極端に言えば身体強化なので実力の底上げをすることは必須である。
「だらしないですね!ジェイドは!私ならスパッですよ!スパッ!」
「いや、模擬戦だからこれ。」
サクラは刀を使う。この世界にも居合があり、サクラは居合の使い手だ。あの性格で心を落ち着かせて居合を放つというのが謎ではあるが…
「ふっ!」
「ちぃっ!」
あちらではカエデとホワイトファングのリーダー、クレストンが模擬戦をやっている。カエデは一般的な騎士スタイルだが、一番の努力家でその実力はクレストンも認めている。
「お腹減りました!ご飯にしましょう!そうしましょう!」
サクラがうるさい。
「お肉がいいですね!美味しいお肉が食べたいです!」
「ふぅっ…うちのリーダーがうるさくてごめんなさい。」
「いや、サクラがいつも通りで安心したよ。」
どうやらクレストンもディアッカの件でヴァルキリーを気にかけていたらしい。
「さぁ!終わりましたね!食べに行きましょう!さぁ早く!」
「…サクラってマイペースだよな。」
何を今更。ちなみにサクラは早食いで大食いだ。あの細さでよく食べるから初見で奢ろうと近づいたヤツは痛い目を見る。
俺達はギルマスと用があるらしいクレストンと別れ街に出た。
「ジェイド!頭両手に華ですよ!」
「頭ってなに?」
「両手が塞がったら頭でしょう!足だったら挟むことになってしまうじゃないですか!」
サクラが意味のわからないことを喋っている。ちなみに無視しても喋るから実はあまり相手にしなくてもいい。
「カエデとモミジは何が食べたいんだ?」
「私はコメがいいですね。」
「僕はスープかあれば…」
なかなかバラバラだ。歩いていると王都で今、話題の店の前を通ってしまった。




