解放
「ジェイド!まだ終わっていないぞ!」
セスが吠えた。確かに悪魔の気配はまだある。
「ふーん。まぁ合格かな。」
磔になっていたクレストンの遺体が喋った。遺体に魔力が集まると黒く染まっていく。
「力は見せてもらったよ。なかなかだねぇ。」
「悪趣味だな。遺体をもて遊ぶとは。」
「おもちゃって言っただろ。」
クレストンの遺体がドス黒い気配を漂わせている。
「さぁここからが本番だ。」
悪魔は磔から降りると笑顔で言った。瞬間、フレイヤが吹き飛ばされた。蹴られたのだ。
「フレイヤ!くそっ!」
「ジェイド!フレイヤを頼む!」
セスが悪魔に向かう。俺はフレイヤの所へ向かった。
フレイヤは生きていた。だが…
「フレイヤ!大丈夫か!」
「くっっ!あぁ生きてるよ。」
骨が何本か折れているのだろう。呼吸が苦しそうだ。血も吐いている。
「私は大丈夫だ。セス様を…」
「わかった。おとなしくしてろよ。」
俺はフレイヤをそのままにセスと悪魔との戦いに加わった。
「ふふん。神獣か。」
「なにが可笑しい!」
「そこまで強くないのだなと。」
悪魔がセスを蹴り飛ばす。俺は悪魔に斬り掛かった。
「貴様がジェイドか?この男の記憶に残っていたぞ。」
「そうだ!お前はここで殺す。」
「この身体はクレストンとかいうヤツのものだな。なるほど…ローサか…最後に殺した女だな。」
「それがどうした!」
「どうやら好意を持っていたらしいぞ。知っていたか?」
「うるさい!死ね!」
俺は黒刃で首を落とした。
「くくく。どうした?怒っているのか?」
「うるさいと言ったが! 」
俺は首の方を見てしまっていた。残った身体が俺の足首を掴んだ。
「くそっっ!」
悪魔は俺の足首を掴んだまま跳び上がった。そしてそのまま地面に叩きつける。
「ぐはぁっ!」
黒服を発動していても衝撃が抜ける。これはまずい。
悪魔の身体は落ちていた首を持つと元通りにつけ直す。
「さてこれで終わりか。つまらんな。」
「まだだっ!」
俺は立ち上がる。まだダメージが抜けていない。目の前が揺れている。
「ではお前から殺」
セスが神獣になって悪魔に飛びかかる。
「ジェイド!時間を稼ぐ!立て直せ!」
俺は返事をしなかった。ダメージを抜くために黙想する。
頭の中にホワイトファングの連中との思い出が浮かんでくる。最後に会ったのは焼肉屋でだったな。本当に楽しかった。ちゃんとお別れするためにヤツを殺さなくては。
俺は再び戦いに戻った。これで終わりにするために。
「セス!離れてろ!解放する!」




