おもちゃ
俺とセスはギルドの前にいた。フレイヤを待っている。早く行きたいという気持ちを抑えなんとか冷静さを保つ。
「ジェイド…落ち着け。」
セスに言われてしまった。普段なら俺がセスに言うようなセリフだ。
「待たせたな。」
フレイヤがやって来た。
「ホワイトファングが襲撃を受けた場所までどのくらいだ?」
「歩きだとニ日くらいか…」
「二人なら我が乗せてやる。昼には着くだろう。」
セスが光に包まれた。神獣形態である。
「乗れ!とっとと行くぞ!」
「あぁ!」
「歩きながら作戦でもと思っていたのだがな。」
「作戦もくそもないだろ。絶対に殺す。」
「スキルを使って行く。戦闘は任せたぞ。」
セスは雷を纏い走り出した。俺達はセスに必死で掴まった。
しばらくするとセスが速度を緩めた。
「近いぞ!ここからは歩こう。」
俺とフレイヤはセスから降りた。少し先に荒れた場所があった。とりあえずそこまで行こう。
「これは…ブレーザー…」
「この装備は…クインか?」
俺達はブレーザーだったモノとクインらしき残骸を見つけた。
「一方的に蹂躙されたようだな。」
酷い臭いがしていた。
「クレストンとローサはどこだ?」
しばらく歩くとクレストンらしき遺体が木に磔になっていた。ふざけやがって…クレストン、全てがおわったら弔ってやるからな。
「ジェイド!あぁわかってる!」
殺気を感じる。
「お、やっと来たか!」
人間体の悪魔がいた。そして隣には裸のローサがいた…
「お前らが遅いからこの女と話してたんだよ。」
ローサは目が虚ろだ。
「てめぇ!ローサを解放しろ!」
「解放?あぁわかったよ!」
悪魔がローサを殴った。そこにローサはもういない。ローサだったモノが散らばっていた。
「くはははは!脆いおもちゃだぜ!」
俺が動くより先に小さな炎が悪魔に向かって放たれた。
「もう喋るな。」
フレイヤのスキル「圧縮」だ。魔力を圧縮して放つ。それだけだが威力は凄まじい。
「セス様!離れてください。私とジェイドで仕留めます!」
「黒服黒刃!」
「油断するなよ!」
「おや?全員でやらなくていいのかな?」
悪魔はほぼノーダメージだった。
「うるせぇよ!行くぞ!フレイヤ!」
俺は悪魔に飛び掛かった。斬っていくそばから再生していく。いつも通りだ。だが、
「ジェイド!」
「あぁ!」
「絶対氷域!」
「ふん!なにっっ!」
バキバキと音を立てて悪魔が凍りつく。
「終わりだ。」
俺は悪魔を砕いた。悪魔はどんな手を使うかわからない。なるべく早く戦闘を終わらせなければいけない。
「呆気なかったわね。」
「どうだかな?これで終わりだといいが…」




