後悔
貴族依頼は順調に進んでいた。俺達、ホワイトファングはゴールドランクパーティとして実績を積んできた。上手くいかないことも勿論あったが少しずつ前に進んできた。そんな感じだった。
「今日はこの辺りで野宿にしよう!」
「はぁ〜疲れた…お風呂に入りたい。」
クインは育ちがいいので野宿は苦手だ。
「そういえばジェイドの家ってお風呂あるらしいですよ〜」
「いきなりだもんね。前まで宿屋暮らししてたのに…」
「でも焼肉屋フレイムとか甘味屋ロザリーとかお店もやってるんでしょ〜?お金は持ってたんですよ〜。くそ〜狙っておけばよかったです〜。」
クインとローサがジェイドのことを話している。ジェイド…前から強いとは思っていたが、プラチナランクとは…差をつけられてしまったな。ローサもジェイドのことは気にしているようだし、もしかして…いや、俺は俺ができることをやるだけだ。
「ちょっと周りの様子を見てくる。」
ブレーザーが安全確認に行ってくれた。無口だが頼りになる仲間だ。
「大きなトラブルもなく安全に進んでいますね。さすがゴールドランクパーティです。」
依頼主の貴族からお世辞を言われた。悪い気はしなかった。御者も馬の扱いに慣れていて安心して任せられる。
俺は依頼主や御者と話していた。ゴトンッと何かが落ちてきた。
「ひいっっ!」
「なっっっ!」
御者と依頼主が声を上げて座り込んだ。なんだ?コレは?
ソレはブレーザーの生首だった。口元に血が付いている。目が虚ろだった。
「ローサ!クイン!集まれ!」
俺は仲間を集めた。緊急事態だった。何が起きたかわからない。だがブレーザーは死んだ。
「は〜い。どうしまし…たっっ!」
「どうしたのっっ!」
クインとローサも気がついたようだ。
「なっっ!なんでこんなっ!」
「何があったの!」
「わからん…だが敵がいるのは間違いない。」
俺達は周囲を警戒した。するとドス黒い気配が近づいてきた。
「うっっ!うぇっっ!」
クインが吐いた。無理もない。俺も吐きそうだった。なんだこれは。ローサは失禁して座り込んでいる。
「な、なんだ!お前は!」
人間のような外見をした魔物?だが魔物とは明らかに違う異質な存在だった。
「ふむ、人間は脆いな。ちょっと触っただけで死んでしまった。」
喋れるのか!なんだコイツは!
俺は目を離したつもりはなかった。だがその存在はいつの間にかクインの横にいた。瞬間、クインは肉塊になっていた。
「ローサ!逃げろっ!」
俺はそう言うしかなかった。だがローサは動けない。
「馬か…よし、お前と馬はいいぞ。生かしておいてやる。」
依頼主の貴族も殺された。御者と馬車で道を戻る。俺達はどうなる…?いや、わかっていた。
「お前たちは殺すぞ。」
今まで感じたことのない途方もない殺意が俺達を包む。こんなことならローサに告白しておけばよかった。そんなことを考えていた。




