悪魔という存在
王は疲弊していた。ゴールドランクパーティと貴族が悪魔に殺された。これは国を揺るがすほどの問題だ。悪魔という存在、そしてそれはゴールドランクパーティでも太刀打ちできないという事実。これを公表するか否か。そしてその悪魔は現在、まだ生きている。
「ふぅ…結局、ジェイドとセス様に頼ることになってしまうな。」
王からは覇気を感じられない。飄々とした感じのある人だが追い詰められているようだ。
「それは仕方ないと思いますが…悪魔との遭遇率が上がっている気がしますね…」
「前も言ったが、悪魔とは淀み。よからぬ感情が渦巻いていると悪魔は生まれる。覚えがあるのではないか?」
王は難しい顔をしている。これはもしかして…
「まさか…戦争が近いとか?」
「まだそこまでの段階ではないのだがな…」
この世界にも戦争はある。国、そして人がいる限り争いは絶えないのだ。
「他国では悪魔対策はどうなっているのですか?」
「変わらんよ。強者が悪魔を倒す。それだけだ。」
「セス…なんとかならないのか?」
「簡単なことよ。そして簡単だができんことだ。」
セスが言いたいことはわかる。戦争をなくす、争いをなくすということだろう。だが、俺が知る限り不可能だろう。
「まずは今回の悪魔をなんとかしてからか…」
「そうだな。まずは悪魔を倒さないことには始まらない。」
「私とジェイド、セス様で行きます。」
「頼んだぞ。」
夜の会談が終わり、早朝に行くことが決まった。俺は王とフレイヤが出ていった部屋でセスと話していた。
「少しは落ち着いたようだな、ジェイド。」
「あぁメイとリゼのおかげでな。それにしても俺と二人きりの時でも威厳のある口調にするんだな。」
「その方が神獣らしいとレイナに言われたからな。」
ブフッッ。俺は噴き出した。
「なっっ!なにが可笑しい!」
「いやいや、神獣フェンリルでも人間との関係性を気にするんだなと思ってさ。」
「人間は神獣を崇めているようだからな。イメージは大事なのだろう?」
「それはそうだけど…」
神獣と人間もこうして歩み寄れるのだから同じ人間も歩み寄れるのではないか?俺はそんなことを考えながらセスと話していた。
「セス、ホワイトファングの連中はさぁ…本当にいい奴らだったんだぜ。」
「それはジェイドや他の連中の様子を見ていればわかる。」
「悪魔さえいなけりゃ…そんなことをずっと考えちまうよ…」
「だが現実として悪魔は存在する。そしてヤツらは災害だ。」
「あぁ倒さないとな。」




