仇討ち
この世界はあまりにも残酷だ。前世に比べて人が簡単に死ぬ。
俺達はフレイヤの部屋にいた。
「それは確かな情報なのか?」
「御者と馬だけが戻った。というか言伝のために生かされたらしい。」
「…悪魔か?」
「だろうな。」
「俺が行く。」
俺は立ち上がり出ていこうとした。だがフレイヤに止められた。
「待て!王の指示を待て!」
「指示もクソもないだろう!すぐにでも行く!」
「ジェイド…落ち着いて。」
「ゴールドランクパーティが全滅となるとすぐには動けん!わかっているだろう!」
「くっっ!」
俺は再び椅子に座る。
ホワイトファングとは親しかった。リーダーのクレストンを始めとしてローサ、ブレーザー、クイン…いい奴らだった。せめて俺が弔ってやりたい。
「どちらにせよ王はお前を指名するだろう。だが今回はパーティの全滅だ…大事だからな。私も行く。」
「フレイヤが?」
「あぁ…レイナ、私の代わりにギルドにいてくれ。戦力は確保しておきたいからな。」
「それはいいけど…」
「ジェイドとセスの力はまだ他に見せるわけにはいかないからな。」
「わかった…とりあえず俺は帰るよ。」
「ちょっとジェイド!」
「いや大丈夫だ。レイナは少し残ってくれ。」
俺はギルドの階段を降りる。ここまで足取りが重いのは初めてかもしれない。
「ジェイドさん…」
エイミーが心配そうな顔をしていた。横にはフリードとグレイもいた。
「ジェイド…本当なのか?ホワイトファングが…」
「あぁ…全滅らしい。」
「くそっっ!」
フリードが壁を殴りつけた。
「クレストンと飲む約束してたんだぜ!なんでだよっ!」
「ジェイド…誰が行くか決まったんですか?」
「いや…大事だから王の指示待ちらしい。」
「そうですか…フリード、ジェイド。誰が行くことになるかわかりません。でも恨みっこなしでいきましょう。」
「あぁ、そうだな。」
「わかってる!だが…クレストンっっ!」
俺はギルドを出た。どこかに寄る気分でもなく、俺は家に帰った。
家に戻るとヴァルキリーがいた。
「ジェイド!ホワイトファングは! 」
俺はみんなに説明した。
「そんな…」
「今度はホワイトファングまでが…」
ヴァルキリーにとってもホワイトファングは大きな存在だった。ゴールドランクの先輩として時には相談に乗ってもらったりしたのだろう。
「セス。俺達で行くことになると思う。準備はしといてくれ。」
「うむ、レイナはどうした?」
「今回は留守番だ。代わりにフレイヤが行くことになりそうだ。」
「ギルマスが!」
「ふむふむ…大丈夫なのか?」
「フレイヤは強い。レイナとはまた違うがな。俺は疲れたから寝る。」
「ちょっと!ジェイド!」
ホワイトファングの仇討ちだ。




