最後の夜は突然に
俺は今、焼肉屋フレイムにいる。たまたま店の様子を見に行ったらホワイトファングの連中がいて、声をかけたら一緒にどうだ?と誘われたからだ。
「ジェイド〜焼けたぞ!食え食え!」
リーダーのクレストンが俺の皿に肉を乗せる。今日はご機嫌のようだ。
「どうした?なんかいつもの雰囲気と違うな?」
「あれ〜ジェイドは知らないんです〜?」
「なにが?」
「私達はしばらく王都を離れるのよ。」
「そうなのか?」
「あぁ金払いのいい依頼があってな。」
ホワイトファングに指名依頼が入ったらしい。貴族の護衛依頼だ。俺は貴族依頼は受けたくないがゴールドランクパーティともなるとそうはいかないらしい。だが依頼料は高い。
「貴族の依頼は面倒だが箔が付くしな。」
「近頃は低ランクの仕事ばかりだったからね。」
最近、ギルドの掲示板には高ランクの依頼が少なかった。俺は副業?でなんとかなるが他はそうもいかない。平和になることはいいことだが仕事がなくなるのは困る。そんな状態だったからホワイトファングが浮かれるのもわかる。
「そうだな。まぁ気をつけて行ってこいよ!」
「あぁ!ジェイドもちゃんと仕事しろよ!」
「そうですよ〜。私達もすぐにプラチナランクに上がっちゃいますからね〜!」
「早めに頼むぜ。高ランカーが多い方が俺も楽できるからな!」
「じゃあ今日はその高ランカーさんの奢りかな?」
「前も奢らなかったか?」
「すまん。デザート追加。」
「こっちも!」
「前と同じパターンじゃねえか!まぁいいけど。」
俺の奢りとなってからホワイトファングの連中は更に食べた。俺も久しぶりにかなり酒を飲んで楽しい夜になった。
これがホワイトファングと過ごした最後の夜だった。
ホワイトファングが出発してから数日が経過した。俺はちょっとした依頼を受けたり、自分の店の様子を見たりと普段通りの日常を送っていた。そんなある日だった。
「ジェイド様!起きてください!」
執事のブランドールが俺を起こした。
「ん…?どうした?」
「王から至急、ギルドに来るようにと!」
「珍しいな…こんな朝っぱらから。」
俺は支度を済ませ、ギルドに向かう。途中でレイナと合流した。
「なんなのかしら?」
「わからん。俺もブランドールからギルドに行けって言われただけだし。」
俺達はなにも知らないままギルドに着いた。まだ早朝なので静かだった。エイミーがいる。
「おはよ…エイミー。なにがあった?」
エイミーの顔は真っ青だった。俺の声が聞こえたからかフレイヤも出てきた。
「ジェイド、レイナ…ホワイトファングは知っているよな?」
「あぁ…貴族の護衛依頼で出ているはずだろ?」
「ホワイトファングが全滅したらしい…」




