下世話な話
その日の夜、食後に俺はシャナと話した。
「プリンはスゴい売上だったな。」
「そうねぇあんなに並ぶとは思わなかったからびっくりしたよ。あ、ちゃんと営業後に近隣の店にお詫びに行ったよ。」
「そうか。ちょっと騒ぎになったからな。近隣とは仲良くやるためにも今後も気をつけないとな。」
「そうね。フィリスが魔法を使えるから用心棒はいらないけど、嫌がらせとかされるかもしれないからね。」
俺達は今後の営業方針を話し合った。シャナも成長したなぁとしみじみ思う。
「ところで…ロッテのことなんだけど。」
「なんかあった?」
「いや、まぁ…冒険者のフリードがさぁ…」
「あぁ!ロッテに惚れてる件ね。」
「やっぱりそうなのか!特に問題はないか?アイツはプラチナランクだからな。遠慮して言えないこととかあるか?」
「んーないと思うけど…どうなのかな?」
「従業員同士で恋愛系の話はしないのか?」
「私は今はお金を稼ぐので精一杯だし、フィリスはお菓子とお風呂にしか興味なさそうだし…」
「それもどうなんだ…」
「ジェイドだって同じでしょ!サクラやレイナ、セスだっているのに進展ないじゃない!」
当たり前のように俺の話をされる。撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ。
「ヨシ!俺達野話は止めよう!」
「そうね…止めよう。」
「でもフリードの恋愛感情が営業の妨げになるなら注意しなきゃならんからな。」
「ロッテにそれとなく聞いてみない?」
「任せるわ。」
シャナはロッテを呼びに行った。それとなくなんてシャナにできるのだろうか?
しばらくして、シャナとロッテが入ってきた。
「ジェイドさん、なにかありましたか?」
シャナは心配そうな顔をしていた。
「いやいや、違うから!今日は忙しかったから…その…感想とか聞きたくて?」
「は、はい?忙しかったですけど…お客さんがとても喜んでいたし楽しかったですけど。」
俺はロッテと当たり障りのない話をしていた。するとシャナが
「ねぇ?ロッテ?フリードさんてわかる?」
突然、切り出した。それとなくとは…?
「はい。冒険者のお客さんですよね?常連さんです。」
「そうそう。で、フリードさんて…ロッテ的にはどう?」
「え?んーあまり味の感想は言ってくれないですけど…来店頻度を考えるとうちにハマっていると思いますよ。」
違う、そうじゃない。
「ん、んーなんていうのかな?お客さんとしてじゃなく…」
「冒険者ランクはプラチナランクなんですよね?ジェイドさんと同じで。あまり強そうには見えないけどスゴいですよね。」
これは埒が明かない。ぶっ込もう。
「なぁロッテ。フリードはお前に好意があるっぽいんだか…?」
「え!まさかぁ〜プラチナランクの冒険者さんですよ。めちゃくちゃモテるんじゃないですか?私みたいな店員なんか興味ないですよぉ〜。」
「いや、でもロッテにデレデレだったけど?」
「愛想が良いだけなのではないですか?」
これは…放置しても大丈夫みたいだ。
「そうか。フリードに特に問題がなければいいんだ。わざわざすまないな。」
「いいえ。大丈夫です。」
ロッテが部屋を出ると俺とシャナは苦笑いをした。
「問題なさそうだしいいんじゃない?」
「そうだな。進展がありそうだったら教えてくれ。」
これは従業員の問題だから気にしているだけだ。たぶん。




