討伐完了
何度目かの轟音が響き渡る。
「大丈夫かしら?」
私はヴァルキリーのメンバーを回収して介抱していた。疲弊はしているようだが無事でよかった。
「っっ!ここは?」
「まだ深淵の森よ。」
この子はカエデだったかしら?金髪の女の子が起き上がる。
「貴女は?」
「私の名前はレイナ。プラチナランク候補の冒険者よ。ヴァルキリーのメンバーを回収する任務を受けてここにいるわ。」
「そうだったの…!アイツは!」
「あの化け物ならなんとか倒したわよ。一人でやったわけじゃないけどね。」
事前の打ち合わせ通りに話した。ジェイド単体で討伐したと知られるのは面倒らしい。
「そうですか…ありがとうございます。」
「仕事だから大丈夫よ。あ、ジェイドも来ているからね。」
「ジェイドが!来ている!」
ガバっと長い髪の女の子がいきなり起き上がった。この子は話に聞いていたサクラだろう。
「貴女がサクラね。ジェイドから聞いているわ。」
「そう!私がジェイドの恋人のサクラです!」
「恋人…?そうは聞いていなかったけど…」
サクラはちょっと変わっていると言っていた。多分、そういうことなのだろう。もう一人の様子を見よう。
「彼女は大丈夫かしら?モミジだったわね?」
「モミジは寝起きが悪いだけだ。大丈夫。モミジ!起きてください!モミジ!」
「う、う〜ん。…なんですかぁ?」
本当に寝起きのような感じだ。これは大丈夫だろう。
ヴァルキリー全員の無事を確認した。あとはジェイドだが…あの白い犬はなんだったんだろうか?ヴァルキリーは見ていないのか?
「ねぇ白い犬?がいなかった?」
「犬!こんな所に犬?」
「え、えぇ雷の魔法を使う犬っぽい魔物?だったわ。」
「雷!私と同じ!親近感が湧きますね!」
「犬が魔法を…そんなことあるのかしら? 」
ヴァルキリーのメンバーは白い犬を見ていないようだった。なかなか可愛い犬だったのに。
「おぉ!全員無事みたいだな!」
「ジェイド!私を助けに来たのですか!」
サクラは相変わらずのようで安心した。
「ヴァルキリーを助けに来たんだ。そこのレイナに頼んで一緒に来た。というかあの化け物はほぼ、フェンリルが倒したぞ。さすが神獣だな。」
「フェンリル!あの伝説の!」
「見たかったです!私達を助けてくれたということでしょうか?」
「あの白い犬はフェンリルだったのね。美しい毛並みをしていたわ。」
「ちょっと喋ったけど敵ではないって言ってたぞ。」
「フェンリルって喋るの!」
「神獣ってスゴいですね…」
「それに強かった。フェンリルがいなかったら俺もレイナもヤバかった…なぁレイナ?」
「そうね…あの化け物…恐ろしかったわ。」
「めちゃくちゃ強かった!でも私達は生きている!私達の勝ちだ!」
「勝ちではないと思うけれど。」
「それでも結果的に全員無事なんだ。冒険者としては勝ちさ。」
そう俺達は勝ったのだ。フェンリルという助けはあったが生き残ったのだ。




